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ターンテーブルの夜


(月~金)23:00~24:00
ターンテーブルの夜
ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

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ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

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ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

 時がめまぐるしく進む現代、慌ただしく生きる毎日。そんな日々だからこそ輝きを増すアナログの世界・・・・。長い時を隔てたアルバムの味わいを温かなヴォーカルと共に堪能してください。
 パーソナリティが日米を股にかけて集めたヴォーカル・コレクションの中から選曲、貴重なオリジナル盤も持ち込みます。

アナログでしか出せないジャズ・ボーカルの味わい
 3月26日から30日は茂木亮さんが担当します。ヴォーカルとレコードに対する愛着は誰にも負けないという茂木さんの選曲と語りをお楽しみください。(4月2日~27日はアーカイブス放送となります。)

●ザッツ・ホワット・ライフ・イズ・オール・アバウト/ビング・クロスビー
 ワシントン州出身で、30年代に歌手としてトップスターの地位を確立したクロスビー。その後映画界にも進出し、生涯で57本の映画に出演しています。歌手としては40年以降13曲の全米No.1ヒットを放ち、「ホワイト・クリスマス」や「星にスイング」などの数々のヒット曲を含む、生涯のレコード売上は4億枚を超える大物中の大物です。この番組で自分がクロスビーを紹介するのは初めてですが、数ある音源の中から晩年の1枚を。クロスビーは、74年に肺の5分の2を切除する大手術を受けていますが、このアルバムはその翌年のユナイテッド・アーティスツへのイギリス・レコーディングで、ピート・ムーアのアレンジによるオーケストラをバックに、一部で作曲家のジョニー・マーサーとデュエットするなどで、新曲を含む13トラックをクロスビーはしみじみと歌っています。

●クワイエット・ナイツ/キティ・カレン
 フィラデルフィア出身で、10歳になる前からラジオ番組に出演し、14歳で『キティ・カレン・コーリング』という番組を持っていた“プリティ”キティ・カレン。43年にジミー・ドーシー楽団に入団、さらにジャック・ティーガーデンやハリー・ジェイムスなどのバンドでも歌い、ヒット曲も多数放ちますが、40年代半ばに発声のトラブルなどによりリタイア。53年にカムバックしたもののほどなくリタイアします。そして、59年に再度のカムバックを果たし、60年代初めごろまでにコンスタントにアルバムを吹込みました。このアルバムは、64年に20世紀フォックスからリリースされ、当時のトレンドでもあったボサ・ナンバーやスタンダードを、ボサ・ノヴァ・タッチのサウンドに乗り歌い切ります。ここでは、編曲、指揮を担うマニー・アルバムによる、ややハスキーなキティの声を最大限に活かす音数を抑えたサウンド作りの上手さも光ります。

●エスター/エスター・フィリップス
 テキサス州出身で、10代前半の48年にアマチュア・コンテストで優勝し、“リトル・エスター”の芸名でジョニー・オーティスのバンド・シンガーに抜擢されたエスター。53年にソロ活動をするようになりましたが、ドラッグなどの悪癖から抜けられずシーンから消えてしまいます。そして、62年にエスター・フィリップス名義で出した「リリース・ミー」が起死回生のヒットとなり、64年にはアトランティックとの契約に漕ぎつけ、70年までに断続的にレコーディングをしています。このアルバムは、66年にリリースしたアトランティックへの2枚目の吹込みで、スタンダードや当時のヒット・ナンバーなどをオリヴァー・ネルソンやレイ・エリスらのアレンジによる分厚いサウンドをバックに、ソウルフルなスピリットを込めて歌っています。

●スウィンギン・ダウン・ザ・レーン/ディック・レーン・カルテット
 クラリネット奏者のディック・レーンは、51年にサンフランシスコで兄弟とグループを結成し、ナイトクラブやTVなどに出演し活躍しました。54年に結成した新たなグループが、自身の名前を冠したカルテットになります。このアルバムは、58年にアーゴに吹込んだ2枚目にあたり、男性3人と女性1人によるヴォーカル・インストゥルメンタル・グループという編成で、メンバーとも前作と同じです。ディックのほか、アコーディオンのドン・ルジアーニ、ベースのジム・ウェスト、女性ヴォーカルのパット・リチャーズの4人が聞かせるコーラスは、一聴してフォー・フレッシュメンにそっくり!というバンド・サウンドで、ここではさらに、ギターやドラムス、一部ではサイ・タフのアレンジによる管楽器も加わり、バックのサウンドに彩を添えています。

●ヴォーン・アンド・ヴァイオリンズ/サラ・ヴォーン
 ジャズ・ヴォーカルの範疇にとどまらず“ザ・シンガー”と称されたシンガーの中のシンガー、サラ。ニュージャージー州の出身で、幼少からピアノを習い、12歳で地元の教会でオルガンを弾き、聖歌隊に入りました。45年のソロデビュー後は、47年~51年までダウンビート誌女性歌手部門で1位に輝くという華々しいスター街道を歩みます。50年代には、コロンビア、マーキュリーの専属となり多数のレコーディングを残します。このアルバムは58年にパリで吹込まれ、マーキュリーからリリースされたもので、タイトルどおりのストリングスを中心としたアレンジは、クインシー・ジョーンズが担います。ヘヴィーなブラス・セクションやリズム・ビートを排除した甘美なサウンドに乗り、スタンダードやジャズ・オリジナルをバラッド・テンポで歌う11曲はひたすらムーディな心地にリスナーを惹きこみます。

●アイ・スウィング・フォー・ユー/ヴィッキー・レイン
 アイルランド、ダブリン出身の女優として知られるヴィッキー。あでやかな黒髪が人気だったということですが、女優としての実績はあまり分かりません。このアルバムは、59年にハリウッドでRCAに吹込まれたもので、サブタイトルのように、アレンジも担うピート・カンドリ(tp)をフィーチャーしています。ジミー・ロウルズ(p)、バーニー・ケッセル(g)のほか、vib,b,dsにもウェスト・コーストの名手が参加し、ヴィッキーを盛り立てます。ここではスタンダードを中心に、タイトルどおりスウィンギーかつ爽やかに、落ち着いたクール・ヴォイスで歌うヴィッキーが堪能できる貴重な1枚に仕上がっています。

●ザ・ラヴ・アルバム/レイニー・カザン
 NY出身のレイニーは60年代初めからミュージカルに出演し、ディーン・マーティンのショーに抜擢されてからは、ショー・シンガーとして知られるようになり、65年には「ベン・ケーシー・ショー」でTVデビューを飾ります。シンガーとしてはMGMと契約し、66年からその翌年にかけアルバム4枚を立て続けにリリースしています。このアルバムは、その4枚目にあたる67年の吹込みで、タイトルどおりの切ないラヴ・ソングを揃え、ピーター・ダニエルズの編曲・指揮によるムーディなストリングスやサックスによるバックに乗り、リスナーを思わずうならせるような歌唱で迫ります。

●グッディ・グッディ/ヘレン・ウォード
 NY出身のヘレンは、高校卒業後の33年からいくつかのダンスバンドで歌うようになります。翌34年にベニー・グットマン楽団の専属になり、スウィング・ジャズ時代最初期の「ガール・シンガー」のひとりとして人気を博します。36年末にはグッドマン楽団を退団するヘレンですが、その時点で20歳という若さでした。楽団在籍中の2年余りにヘレンは、30曲近い吹込みを残しています。このアルバムは、グッドマンのバンド・シンガーとしてビクターに吹込んだ音源から16曲をセレクトした日本編集盤で、ヘレンが20歳になるまでのドキュメントとして聴いても、すでに完成された歌唱力やジャズ・フィーリングがひしひしと伝わり、古き良き時代を感じさせずにいない内容になっています。

●シングズ・アンド・スウィングズ/ジーン・ホフマン
 オハイオ州ポートランドの出身のジーンは、5歳のときからピアノとチェロを学びました。そして、テディ・ウィルソン(p)を初めて耳にしてからジャズに惹かれ、ジャズ・コンボに参加するようになります。その後はサンフランシスコに拠点を移しプロとして活動する傍ら、ビリー・ホリディ、ルイ・アームストロング、シナトラなどの歌や、アート・テイタム、ファッツ・ウォーラー、ブルーベックなどのピアノを聴き、影響を受けていきます。このアルバムは57年にファンタジーからリリースされたジーンのピアノ・トリオによる弾き語り盤で、スタンダードを中心に12曲を歌いますが、スタジオ・ライブのような雰囲気の中で、メロディをフェイクする余裕をみせたり、ピアノのトーンにあわせユニゾンでハミングするなどの小技も楽しい1枚になっています。

●アン・イヴニング・ウィズ・メアリー・マッコール&チャーリー・ヴェンチュラ
 フィラデルフィア出身のメリー・アンは、39年にウディ・ハーマン楽団に迎えられ活躍し、47年には自己名義のレコーディングをしています。ただのバンド・シンガーにとどまらず、ジャズ・センスを前面に出して歌うところにメリハリを感じさせ、バックのミュージシャンとの信頼関係を築くことになっていきます。このアルバムは、54年にテナーのチャーリー・ヴェンチュラ(ts)のコンボをバックに歌った2回のセッションから成る貴重な音源で、メアリー・アンは5曲に参加しています。ここでは、デイヴ・マッケンナ(p)を中心とする堅実なリズム・セクションも上々で、バンドに溶けこむようなメアリー・アンの卓抜さを一層際立たせています。

3月26日の曲目 27日の曲目 28日の曲目 29日の曲目 30日の曲目  
※オンエア曲リストは放送後2週間を経過すると削除されます。ご了承ください。

武田清一

出演:武田清一

1970年代にフォークグループ「日暮し」の一員で「いにしえ」という大ヒットを残した武田氏は、アナログレコードの大ファンで、ジャズヴォーカルを中心に3000枚を越えるコレクションの持ち主です。自宅では二つのオーディオを音楽によって使い分け、CDでは得られないアナログサウンドを楽しんでいます。

上原 昇

出演:上原 昇

横浜在住。ジャズを聴き始めたのはハタチの頃から、地元『ちぐさ』によく通いエヴァンスやコニッツなど”白人系”ジャズに酔いしれる。もう一つ『ジャズ批評』から多くを学び、その恩返しをと。ヴォーカル(主に白人系)やボサ・ノヴァ(サンバではない)に神経を集中する日々。中途半端なコレクションはしてないつもり。

茂木亮

出演:茂木亮

1960年5月札幌出身、ピアニスト、スティーヴ・キューンのマニア、完全コレクター(自分が生まれたとき、キューンはコルトレーン4のメンバーだった)で、ジャズ批評誌などにキューン関連の情報を発信している。中野新橋のジャズ喫茶・ジニアスに20年以上通い続け、リスナー、レコード・コレクターとしての極意(?)を習得。高田敬三氏主催の「ボーカルを楽しむ会」では、年に一度ほど例会の案内係を担当。

ターンテーブルの夜
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アナログでしか出せないジャズ・ボーカルの味わい
2月26日から3月2日は茂木亮さんが担当します。ヴォーカルとレコードに対する愛着は誰にも負けないという茂木さんの選曲と語りをお楽しみください。(3月5日~23日はアーカイブス放送となります。)

●ザ・サウンド・オブ・ラブ/マイーザ
 50年代中ごろから活躍したブラジルの大物シンガーマイーザは、ブラジルのRGEレーベルからレコード・デビューし、デビュー時点で退廃的さをミックスしたドラマティックな歌いぶりを完全に自分のものにしていました。本アルバムは、RGEの58年原盤を翌年ユナイテッド・アーティスツがアメリカ盤としてリリースしたもので、収録曲名はポルトガル語のままです。「ボサ・ノヴァ誕生前夜」とされる時期の吹込みで、シモネッティのオーケストレイションのもと、サンバ・カンソンのナンバーを中心にジョビンの曲や自身のオリジナルも交え、情念を込めて全12曲を歌い通しています。

●ペギー・リー・ウィズ・デイヴ・ハーバー
 ノースダコタ州出身のペギーは、40年頃からキャピトルなどにレコーディングしている大御所です。52年にデッカ専属となり、有名盤『ブラック・コーヒー』を含む名作を次々に送り出し、56年終わりごろにキャピタルに復帰しています。デッカ後期~第二期キャピトル時代の初めごろがペギーの絶頂期とするのが、今では定説のようです。本アルバムは、その少し前の第一期キャピトル時代の46年~49年の音源をコンパイルしたもので、いずれも夫君のデイブ・バーバー(g)によるラージ・コンボがバックを担っています。全16曲中8曲は、51年リリースの10吋アルバム、『ランデヴー・ウィズ・ペギー・リー』に収録されていますので、それ以外のオリジナル・アルバム未収録曲を中心に聴いていきましょう。

●シングズ・フォー・ザ・スターリー・アイド/マーガレット・ホワイティング
 デトロイト出身のマギーは、「ミス・ブラウン・トゥ・ユー」や「ヒーズ・ファニー・ザット・ウェイ」などの作者として知られるリチャード・ホワイティングを父に持ちます。14歳でその父を失いますが、40年にラジオショーでプロデビューし、その後バンド・シンガーなどを経て、40年代後半にはソロとしてキャピトルなどから多くのヒット曲を飛ばします。本アルバムは、56年にキャピトルからリリースされ、フランク・ディヴォルのオーケストラをバックに、スタンダードなど12曲を歌っています。自然体に終始する歌いぶりは、万人に好感を持って受け入れられるのではないでしょうか。

●ジャスト・フォー・ユー/ナンシー・ウィルソン
 オハイオ州出身のナンシーは、56年にバンド・シンガーとしてキャリアをスタートし、キャノンボール・アダレイ(as)に見出され、60年にキャピトルからレコード・デビューしています。その後はスター街道を邁進し、ジャズ・シンガーにとどまらず、ポップ系のアルバムも次々にリリースし、ヒット曲も数多く放ちました。67年から68年には、NBCの番組「ザ・ナンシー・ウィルソン・ショウ」のホストを務め、エミー賞を受賞しています。本アルバムは、67年にキャピトルからリリースされたもので、すでに20枚近くのアルバムがリリースしながら快進撃を続かるナンシーの、リスナーヘのメッセージのようなタイトルになっています。ビリー・メイやオリバー・ネルソンがアレンジを担い、当時のヒット・ナンバーなどをゴージャスなサウンドに乗って歌うナンシーの声も冴え渡ります。

●マイ・ディープ・ブルー・ドリーム/ビリー・エクスタイン
 ピッツバーグの出身の「ミスターB」ことビリー・エクスタインは、ハワード大学卒業後にシンガーとしての道を歩み始めています。30年代末にアール・ハインズ(p)楽団の専属歌手になり、43年からはソロ活動するようになり、44年に自身のバンドを結成します。本アルバムは、そのビッグ・バンドで吹き込んだ45年から46年の音源をLP化したリージェントがリリ―スしたものです。ビ・バップのビッグ・バンドの草分けともされるこのバンドの豪華メンバーには、ファッツ・ナヴァロ(tp)、ジーン・アモンズ(ts)、デューク・エリントン(p)、アート・ブレイキー(ds)らの名前も見られ、分厚いサウンドの伴奏に乗るビリーは、独特の粘りを持つバリトン・ヴォイスでリスナーを魅了、とりわけバラッドで本領発揮しています。

●ラヴァーズ・アンド・ルーザーズ/テディ・キング
 ボストン出身のテディ・キングは、コンテストの優勝を機にバンド・シンガーとなり、49年に初レコーディング、52年にジョージ・シアリング(p)クインテットのシンガーとして迎えられました。53年の独立後、ストーリヴィルに残したアルバム2枚(12インチLP)で決定的評価を得たのち、50年代後半はRCAやコラルなどに続々とアルバムを吹込みました。60~70年代前半は家庭にでも入ったのか、シーンから遠ざかりましたが、76年にオーディオファイルから登場した新録が、本アルバムです。ルーニス・マクグロホン(p)トリオをバックに、小唄的なスタンダードやマクグロホンのオリジナルなど14曲は、こじんまりとしたスペースで、目前で歌われるかのような何とも言えない親近感を醸し出しています。

●ア・ソング・フォー・ユー/カーリン・クローグ
 60年代半ば以降ヨーロッパを代表するシンガーに君臨し、ノルウェーのジャズ・シンガーの第一人者として80歳となった2017年現在も現役で歌い続けるカーリン。様々なヴォイス効果などを駆使したレコーディングやステージングを早くから取り入れ、前衛的なジャズ・ミュージシャンとの共演も多数残していますが、1歌手としてシンプルにレコーディングしたアルバムも多くあります。本アルバムは、77年にスウェーデンのフォンタスティックに吹込んだ、ベンクト・ハルベルグ(p)とのデュオ音源です。この2人の音源では、82年の『トゥー・オブ・ア・カインド』というアルバムが有名ですが、選曲の面白さなどは本アルバムが上かもしれません。レオン・ラッセル作曲のタイトル・ナンバーは、この前年にブロッサム・ディアリーが吹込んでおり、ここでのカーリンは、ほかにもブロッサムのレパートリーを取り上げています。さらに、60年代にスウェーデンに来たケニー・ドーハム(tp)が現地で作曲した「スカンディア・スカイズ」に歌詞をつけ歌うところなどにも意欲が感じ取れます。

●ボディ・アンド・ソウル/ビリー・ホリディ
 ジャズ・ボーカル史の頂点に位置づけられるレディ・デイことビリー・ホリディ。大物シンガーならではでしょうか、CD時代になってからは、発掘音源などもクロノジカルに編集され、登場し続けています。本アルバムは、56年8月から57年1月にかけてのハリウッドでのセッションをヴァーヴがLP化したもので、3枚に分かれて発売されたうちの1枚ということになります。ウェストコースト系のミュージシャンがバックで、バーニー・ケッセル(g)、ジミー・ロウルズ(p)、そしてベン・ウェブスター(ts)らによる一級品のプレイに乗り、レディは楽し気に歌いまくります。3枚の中でも、ブルースやバラッド・テンポの曲が多いこのアルバムでは、しっとりしたレディが堪能できる逸品ということになります。

●アット・ベイジン・ストリート・イースト/ランバート,ヘンドリックス&ベヴァン
 2017年11月、ジョン・ヘンドリックスの96歳での訃報が伝えられました。ジョンは58年に、3人のシンガーによるユニット、LH&Rを結成し、既存のインスト・ナンバーに詩をつけて歌うヴォーカリーズの第一人者として、さらに作詞家、ナレーターなどとしても活躍し続けました。LH&R は人気を博しましたが、62年のヨーロッパ・ツアーで、アニー・ロスがそのままイギリスに残ったため、ロスの代役なども経験していたインド出身のヨランダ・ベヴァンが正式メンバーになり、ユニットはLH&Bとして活動を続行します。RCAから1年余りの間にライブ・アルバム3枚をリリースしますが、その1枚目にあたる本アルバムは、選曲や歌詞の面白さでも秀逸な出来栄えになっています。

●ジ・エキサイティング・コニー・フランシス
 ニュージャージー出身のコニーは、60年代に「オールディーズ・ポップスの女王」の異名を取ります。その一方で、スタンダードなども味わい深く歌えるキャパシティを持っていました。MGMに膨大なレコーディングがあり、フェイバリット・シリーズとして、各国のさまざまなジャンルの曲集を歌ったアルバムを数多くリリースしました。その中にあっても、スウィンギーなナンバーを歌ったアルバムもあり、このアルバムもそんな1枚です。レイ・エリス・オーケストラをバックに、スタンダードなど12曲を歌ったもので、少し鼻にかかったような独特の特長ある声が印象に残ります。

2月26日の曲目 27日の曲目 28日の曲目 3月1日の曲目 2日の曲目  
※オンエア曲リストは放送後2週間を経過すると削除されます。ご了承ください。
武田清一

出演:武田清一

1970年代にフォークグループ「日暮し」の一員で「いにしえ」という大ヒットを残した武田氏は、アナログレコードの大ファンで、ジャズヴォーカルを中心に3000枚を越えるコレクションの持ち主です。自宅では二つのオーディオを音楽によって使い分け、CDでは得られないアナログサウンドを楽しんでいます。

上原 昇

出演:上原 昇

横浜在住。ジャズを聴き始めたのはハタチの頃から、地元『ちぐさ』によく通いエヴァンスやコニッツなど”白人系”ジャズに酔いしれる。もう一つ『ジャズ批評』から多くを学び、その恩返しをと。ヴォーカル(主に白人系)やボサ・ノヴァ(サンバではない)に神経を集中する日々。中途半端なコレクションはしてないつもり。

茂木亮

出演:茂木亮

1960年5月札幌出身、ピアニスト、スティーヴ・キューンのマニア、完全コレクター(自分が生まれたとき、キューンはコルトレーン4のメンバーだった)で、ジャズ批評誌などにキューン関連の情報を発信している。中野新橋のジャズ喫茶・ジニアスに20年以上通い続け、リスナー、レコード・コレクターとしての極意(?)を習得。高田敬三氏主催の「ボーカルを楽しむ会」では、年に一度ほど例会の案内係を担当。

ターンテーブルの夜
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アナログでしか出せないジャズ・ボーカルの味わい
1月29日から2月2日は茂木亮さんが担当します。ヴォーカルとレコードに対する愛着は誰にも負けないという茂木さんの選曲と語りをお楽しみください。(2月5日~23日はアーカイブス放送となります。)

●ローレンス・ゴーズ・ラテン/スティーヴ・ローレンス
 イーディ・ゴーメとおしどり夫婦として長年活躍したローレンスは、50年代から単独名義のアルバムも多くリリースし、ポピュラーな人気を得ています。本アルバムは、61年にユナイテッド・アーティスツからリリースされたドン・コスタ・バンドによるラテンタッチのアレンジをバックに歌った1枚で、一部にコーラスも入る楽しいアルバムです。以前紹介しましたが、同時期にイーディも、ラテン・ナンバーを歌うアルバムをUAに吹込んでおり、合わせて聴くのも一興ではないでしょうか。ただ、ここで歌われる素材は、ラテン・ナンバーではなく、スタンダードとして知られる曲ばかりです。ローレンスの南米料理のお手並み拝見、いや拝聴といきたいと思います。

●ビッグ・バンド・スペシャル/ジューン・クリスティ
 イリノイ州の出身のジューンは、アニタ・オデイの後任としてスタン・ケントン楽団のシンガーに起用されたときは20歳の若さでした。ケントンはジューンの才能を高くい、4年後にジューンがソロとなった後も、ツアーに帯同させるなどしました。キャピトル契約後のジューンは、有名盤『サムシング・クール』を含むヒット・アルバムを次々にリリースし、白人トップ・シンガーの地位を不動のものにします。本アルバムは、キャピタルへの62年の吹込みで、タイトルどおり、ウエスト・コーストの名だたるミュージシャンによるビッグ・バンドをバックに歌ったもので、曲によりショーティ・ロジャースら3人がアレンジを担当しています。主に40年代に活躍した往年のビッグ・バンドの当たり曲を取り上げ、モダンな解釈で歌うジューンが圧巻です。

●ザ・フィーリング・イズ・ミューチュアル・リヴィジデット/ヘレン・メリル
 54年の『ヘレン・メリル・アンド・クリフォード・ブラウン』が一番人気で、“ニューヨークのため息”と称されるハスキー・ヴォイスの持ち主として広く知られてきたヘレン。とはいえ、その1枚を聴いただけでは、彼女のシンガー像が正しく伝わりません。最近、『フィーリング・イズ・ミューチュアル』として知られる65年の彼女のアルバムを紹介しましたが、その続編が実はこのタイトルどおりのアルバムです。日本ビクターのワールド・グループとマイルストーンの提携により68年に吹込まれたもので、ディック・カッツ(p)、ジム・ホール(g)、サド・ジョーンズ(cor)など、前編と同じメンバーも多く参加し、スタンダードやミュージカル・ナンバーのほか、オーネット・コールマンのオリジナルに挑戦した野心的な試みも聴くことができます。

●ザット・バッド・アーサ/アーサ・キット
 サウスカロライナ州出身のアーサは、16歳のときにロシア系ユダヤ人ダンサーの舞踊団に参加し、南米やヨーロッパを巡演中にパリのナイトクラブでシンガーとして成功します。51年にオーソン・ウェルズの相手役として舞台に出演、翌年に帰国するや、ブロードウェイで主役デビューを果たします。53年にRCAと契約し、トルコ語の「ウスクダラ」やフランス語の「セ・シ・ボン」などをヒットさせています。このアルバムは、54年頃にRCAからリリースされた10吋盤で、アンリ・レネのシャンソン風アレンジのオーケストラをバックに、一部フランス語を交え8曲を歌っています。アーサがジャズにはまるのは58年頃ということですが、歌いぶりにはすでにジャズ・フィーリングが横溢しますので、それほど違和感なく聴けるものと思います。

●ザ・リアル・ジョージ・カービー/ジョージ・カービー
 シカゴ出身のジョージ・カービーは、47年にブルース・シンガーとしてレコード・デビューしています。黒人コメディアンの草分けの1人で、60年代初めからの10年間ほどには、数々の有名TVショーに主演している大物です。本アルバムは、65年にアーゴに吹込んだ本格ジャズ・ヴォーカル盤で、リチャード・エヴァンス編曲、指揮のオーケストラをバックに、ハリー・ベラフォンテ、ビリー・エクスタイン、ナット・キング・コール、ディーン・マーティン、サミー・デイヴィス・JRらの歌いぶりを髣髴とさせるような歌唱を披露しています。ミュージカルで使われたナンバーを中心に、スタンダードなども交えた12曲を、アルバム・タイトルどおり、リアルなシンガーのように歌って見せます。

●ジャズ・サー、ザッツ・アワ・ベイビー/リタ・ライス
 オランダを代表するジャズ・シンガー、リタには50年頃からの音源が存在し、55~56年に渡米した際には、ジャズ・メッセンジャーズと共演レコーディングをしています。60年代初めごろまではオランダ国内で、最初のご主人でもあるウェス・インケン(ds)のバンドや再婚相手のピム・ヤコムズ(p)などのコンボがバックのレコーディングを次々にリリースしました。本アルバムは、63年にフィリップスからリリースされた異色盤で、オランダでは有名なダッチ・スウィング・カレッジ・バンドによるディキシー風でスウィンギーなサウンドをバックに、12曲を歌います。古いスタンダードやエリントン・ナンバーなどを小粋に歌うリタと、軽快なバックとのからみが何とも楽しい1枚になっています。

●スケッチズ/クリス・コナー
 カンザスシティ出身のクリスは大学時代からシンガーを目指し、40年代終盤からバンド・シンガーを務めます。ソロに転向してからの、50年代前半のベツレヘムや50年代後半以降のアトランティックなどへの多数の吹込みは、日本のジャズ・ヴォーカル・ファンにも人気があります。シャウトすることのない歌唱から、ハスキー・ヴォイスまたはクール・ヴォイスの代名詞と称され、長年活躍し続けましたが、ベツレヘムやアトランティックの後の音源は、あまり知られていないというか聞かれない実情にあるようです。本アルバムは、スタンヤンというハリウッドのローカル・レーベルから72年にリリースされ、ロッド・マッケンがプロデュースにあたっています。マッケンのオリジナルのほか、ローラ・ニーロ、ジェイムズ・テイラー、キャロル・キングらシンガー・ソングライターのナンバー、ビートルズやブレッドのヒット曲などポップスが盛りだくさんですが、意外にもポップさを感じさせないクリスの歌いぶりは、ジャズ・ヴォーカル・ファンも納得する作りになっているのではないでしょうか。

●マイ・マン/マリー・ルー・ブリュワー
 ワシントン州出身のマリー・ルー・ブリュワーは、学校を出てからプロとして歌うようになったとされます。ほどなく、ラジオやTVでも活躍するようになり、タレントスカウトショーで有名なアーサー・ゴッドフリーが、「ア・ニュー・クイーン・オブ the Red-Hot Mamas…(TV番組名?)」と称したほどの才能を開花させます。このアルバムは、ウエストミンスターに吹込んだおそらく唯一のアルバムにあたります。NYに進出しタレント・ショーに見いだされたのが58年2月ということですので、それからほどない50年代末から60年代初めのレコーディングでしょうか。サイ・シェイファー指揮、アレンジによるオーケストラがバックを担い、ジャズ・ヴォーカルとして歌われることの多いバラエティに富んだ12曲を、スウィンギーに、情感を込め歌い分けて見せます。

●キャロル!/キャロル・ヴェンチュラ
 62年のキャピトルへのシングル音源が確認できるキャロルですが、その時点ではロックン・ロール・シンガーだったことが分かります。ファースト・アルバムにあたる本アルバムは、プレスティッジから65年にリリースされたもので、少し威勢の良さを残しながらも、ジャズ・シンガーらしく変身していることが窺えます。ここでは、64年7月にストックホルムに乗り込んだベニー・ゴルソンが、現地のミュージシャンらによるビッグ・バンドによるバック・サウンドを先行録音し、その翌月にヴォーカル・パートを吹き込んだとなっています。ボサ・ノヴァや映画音楽、さらにはビル・エヴァンスの名曲、「ワルツ・フォー・デビー」など12曲に、キュートなエッセンスを交えながら歌うところを聴きとってほしいところです。

●ロウアー・ベイジン・ストリート・リヴィジテッド/ダイナ・ショア
 テネシー出身のダイナは、6歳のときにナッシュビルに移住し大学で社会学士を取得、学生時代からシンガーとして活動しています。卒業後NYに進出し、30年代末にRCAと契約、ラジオ番組出演などで人気が上昇します。レコーディングはRCA、キャピトルなどに多数のアルバムを吹込み、ポップスからブルースまで歌い切る名シンガーとして君臨しなした。本アルバムは、65年にリプリーズからリリースされたもの、アルバム・タイトルは、40年にダイナが抜擢されたNBCのラジオ番組名にちなみ、その往年の番組、「ロウアー・ベイジン・ストリート」の時代を再現し、当時の思い出の曲に新曲を交え、ラジオ・ショウをリメイクしたかのようなアルバムに仕上げています。

1月29日の曲目 30日の曲目 31日の曲目 2月1日の曲目 2日の曲目  
※オンエア曲リストは放送後2週間を経過すると削除されます。ご了承ください。


武田清一

出演:武田清一

1970年代にフォークグループ「日暮し」の一員で「いにしえ」という大ヒットを残した武田氏は、アナログレコードの大ファンで、ジャズヴォーカルを中心に3000枚を越えるコレクションの持ち主です。自宅では二つのオーディオを音楽によって使い分け、CDでは得られないアナログサウンドを楽しんでいます。

上原 昇

出演:上原 昇

横浜在住。ジャズを聴き始めたのはハタチの頃から、地元『ちぐさ』によく通いエヴァンスやコニッツなど”白人系”ジャズに酔いしれる。もう一つ『ジャズ批評』から多くを学び、その恩返しをと。ヴォーカル(主に白人系)やボサ・ノヴァ(サンバではない)に神経を集中する日々。中途半端なコレクションはしてないつもり。

茂木亮

出演:茂木亮

1960年5月札幌出身、ピアニスト、スティーヴ・キューンのマニア、完全コレクター(自分が生まれたとき、キューンはコルトレーン4のメンバーだった)で、ジャズ批評誌などにキューン関連の情報を発信している。中野新橋のジャズ喫茶・ジニアスに20年以上通い続け、リスナー、レコード・コレクターとしての極意(?)を習得。高田敬三氏主催の「ボーカルを楽しむ会」では、年に一度ほど例会の案内係を担当。