音楽コラム「Classicのススメ」


2007年07月/第46回 ルイジアナって、どこ?

 ルイジアナなら、アメリカの州の名前でしょ、とお答えになった方がほとんどではないだろうか。南東部のメキシコ湾沿い、ジャズ発祥の地といわれるニューオリンズがあり、2005年には超大型ハリケーンで大きな災害に見舞われた、あの州だ。
 そのルイジアナ、今月11日から14日にかけて放送される「ユーロ・ライヴ・セレクション」では、ルイジアナ現代美術館、なる会場での演奏会が取り上げられている。
 4回のうち3回にはエベーヌ弦楽四重奏団、ピアノのエリック・ル・サージュという、東京国際フォーラムでの「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」でおなじみの、将来を嘱望されるアーティストが出演し、残る一回もヴェテランのラレードなど、実力者たちによるトリオ演奏だ。
 この番組で取り上げるプログラムを選択していた私たちがこの演奏会シリーズに気がついたとき、アメリカにはこんなセンスのいい催しをやる会場があるのか、などと感心していた。ところがデータをよく見ると「デンマーク放送提供」とある。そう、よく調べたらこれはコペンハーゲンの北35キロ、フムレベックなる町にある美術館のことで、アメリカではなく北欧のものだったのだ。
 この美術館のサイトを覗いてみると、毎年面白そうな内容のコンサートをやっている。やっぱり世界は、いやヨーロッパだけでも充分に広い、と教えられた次第。

山崎浩太郎(やまざきこうたろう)
1963年東京生まれ。早稲田大学法学部卒。演奏家たちの活動とその録音を、その生涯や同時代の社会状況において捉えなおし、歴史物語として説く「演奏史譚」を専門とする。著書に『クラシック・ヒストリカル108』『名指揮者列伝』(以上アルファベータ)、『クライバーが讃え、ショルティが恐れた男』(キングインターナショナル)、訳書にジョン・カルショー著『ニーベルングの指環』『レコードはまっすぐに』(以上学習研究社)などがある。
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