122chTHE JAZZ【Premium】

ターンテーブルの夜


(月~金)23:00~24:00
ターンテーブルの夜
ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

 時がめまぐるしく進む現代、慌ただしく生きる毎日。そんな日々だからこそ輝きを増すアナログの世界・・・・。長い時を隔てたアルバムの味わいを温かなヴォーカルと共に堪能してください。
 パーソナリティが日米を股にかけて集めたヴォーカル・コレクションの中から選曲、貴重なオリジナル盤も持ち込みます。

アナログでしか出せないジャズ・ボーカルの味わい
2月26日から3月2日は茂木亮さんが担当します。ヴォーカルとレコードに対する愛着は誰にも負けないという茂木さんの選曲と語りをお楽しみください。(3月5日~23日はアーカイブス放送となります。)

●ザ・サウンド・オブ・ラブ/マイーザ
 50年代中ごろから活躍したブラジルの大物シンガーマイーザは、ブラジルのRGEレーベルからレコード・デビューし、デビュー時点で退廃的さをミックスしたドラマティックな歌いぶりを完全に自分のものにしていました。本アルバムは、RGEの58年原盤を翌年ユナイテッド・アーティスツがアメリカ盤としてリリースしたもので、収録曲名はポルトガル語のままです。「ボサ・ノヴァ誕生前夜」とされる時期の吹込みで、シモネッティのオーケストレイションのもと、サンバ・カンソンのナンバーを中心にジョビンの曲や自身のオリジナルも交え、情念を込めて全12曲を歌い通しています。

●ペギー・リー・ウィズ・デイヴ・ハーバー
 ノースダコタ州出身のペギーは、40年頃からキャピトルなどにレコーディングしている大御所です。52年にデッカ専属となり、有名盤『ブラック・コーヒー』を含む名作を次々に送り出し、56年終わりごろにキャピタルに復帰しています。デッカ後期~第二期キャピトル時代の初めごろがペギーの絶頂期とするのが、今では定説のようです。本アルバムは、その少し前の第一期キャピトル時代の46年~49年の音源をコンパイルしたもので、いずれも夫君のデイブ・バーバー(g)によるラージ・コンボがバックを担っています。全16曲中8曲は、51年リリースの10吋アルバム、『ランデヴー・ウィズ・ペギー・リー』に収録されていますので、それ以外のオリジナル・アルバム未収録曲を中心に聴いていきましょう。

●シングズ・フォー・ザ・スターリー・アイド/マーガレット・ホワイティング
 デトロイト出身のマギーは、「ミス・ブラウン・トゥ・ユー」や「ヒーズ・ファニー・ザット・ウェイ」などの作者として知られるリチャード・ホワイティングを父に持ちます。14歳でその父を失いますが、40年にラジオショーでプロデビューし、その後バンド・シンガーなどを経て、40年代後半にはソロとしてキャピトルなどから多くのヒット曲を飛ばします。本アルバムは、56年にキャピトルからリリースされ、フランク・ディヴォルのオーケストラをバックに、スタンダードなど12曲を歌っています。自然体に終始する歌いぶりは、万人に好感を持って受け入れられるのではないでしょうか。

●ジャスト・フォー・ユー/ナンシー・ウィルソン
 オハイオ州出身のナンシーは、56年にバンド・シンガーとしてキャリアをスタートし、キャノンボール・アダレイ(as)に見出され、60年にキャピトルからレコード・デビューしています。その後はスター街道を邁進し、ジャズ・シンガーにとどまらず、ポップ系のアルバムも次々にリリースし、ヒット曲も数多く放ちました。67年から68年には、NBCの番組「ザ・ナンシー・ウィルソン・ショウ」のホストを務め、エミー賞を受賞しています。本アルバムは、67年にキャピトルからリリースされたもので、すでに20枚近くのアルバムがリリースしながら快進撃を続かるナンシーの、リスナーヘのメッセージのようなタイトルになっています。ビリー・メイやオリバー・ネルソンがアレンジを担い、当時のヒット・ナンバーなどをゴージャスなサウンドに乗って歌うナンシーの声も冴え渡ります。

●マイ・ディープ・ブルー・ドリーム/ビリー・エクスタイン
 ピッツバーグの出身の「ミスターB」ことビリー・エクスタインは、ハワード大学卒業後にシンガーとしての道を歩み始めています。30年代末にアール・ハインズ(p)楽団の専属歌手になり、43年からはソロ活動するようになり、44年に自身のバンドを結成します。本アルバムは、そのビッグ・バンドで吹き込んだ45年から46年の音源をLP化したリージェントがリリ―スしたものです。ビ・バップのビッグ・バンドの草分けともされるこのバンドの豪華メンバーには、ファッツ・ナヴァロ(tp)、ジーン・アモンズ(ts)、デューク・エリントン(p)、アート・ブレイキー(ds)らの名前も見られ、分厚いサウンドの伴奏に乗るビリーは、独特の粘りを持つバリトン・ヴォイスでリスナーを魅了、とりわけバラッドで本領発揮しています。

●ラヴァーズ・アンド・ルーザーズ/テディ・キング
 ボストン出身のテディ・キングは、コンテストの優勝を機にバンド・シンガーとなり、49年に初レコーディング、52年にジョージ・シアリング(p)クインテットのシンガーとして迎えられました。53年の独立後、ストーリヴィルに残したアルバム2枚(12インチLP)で決定的評価を得たのち、50年代後半はRCAやコラルなどに続々とアルバムを吹込みました。60~70年代前半は家庭にでも入ったのか、シーンから遠ざかりましたが、76年にオーディオファイルから登場した新録が、本アルバムです。ルーニス・マクグロホン(p)トリオをバックに、小唄的なスタンダードやマクグロホンのオリジナルなど14曲は、こじんまりとしたスペースで、目前で歌われるかのような何とも言えない親近感を醸し出しています。

●ア・ソング・フォー・ユー/カーリン・クローグ
 60年代半ば以降ヨーロッパを代表するシンガーに君臨し、ノルウェーのジャズ・シンガーの第一人者として80歳となった2017年現在も現役で歌い続けるカーリン。様々なヴォイス効果などを駆使したレコーディングやステージングを早くから取り入れ、前衛的なジャズ・ミュージシャンとの共演も多数残していますが、1歌手としてシンプルにレコーディングしたアルバムも多くあります。本アルバムは、77年にスウェーデンのフォンタスティックに吹込んだ、ベンクト・ハルベルグ(p)とのデュオ音源です。この2人の音源では、82年の『トゥー・オブ・ア・カインド』というアルバムが有名ですが、選曲の面白さなどは本アルバムが上かもしれません。レオン・ラッセル作曲のタイトル・ナンバーは、この前年にブロッサム・ディアリーが吹込んでおり、ここでのカーリンは、ほかにもブロッサムのレパートリーを取り上げています。さらに、60年代にスウェーデンに来たケニー・ドーハム(tp)が現地で作曲した「スカンディア・スカイズ」に歌詞をつけ歌うところなどにも意欲が感じ取れます。

●ボディ・アンド・ソウル/ビリー・ホリディ
 ジャズ・ボーカル史の頂点に位置づけられるレディ・デイことビリー・ホリディ。大物シンガーならではでしょうか、CD時代になってからは、発掘音源などもクロノジカルに編集され、登場し続けています。本アルバムは、56年8月から57年1月にかけてのハリウッドでのセッションをヴァーヴがLP化したもので、3枚に分かれて発売されたうちの1枚ということになります。ウェストコースト系のミュージシャンがバックで、バーニー・ケッセル(g)、ジミー・ロウルズ(p)、そしてベン・ウェブスター(ts)らによる一級品のプレイに乗り、レディは楽し気に歌いまくります。3枚の中でも、ブルースやバラッド・テンポの曲が多いこのアルバムでは、しっとりしたレディが堪能できる逸品ということになります。

●アット・ベイジン・ストリート・イースト/ランバート,ヘンドリックス&ベヴァン
 2017年11月、ジョン・ヘンドリックスの96歳での訃報が伝えられました。ジョンは58年に、3人のシンガーによるユニット、LH&Rを結成し、既存のインスト・ナンバーに詩をつけて歌うヴォーカリーズの第一人者として、さらに作詞家、ナレーターなどとしても活躍し続けました。LH&R は人気を博しましたが、62年のヨーロッパ・ツアーで、アニー・ロスがそのままイギリスに残ったため、ロスの代役なども経験していたインド出身のヨランダ・ベヴァンが正式メンバーになり、ユニットはLH&Bとして活動を続行します。RCAから1年余りの間にライブ・アルバム3枚をリリースしますが、その1枚目にあたる本アルバムは、選曲や歌詞の面白さでも秀逸な出来栄えになっています。

●ジ・エキサイティング・コニー・フランシス
 ニュージャージー出身のコニーは、60年代に「オールディーズ・ポップスの女王」の異名を取ります。その一方で、スタンダードなども味わい深く歌えるキャパシティを持っていました。MGMに膨大なレコーディングがあり、フェイバリット・シリーズとして、各国のさまざまなジャンルの曲集を歌ったアルバムを数多くリリースしました。その中にあっても、スウィンギーなナンバーを歌ったアルバムもあり、このアルバムもそんな1枚です。レイ・エリス・オーケストラをバックに、スタンダードなど12曲を歌ったもので、少し鼻にかかったような独特の特長ある声が印象に残ります。

2月26日の曲目 27日の曲目 28日の曲目 3月1日の曲目 2日の曲目  
※オンエア曲リストは放送後2週間を経過すると削除されます。ご了承ください。
武田清一

出演:武田清一

1970年代にフォークグループ「日暮し」の一員で「いにしえ」という大ヒットを残した武田氏は、アナログレコードの大ファンで、ジャズヴォーカルを中心に3000枚を越えるコレクションの持ち主です。自宅では二つのオーディオを音楽によって使い分け、CDでは得られないアナログサウンドを楽しんでいます。

上原 昇

出演:上原 昇

横浜在住。ジャズを聴き始めたのはハタチの頃から、地元『ちぐさ』によく通いエヴァンスやコニッツなど”白人系”ジャズに酔いしれる。もう一つ『ジャズ批評』から多くを学び、その恩返しをと。ヴォーカル(主に白人系)やボサ・ノヴァ(サンバではない)に神経を集中する日々。中途半端なコレクションはしてないつもり。

茂木亮

出演:茂木亮

1960年5月札幌出身、ピアニスト、スティーヴ・キューンのマニア、完全コレクター(自分が生まれたとき、キューンはコルトレーン4のメンバーだった)で、ジャズ批評誌などにキューン関連の情報を発信している。中野新橋のジャズ喫茶・ジニアスに20年以上通い続け、リスナー、レコード・コレクターとしての極意(?)を習得。高田敬三氏主催の「ボーカルを楽しむ会」では、年に一度ほど例会の案内係を担当。

ターンテーブルの夜
ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

アナログでしか出せないジャズ・ボーカルの味わい
1月29日から2月2日は茂木亮さんが担当します。ヴォーカルとレコードに対する愛着は誰にも負けないという茂木さんの選曲と語りをお楽しみください。(2月5日~23日はアーカイブス放送となります。)

●ローレンス・ゴーズ・ラテン/スティーヴ・ローレンス
 イーディ・ゴーメとおしどり夫婦として長年活躍したローレンスは、50年代から単独名義のアルバムも多くリリースし、ポピュラーな人気を得ています。本アルバムは、61年にユナイテッド・アーティスツからリリースされたドン・コスタ・バンドによるラテンタッチのアレンジをバックに歌った1枚で、一部にコーラスも入る楽しいアルバムです。以前紹介しましたが、同時期にイーディも、ラテン・ナンバーを歌うアルバムをUAに吹込んでおり、合わせて聴くのも一興ではないでしょうか。ただ、ここで歌われる素材は、ラテン・ナンバーではなく、スタンダードとして知られる曲ばかりです。ローレンスの南米料理のお手並み拝見、いや拝聴といきたいと思います。

●ビッグ・バンド・スペシャル/ジューン・クリスティ
 イリノイ州の出身のジューンは、アニタ・オデイの後任としてスタン・ケントン楽団のシンガーに起用されたときは20歳の若さでした。ケントンはジューンの才能を高くい、4年後にジューンがソロとなった後も、ツアーに帯同させるなどしました。キャピトル契約後のジューンは、有名盤『サムシング・クール』を含むヒット・アルバムを次々にリリースし、白人トップ・シンガーの地位を不動のものにします。本アルバムは、キャピタルへの62年の吹込みで、タイトルどおり、ウエスト・コーストの名だたるミュージシャンによるビッグ・バンドをバックに歌ったもので、曲によりショーティ・ロジャースら3人がアレンジを担当しています。主に40年代に活躍した往年のビッグ・バンドの当たり曲を取り上げ、モダンな解釈で歌うジューンが圧巻です。

●ザ・フィーリング・イズ・ミューチュアル・リヴィジデット/ヘレン・メリル
 54年の『ヘレン・メリル・アンド・クリフォード・ブラウン』が一番人気で、“ニューヨークのため息”と称されるハスキー・ヴォイスの持ち主として広く知られてきたヘレン。とはいえ、その1枚を聴いただけでは、彼女のシンガー像が正しく伝わりません。最近、『フィーリング・イズ・ミューチュアル』として知られる65年の彼女のアルバムを紹介しましたが、その続編が実はこのタイトルどおりのアルバムです。日本ビクターのワールド・グループとマイルストーンの提携により68年に吹込まれたもので、ディック・カッツ(p)、ジム・ホール(g)、サド・ジョーンズ(cor)など、前編と同じメンバーも多く参加し、スタンダードやミュージカル・ナンバーのほか、オーネット・コールマンのオリジナルに挑戦した野心的な試みも聴くことができます。

●ザット・バッド・アーサ/アーサ・キット
 サウスカロライナ州出身のアーサは、16歳のときにロシア系ユダヤ人ダンサーの舞踊団に参加し、南米やヨーロッパを巡演中にパリのナイトクラブでシンガーとして成功します。51年にオーソン・ウェルズの相手役として舞台に出演、翌年に帰国するや、ブロードウェイで主役デビューを果たします。53年にRCAと契約し、トルコ語の「ウスクダラ」やフランス語の「セ・シ・ボン」などをヒットさせています。このアルバムは、54年頃にRCAからリリースされた10吋盤で、アンリ・レネのシャンソン風アレンジのオーケストラをバックに、一部フランス語を交え8曲を歌っています。アーサがジャズにはまるのは58年頃ということですが、歌いぶりにはすでにジャズ・フィーリングが横溢しますので、それほど違和感なく聴けるものと思います。

●ザ・リアル・ジョージ・カービー/ジョージ・カービー
 シカゴ出身のジョージ・カービーは、47年にブルース・シンガーとしてレコード・デビューしています。黒人コメディアンの草分けの1人で、60年代初めからの10年間ほどには、数々の有名TVショーに主演している大物です。本アルバムは、65年にアーゴに吹込んだ本格ジャズ・ヴォーカル盤で、リチャード・エヴァンス編曲、指揮のオーケストラをバックに、ハリー・ベラフォンテ、ビリー・エクスタイン、ナット・キング・コール、ディーン・マーティン、サミー・デイヴィス・JRらの歌いぶりを髣髴とさせるような歌唱を披露しています。ミュージカルで使われたナンバーを中心に、スタンダードなども交えた12曲を、アルバム・タイトルどおり、リアルなシンガーのように歌って見せます。

●ジャズ・サー、ザッツ・アワ・ベイビー/リタ・ライス
 オランダを代表するジャズ・シンガー、リタには50年頃からの音源が存在し、55~56年に渡米した際には、ジャズ・メッセンジャーズと共演レコーディングをしています。60年代初めごろまではオランダ国内で、最初のご主人でもあるウェス・インケン(ds)のバンドや再婚相手のピム・ヤコムズ(p)などのコンボがバックのレコーディングを次々にリリースしました。本アルバムは、63年にフィリップスからリリースされた異色盤で、オランダでは有名なダッチ・スウィング・カレッジ・バンドによるディキシー風でスウィンギーなサウンドをバックに、12曲を歌います。古いスタンダードやエリントン・ナンバーなどを小粋に歌うリタと、軽快なバックとのからみが何とも楽しい1枚になっています。

●スケッチズ/クリス・コナー
 カンザスシティ出身のクリスは大学時代からシンガーを目指し、40年代終盤からバンド・シンガーを務めます。ソロに転向してからの、50年代前半のベツレヘムや50年代後半以降のアトランティックなどへの多数の吹込みは、日本のジャズ・ヴォーカル・ファンにも人気があります。シャウトすることのない歌唱から、ハスキー・ヴォイスまたはクール・ヴォイスの代名詞と称され、長年活躍し続けましたが、ベツレヘムやアトランティックの後の音源は、あまり知られていないというか聞かれない実情にあるようです。本アルバムは、スタンヤンというハリウッドのローカル・レーベルから72年にリリースされ、ロッド・マッケンがプロデュースにあたっています。マッケンのオリジナルのほか、ローラ・ニーロ、ジェイムズ・テイラー、キャロル・キングらシンガー・ソングライターのナンバー、ビートルズやブレッドのヒット曲などポップスが盛りだくさんですが、意外にもポップさを感じさせないクリスの歌いぶりは、ジャズ・ヴォーカル・ファンも納得する作りになっているのではないでしょうか。

●マイ・マン/マリー・ルー・ブリュワー
 ワシントン州出身のマリー・ルー・ブリュワーは、学校を出てからプロとして歌うようになったとされます。ほどなく、ラジオやTVでも活躍するようになり、タレントスカウトショーで有名なアーサー・ゴッドフリーが、「ア・ニュー・クイーン・オブ the Red-Hot Mamas…(TV番組名?)」と称したほどの才能を開花させます。このアルバムは、ウエストミンスターに吹込んだおそらく唯一のアルバムにあたります。NYに進出しタレント・ショーに見いだされたのが58年2月ということですので、それからほどない50年代末から60年代初めのレコーディングでしょうか。サイ・シェイファー指揮、アレンジによるオーケストラがバックを担い、ジャズ・ヴォーカルとして歌われることの多いバラエティに富んだ12曲を、スウィンギーに、情感を込め歌い分けて見せます。

●キャロル!/キャロル・ヴェンチュラ
 62年のキャピトルへのシングル音源が確認できるキャロルですが、その時点ではロックン・ロール・シンガーだったことが分かります。ファースト・アルバムにあたる本アルバムは、プレスティッジから65年にリリースされたもので、少し威勢の良さを残しながらも、ジャズ・シンガーらしく変身していることが窺えます。ここでは、64年7月にストックホルムに乗り込んだベニー・ゴルソンが、現地のミュージシャンらによるビッグ・バンドによるバック・サウンドを先行録音し、その翌月にヴォーカル・パートを吹き込んだとなっています。ボサ・ノヴァや映画音楽、さらにはビル・エヴァンスの名曲、「ワルツ・フォー・デビー」など12曲に、キュートなエッセンスを交えながら歌うところを聴きとってほしいところです。

●ロウアー・ベイジン・ストリート・リヴィジテッド/ダイナ・ショア
 テネシー出身のダイナは、6歳のときにナッシュビルに移住し大学で社会学士を取得、学生時代からシンガーとして活動しています。卒業後NYに進出し、30年代末にRCAと契約、ラジオ番組出演などで人気が上昇します。レコーディングはRCA、キャピトルなどに多数のアルバムを吹込み、ポップスからブルースまで歌い切る名シンガーとして君臨しなした。本アルバムは、65年にリプリーズからリリースされたもの、アルバム・タイトルは、40年にダイナが抜擢されたNBCのラジオ番組名にちなみ、その往年の番組、「ロウアー・ベイジン・ストリート」の時代を再現し、当時の思い出の曲に新曲を交え、ラジオ・ショウをリメイクしたかのようなアルバムに仕上げています。

1月29日の曲目 30日の曲目 31日の曲目 2月1日の曲目 2日の曲目  
※オンエア曲リストは放送後2週間を経過すると削除されます。ご了承ください。


武田清一

出演:武田清一

1970年代にフォークグループ「日暮し」の一員で「いにしえ」という大ヒットを残した武田氏は、アナログレコードの大ファンで、ジャズヴォーカルを中心に3000枚を越えるコレクションの持ち主です。自宅では二つのオーディオを音楽によって使い分け、CDでは得られないアナログサウンドを楽しんでいます。

上原 昇

出演:上原 昇

横浜在住。ジャズを聴き始めたのはハタチの頃から、地元『ちぐさ』によく通いエヴァンスやコニッツなど”白人系”ジャズに酔いしれる。もう一つ『ジャズ批評』から多くを学び、その恩返しをと。ヴォーカル(主に白人系)やボサ・ノヴァ(サンバではない)に神経を集中する日々。中途半端なコレクションはしてないつもり。

茂木亮

出演:茂木亮

1960年5月札幌出身、ピアニスト、スティーヴ・キューンのマニア、完全コレクター(自分が生まれたとき、キューンはコルトレーン4のメンバーだった)で、ジャズ批評誌などにキューン関連の情報を発信している。中野新橋のジャズ喫茶・ジニアスに20年以上通い続け、リスナー、レコード・コレクターとしての極意(?)を習得。高田敬三氏主催の「ボーカルを楽しむ会」では、年に一度ほど例会の案内係を担当。

ターンテーブルの夜
ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

アナログでしか出せないジャズ・ボーカルの味わい
12月25日から29日は茂木亮さんが担当します。ヴォーカルとレコードに対する愛着は誰にも負けないという茂木さんの選曲と語りをお楽しみください。(1月1日~26日はアーカイブス放送となります。)

(12月25日~29日放送予定アルバム)
●オン・ブロードウェイ/ジャン・ピアース
30年代半ばごろにキャリアをスタートさせ、以来半世紀にわたり世界的に活躍したNY出身の大物テノール歌手、ジャン・ピアース。多彩なレパートリーをこなし、メトロポリタン歌劇場に27年間も出演、50年代後半ごろからはオペラに加え、ブロードウェイやTV番組『エド・サリヴァン・ショー』に進出するなど、エンターテイナーぶりを発揮します。このアルバムは63年にユナイテッド・アーティスツからリリースされた、よく知られた12のミュージカルからのナンバーを取り上げた1枚で、リロイ・ホームズの編曲・指揮によるオーケストラをバックに、オペラ歌手らしくよく伸びるテノールで歌い上げ通します。

●ベスト・ビート・フォーワード/ダイアン・キャロル
大学在学中にコンテストで優勝して、54年にハロルド・アーレンのミュージカル、『花の家』に出演したのがきっかけとなり、多くのミュージカルや映画に出演するダイアン・キャロル。シンガーとしてのファースト・アルバムがこのアルバムで、57年にRCAの傍系レーベルVIKからリリースされました。ビッグ・バンドをバックにしたがえてのジャズ・フィーリングを十二分に感じさせる歌いぶりで、比較的よく知られたスタンダードにミュージカルで使われたナンバーなどを交えた12曲を爽快に聞かせるあたりは、すでに完成したシンガーのムードを漂わせています。

●オー・シュビ・ドゥビ・オー・オー・オー・オー/リリアン・テリー
エジプト出身で、父はイギリス人で母はイタリア人というリリアン・テリー。ケンブリッジ大学で英文学を専攻した5か国語を操る才女で、53年にプロデビューしています。早くからデューク・エリントン楽団の仏ツアーで共演を果たすなど、ワールドワイドな活動をしますが、安易にレコーディングをしようとせず、音源の少ない実力シンガーとして一部で知られる存在でした。このアルバムは、85年に伊ソウル・ノートに吹込まれたもので、‟ヴェリー・スペシャル・ゲスト・スター”、ディジー・ガレスピー(tp)の参加が目玉で、ケニー・ドリュー(p)、エド・シグペン(ds)という豪華な伴奏をバックに、ガレスピーのオリジナルや自身のオリジナル・ブルースなどを歌います。

●ア・ウーマン・イン・ラヴ/バーバラ・リー
 デトロイトの出身のバーバラ・リーは、ウェルズリー大学卒業後にボストンやニュージャージーのクラブなどで歌うようになります。50年代前半にNYのDJ、アート・フォードに見出され、ラジオ、TVへの出演、クラブやシアターなどでも引っ張りだこになります。そのさ中の55年、リヴァーサイドに10吋デビュー・アルバム、『ア・ウーマン・イン・ラヴ』を吹込みましたが、今回は、そのデビュー盤をベースに、78年の新録4曲を加え12吋化したオーディオファイル盤です。オリジナルでは、ビリー・テイラー(p)とジョニー・ウィンドハースト(tp)を中心としたインティメイトなバックに乗り8曲を歌い、新録はテイラーの伴奏のみをバックに4曲を歌ますが、20年以上のインタバルがありながら、バーバラの声質やほのぼのしたインティメイトさが変わらないところはちょっと驚きです。

●10サイズ・オブ・エセル・エニス
ボルティモア出身のエセルは、7歳からピアノを学び、高校生のときにはクラブで歌っていたという逸材です。55年にジュビリーに初レコーディングし、その後アトランティックやキャピタルなどにアルバムを残し、63年にRCAに迎えられて4枚のアルバムを吹込み、ソフィスティケイテドなシンガー像を完成させたものの、レコーディングから遠ざかります。このアルバムは、73年にBASFから登場した久々の吹込みで、グラディス・シェリーの書いた10曲のオリジナルを、見事な解釈で歌っています。ストリングスやパーカッションの入った大編成のバックが、リズミックでスピリチュアルなサウンドを構築しますが、それに臆することなくメロディアスに歌うエセルが圧巻です。

●ライク・イエスタデイ/ビヴァリー・ケニー
ニュージャージーの出身のベヴァリー・ケニーは、高校時代からシンガーを目指し、54年にマイアミのクラブで歌っていたところをトミー・ドーシーに認められ、ドーシー楽団のシンガーに起用されたものの長続きせず、ジョージ・シアリングなどのスモール・コンボで歌うようになります。アルバム・デビューは55年のルースト盤で、生前ルーストとデッカに都合6枚のアルバムを残しました。このアルバムは、デッカへの最終盤となった59年吹込みで、スタン・フリー(p)を中心とするコンボがバックを担います。タイトルどおり、スウィング~モダン初期のバンド・シンガーが得意とした12曲を、その時代のように歌っているもので、ドリス・デイやジューン・クリスティを意識しながらクールに歌うさまを、感じ取ってもらいたいところです。

●ディトゥア・トゥ・ザ・ムーン/メリー・アン・マッコール
 フィラデルフィアの出身のメリー・アンは、30年代にデビュー、39年にはウディ・ハーマン楽団に迎えられ活躍します。ただのシンガーというだけでなく、卓越したジャズ・センスを発揮して歌うシンガーとして、ミュージシャンとの信頼関係を築いていきます。このアルバムは、57年にジュビリーに吹込んだもので、ボブ・ブルックマイヤー(v-tb)、テディ・チャールズ(vib)、マル・ウォルドロン(p)、ジミー・レイニー(g)らが参加したビル・ルッソの編曲の伴奏は、スウィング感は乏しいですが、タイトルに「ムーン」の一語が入った曲がズラリ並ぶところは楽しい出来になっています。

●メモリーズ・アド・リブ/ジョー・ウィリアムス
37年にプロデビューし、50年にカウント・ベイシー楽団に加わり、54年にはベイシーの専属歌手となり長きにわたり活躍するジョー・ウィリアムスは、61年からソロとして活動するようになります。ベイシーとの共演も続け、さらにクラーク・テリー(tp)オールスター・バンドの一員としても歌うようになります。このアルバムは、ベイシー・バンド在籍中の58年に吹込んだリーダー盤で、バックにベイシー・バンドからベイシーとフレディ・グリーン(g)が参加していますが、ここでのベイシーはスタンダード中心の全12曲でオルガンをプレイします。オルガンの深いサウンドを伴奏に、ジョーの歌声が一層アーシーに迫るところが聴きどころです。

●ジャズ・イズ・ヒズ・オールド・レイディ・アンド・マイ・オールド・マン/マーヴァ・ジョシー
62年のタイムへのシングル音源が確認でき、以降もUAやJULMARなどから複数のシングル盤をリリースしていたマーヴァ・ジョシー。日本では、ほとんど紹介されたことがないシンガーでしょうか。アメリカのミュージシャンの間では一定の評価を得ていたようで、72年にアール・ハインズ(p)のアルバムで数曲歌いました。そして、77年にハインズとの共同名義の2枚目としてカタリストからリリースされたのがこのアルバムで、“ジャズ・ピアノの父”ハインズはすでに74歳ながら意気軒高ぶりを見せつけ、歌も披露します。マーヴァは、比較的古いスタンダードや新しいポップ・チューンを織り交ぜ、ジャジーかつソウルフルな歌いぶりはかなりのインパクトで、リスナーをグイグイ引き込みます。

●ディープ・イン・ア・ドリーム/ヘレン・メリル
54年のエマーシー盤、『ヘレン・メリル・アンド・クリフォード・ブラウン』が、日本ではジャズ・ボーカルの代名詞のように扱われるほどの人気で知られるヘレン・メリル。彼女のハスキー・ヴォイスは“ニューヨークのため息”と称されることでも有名です。このアルバムは65年に吹込まれ、マイルストーンから『フィーリング・イズ・ミューチュアル』のタイトルでリリースされましたが、のちにヘレン自身が版権を買い取り、タイトル、ジャケットを変え日本のトリオ・レコードから発売されたものです。ここではディック・カッツ(p)を中心に、曲によりジム・ホール(g)、サド・ジョーンズ(cor)などが彩をつけ、ヘレンのクールでハスキーなヴォイスを最大限に活かすスタンダードなど9曲を存分に楽しませる作りになっています。

12月25日の曲目 26日の曲目 27日の曲目 28日の曲目 29日の曲目  
※オンエア曲リストは放送後2週間を経過すると削除されます。ご了承ください。


武田清一

出演:武田清一

1970年代にフォークグループ「日暮し」の一員で「いにしえ」という大ヒットを残した武田氏は、アナログレコードの大ファンで、ジャズヴォーカルを中心に3000枚を越えるコレクションの持ち主です。自宅では二つのオーディオを音楽によって使い分け、CDでは得られないアナログサウンドを楽しんでいます。

上原 昇

出演:上原 昇

横浜在住。ジャズを聴き始めたのはハタチの頃から、地元『ちぐさ』によく通いエヴァンスやコニッツなど”白人系”ジャズに酔いしれる。もう一つ『ジャズ批評』から多くを学び、その恩返しをと。ヴォーカル(主に白人系)やボサ・ノヴァ(サンバではない)に神経を集中する日々。中途半端なコレクションはしてないつもり。

茂木亮

出演:茂木亮

1960年5月札幌出身、ピアニスト、スティーヴ・キューンのマニア、完全コレクター(自分が生まれたとき、キューンはコルトレーン4のメンバーだった)で、ジャズ批評誌などにキューン関連の情報を発信している。中野新橋のジャズ喫茶・ジニアスに20年以上通い続け、リスナー、レコード・コレクターとしての極意(?)を習得。高田敬三氏主催の「ボーカルを楽しむ会」では、年に一度ほど例会の案内係を担当。