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ターンテーブルの夜


(月~金)23:00~24:00
ターンテーブルの夜
ターンテーブルの夜

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ターンテーブルの夜

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ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

 時がめまぐるしく進む現代、慌ただしく生きる毎日。そんな日々だからこそ輝きを増すアナログの世界・・・・。長い時を隔てたアルバムの味わいを温かなヴォーカルと共に堪能してください。
 パーソナリティが日米を股にかけて集めたヴォーカル・コレクションの中から選曲、貴重なオリジナル盤も持ち込みます。

アナログでしか出せないジャズ・ボーカルの味わい
7月2日から6日は茂木亮さんが担当します。ヴォーカルとレコードに対する愛着は誰にも負けないという茂木さんの選曲と語りをお楽しみください。(7月9日~27日はアーカイブス放送となります。)

●ボビイ・ボイル・シングズ
 ボビイはボストン出身でカクテル・ピアニストなどを経験し、60年代後半に西海岸のエンシノに移住します。地名そのままのエンシノという超マイナーレーベルから67年頃にデビュー・アルバムをリリースし、70年頃の2作目にあたるのがこのアルバムです。「エンシノ・スモーク・ハウス」というクラブに、自身のレギュラーバンドで出演していたボビイですので、ライブ・ギグを思わせるピアノの弾き語りが堂に行っています。最小限のリズム・セクションをバックに歌う8曲は、ビートルズ・ナンバーやキャロル・キング、バート・バカラックらのポップ・チューンや映画音楽のカヴァー、スタンダードなど珠玉のトラック揃いです。現在ならラウンジ系としてくくられる、ジャズ・フレーバーとソフト・ロック風なテイストがブレンドされたサウンドの原型が聴かれます。

●ドント・ゴー・トゥ・ストレンジャーズ/エタ・ジョーンズ
 サウス・カロライナ州出身で、40年代にアポロ劇場のコンテストに出場するなどしてキャリアを重ね、57年にアルバム・デビューを果たしているエタ。60年から62年頃にかけては、プレスティッジに都合7枚のリーダー・アルバムを残すことになりますが、それというのも、最初にリリースしたこのアルバムのヒットによるところが大きいようです。シングル・カットされたタイトルチューンは、今ではそれほどキャッチーには聞こえないブルースですが、ここでのリチャード・ワイアンズ(p)、スキーター・ベスト(g)など一流メンバーの伴奏陣も上々で、スタンダードを中心とする全10曲をエタはほどよくブルージーに歌い上げています。

●ワンス・アラウンド・ザ・クロック/パトリシア・スコット
 ウィスコンシン州ミルウォーキーの出身のパトリシアは、地元のバンドシンガーを経たのちに進出したシカゴでソロ活動を始めます。ラジオやTVに出演し、CBSのショー番組、『イン・タウン・トゥナイト』でレギュラーを2年間務めました。ショーでは、ジョニー・デスモンドやエディ・フィッシャーらと共演し、50年代半ばにはシングル盤もリリースしています。58年のABCパラマウントへのデビュー・アルバムにあたるここでは、大物プロデューサー、クリード・テイラーのオーケストラがバックを担い、メンバーにはジミー・クリーブランド(tb)、フィル・ウッズ(as)のクレジットも見られます。短めな曲が並ぶ中、パトリシアはオリジナルも1曲提供し、全編にわたりハスキー・ヴォイスでリスナーを引きつけます。

●モーズ・アリソン・シングズ
 ミシシッピ州出身のアリソンは、6才頃から父親の影響でピアノを習い、高校時代はデキシーバンドでトランペットをプレイしていました。57年にNYに進出し、プレスティッジからアルバム・デビューを果たします。ピアノ・トリオを基盤に、一部で弾き語りやトランペットを聞かせるアルバムをその後も次々にリリースします。その一方で、ピアニストとしてジェリー・マリガンやチェット・ベイカーらと共演し、アル・コーンー〜ズート・シムズのグループに参加するなどの実績も残します。このアルバムは、プレスティッジに吹込んだ5枚のアルバムの中から、弾き語りナンバーを編集した企画盤で、選曲もブルースやカントリー、エリントン・ナンバー、オリジナルなどバラエティに富んでいます。弾き語りシンガーらしく、シャウトすることない語りかけるような歌いぶりに特長があります。

●アット・ベイジン・ストリート・イースト/ベティ・セントクレア
 ディジー・ガレスピーのバンドシンガーとして40年代初めに1年ほど在籍したベティは、ガレスピーに絶賛され、エロール・ガーナーの伴奏で歌ったこともあるという経歴などからも、その実力のほどが窺えます。それにもかかわらずレコーディングの数は少なく、55年にジュビリーに吹込んだ2枚の10インチ・アルバム(のちに抱き合わせて12インチ化)のほかは、アルバムはこの1枚ぐらいかもしれません。59年のシーコへの吹込みで、タイトルはライブ・アルバムのように見えますが、実際にはスタジオ・レコーディングです。ベティの歌いぶりはかなり白人的といえるクールなもので、スタン・フリー(p)カルテットがバックとクレジットされますが、実質的なリーダーはマンデル・ロウ(g)で、スウィンギーなサウンドづくりに貢献しているところも聴きどころです。

●パスト・ミッドナイト/マーガレット・ホワイティング
 デトロイト出身のマギーことマーガレットは、「ミス・ブラウン・トゥ・ユー」や「ヒーズ・ファニー・ザット・ウェイ」などの作曲者として知られるリチャード・ホワイティングの娘にあたります。14歳で父を失いますが、40年にラジオショーでプロデビューし、その後はバンドシンガーなどを経て、40年代後半にはソロとしてキャピトルなどから多くのヒット曲を飛ばし、アルバムも残します。このアルバムは、60年のMGMへの音源で、ラス・ガルシアが指揮、編曲にあたるLAレコーディングのメンバーの詳細は不明です。ビッグバンド、ストリングス、コンボを硬軟自在に使い分け、スタンダード中心の選曲にそれぞれ最適なバックをつけるガルシアの手腕が光り、ナチュラルにスウィンギーさを前面に出すマギーの歌を生かし切っています。

●プレイグラウンド/シーラ・ジョーダン
 デトロイト出身のシーラは、62年にブルーノートからアルバム・デビューしましたが、チャーリー・パーカーがデトロイトに来た10代のときに、パーカーのライブ会場に押しかけるほどのジャズ好きでした。デビュー・アルバム後は長い低迷の期間が続きますが、70年代半ばに日本のレーベルから自身2作目のリーダー・アルバムを出してからは、さまざまなレーベルにいろいろなレコーディングをしています。器楽プレイヤーとのコラボを常に意識しているシンガーで、どのアルバムからもミュージシャンとの信頼関係が伝わるのがワン&オンリーなところです。このアルバムもそんな1枚で、当時ECMの専属だったスティーヴ・キューン(p)のトリオをバックに・・・というか、彼のトリオに加わる形で79年に吹込まれました。ここでは、キューンの既存のオリジナル6曲を、キューンの圧巻なプレイに乗りながら、違和感なく歌曲として歌いとおしています。

●ザッツ・ヒム!/アビー・リンカーン
 シカゴ出身のアビーは、10代からダンス・バンドのシンガーとして巡業し、51年にはウエスト・コーストで2年ほどクラブ歌手として歌っています。50年代後半になると、ハリウッドのクラブでかなり名を知られるようになり、56年からは“リンカーン”と名乗り、キャピタルからアルバム・デビューを果たします。このアルバムは、57年~59年にリバーサイドに吹込んだ3枚のアルバムのうちの1枚目にあたり、当時リバーサイドの契約下だったスターたち、ソニー・ロリンズ、ケニー・ドーハム、ウィントン・ケリーなどの豪華な面々がバックを担うあたりにも、アビーへの期待が高かったことが伝わります。ここでは、ビリー・ホリディが愛唱したナンバーを多く選曲しながらも、アビー流に消化した完成された歌となっているところが見事です。

●マッド・アバウト・ザ・マン/カーメン・マクレエ
 NY出身のカーメンが最初に知られるようになったのは、ビリー・ホリディが39年に録音した「ドリーム・オブ・ライフ」の作曲者としてでした。実質デビューの50年頃にはすでにスタイルが完成され、55年~60年にかけてのデッカ、カップとの契約時代に充実期を迎えます。このアルバムは、57年にデッカに吹込まれた企画盤で、イギリスの作曲家、ノエル・カワードの楽曲を12曲歌っています。劇作家、ピアニストとしても知られるカワードですが、「マット・アバウト・ザ・ボーイ」以外の彼の曲は、ジャズではあまり歌われません。ここでは、ジャック・プレイス編曲、指揮によるレイ・ブライアント(p)を中心とする端正なバンドサウンドに乗り、叙情味たっぷりに歌う絶頂期のカーメンを思う存分聴くことができます。

●1951-1952/ローズマリー・クルーニー
 ケンタッキー州出身のロージーは、20歳前後で芸能界入りし、50年に出演したTV番組、「ソングズ・フォーセール」で一躍有名になります。その翌年に、「カム・オン・ア・マイハウス」が大ヒットとなり、その後もヒット曲を連発させ、50年代を代表するポップス・シンガーになります。なおかつジャズ・ボーカル・アルバムも多数残し、ジャンルを超えたアメリカを代表する白人女性シンガーとして君臨します。このアルバムはタイトルどおり、51年から52年にかけてラジオ放送用に録音されていた音源を、88年にハインドサイトがコンパイルしリリースしたもので、ロージーが既存のアルバムなどで吹込んでいない楽曲を多く含んでいます。アレンジャーや参加ミュージシャンは不明ながらも、伴奏、音質とも上々で、スターダムに昇りつめて間もない、瑞々しいロージーの歌を堪能できる1枚に仕上がっています。

7月2日の曲目 3日の曲目 4日の曲目 5日の曲目 6日の曲目  
※オンエア曲リストは放送後2週間を経過すると削除されます。ご了承ください。

武田清一

出演:武田清一

1970年代にフォークグループ「日暮し」の一員で「いにしえ」という大ヒットを残した武田氏は、アナログレコードの大ファンで、ジャズヴォーカルを中心に3000枚を越えるコレクションの持ち主です。自宅では二つのオーディオを音楽によって使い分け、CDでは得られないアナログサウンドを楽しんでいます。

上原 昇

出演:上原 昇

横浜在住。ジャズを聴き始めたのはハタチの頃から、地元『ちぐさ』によく通いエヴァンスやコニッツなど”白人系”ジャズに酔いしれる。もう一つ『ジャズ批評』から多くを学び、その恩返しをと。ヴォーカル(主に白人系)やボサ・ノヴァ(サンバではない)に神経を集中する日々。中途半端なコレクションはしてないつもり。

茂木亮

出演:茂木亮

1960年5月札幌出身、ピアニスト、スティーヴ・キューンのマニア、完全コレクター(自分が生まれたとき、キューンはコルトレーン4のメンバーだった)で、ジャズ批評誌などにキューン関連の情報を発信している。中野新橋のジャズ喫茶・ジニアスに20年以上通い続け、リスナー、レコード・コレクターとしての極意(?)を習得。高田敬三氏主催の「ボーカルを楽しむ会」では、年に一度ほど例会の案内係を担当。

ターンテーブルの夜
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ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

アナログでしか出せないジャズ・ボーカルの味わい
5月28日から6月1日は茂木亮さんが担当します。ヴォーカルとレコードに対する愛着は誰にも負けないという茂木さんの選曲と語りをお楽しみください。(6月4日~29日はアーカイブス放送となります。)

●フー・イズ・ドナ・フラー?
 カンザス州ケンブリッジ出身のドナは、幼少時代を過ごしたカリフォルニア州で、3歳の頃からエンタテインメント活動をしていたとされます。57年のキャピトル盤が比較的知られているぐらいです。本アルバムは、64年にユナイテッド・アーティスツのハウスバンドのリーダー、ドン・コスタが興したレーベル、DCPインターナショナルに吹込まれました。アルバムとしてはキャピタル盤以来のせいか、「ドナ・フラーって誰?」というタイトルは自嘲的ですが、ブランクを感じさせないダイナミックな歌いぶりが見事です。高校卒業後、5年間オペラを学び声楽の基礎を叩き込んだハスキー・ボイスは、ドン・コスタ・オーケストラのサウンドにいい具合にはまり、リスナーを魅了します。

●ホニ・ゴードン・シングズ
 歌手だった父と兄弟二人との「ザ・ゴードンズ」としてデビューしたホニは、50年代中ごろにこのユニットでチャールス・ミンガスが興したデビューに吹込んだ数曲が確認できます。それ以外には音源は確認できず、ホニの唯一枚の単独名義によるアルバムがこの『シングズ』になります。62年のプレスティッジへの吹込みで、バックを務めるコンボは、ジャッキ・バイアード(p)を中心に、ウォーリー・リチャードソン(g)、ケン・マッキンタイヤー(reeds)など、当時の先鋭的なプレイヤーが中心ですが、抑制のきいた伴奏でホニを盛り立てます。そんなバックに乗り、スタンダードや自身のオリジナルを歌うホニの落ち着きぶりに、貫禄めいたものが感じられます。

●ライトリー・アンド・ポライトリー/ベティ・ローシェ
 デラウェア州ウイルミントン出身のベティは、39年に移住したNYのアポロ劇場でのアマチュア・コンテストに優勝し、42年にエリントン楽団のシンガーに抜擢されます。43年にはカーネギー・ホールで歌い、注目を集めました。その後、56年にベツレヘムにファースト・リーダー盤を吹込み、60年と61年にプレスティッジにアルバム2枚を残します。このアルバムはその2枚目にあたり、ジミー・ニーレイ(p)、ウォーリー・リチャードソン(g)にb、dsが加わるカルテットがバックを担います。選曲はスタンダードが中心で、ブルース・プレイを身上とするメンバーもそれほど出しゃばることなく、効果的にベティのブルース・フィーリングを醸し出すところが絶妙です。

●イッツ・タイム・フォー・ティナ/ティナ・ルイス
 NY出身でのティナは、映画・TV女優として知られています。男性を虜にせずにいない美貌の持ち主で、OST盤やオムニバス盤など何枚かのアルバム・ジャケットを飾りましたが、57年にコンサート・ホールに吹込んだ唯一のジャズ・ヴォーカル盤がこのアルバムです。オリジナル盤は希少価値が高く入手困難ですが、今回は88年のDIWからの再発盤を使用します。バックを務めるバディ・ウィードのオーケストラには、コールマン・ホウキンス(ts)、ヒルトン・ジェファーソン(as)、タイリ・グレン(tb)らのソロイストが参加し、それぞれ数曲でフィーチャーされています。ややもすると舌足らずなティナの歌とずらり並べた小粋なラブ・ソングは、男性心をくすぐるに充分といったところでしょうか?

●スプリング・キャン・リアリー・ハング・ユー・アップ・ザ・モスト/トミー・ウルフ
 セントルイス出身のトミーは作曲家としての仕事で知られますが、ピアノの弾き語りによるアルバムを、シンシナティのマイナー・レーベル、フラタニティに2枚吹込んでいます。このアルバムは、その2枚目にあたる58年の録音で、モンティ・ブディック(b)とシェリー・マン(ds)が最小限のリズムをつけています。代表作ともいえるアルバム・タイトル・チューンを含む全曲がウルフのオリジナルで、歌詞のひとことひとことを確認するかのような歌が、リスナーに染みこんできます。曲名に「スプリング」の一語が入った曲が多く並ぶあたりも粋で、メロディアスで軽やかなウルフ・ワールドに引き込まれずにはいられないといったところ?

●アイ・ラヴ・トゥ・シング!/キャロル・ヴェンチュラ
 62年のキャピトルへのシングル音源があるキャロルは、そのころデビューしていたと分かりますが、その時点ではロックン・ロールを歌っていたようです。64年に吹込んだプレスティッジへのファースト・アルバムでは、ベニー・ゴルソン(arr)によるオーケストラをバックに、ジャズシンガーらしく変身したキャロルの一面が出ていましたが、このアルバムでも、ゴルソンがアレンジを担っています。「歌うの大好き!」というタイトルに似つかわしく、セルフ・フェイバリットらしいあまり知られていない曲を、次から次へと自在に歌い分けています。

●フィーリン・グッド!/パット・ボウイ
 65年にプレスティッジに2枚のアルバムを残しているパットは、その2枚以外の音源がほとんど知られません。以前そのうちの1枚を紹介しましたが、今回聴いていただくのは2枚目にあたるアルバムです。ここでは、トミー・フラナガン(p)のトリオに、当時売出し中だったチャールズ・マクファーソン(as)が加わる豪華な伴奏陣になっており、レーベルがこのシンガーをかなり買っていたことが窺えます。パットの歌は、ベテランシンガーのような余裕を感じさせるスムージーなもので、スタンダード中心の選曲も、フラナガンを一層際立たせ、そこに絡むマクファーソンのオブリガートや間奏のソロも絶妙で、アルバムを通して聴くと、なぜこのシンガーがこのままシーンから消えていったのかという不思議な思いにかられます。

●カム・イントゥ・マイ・ワールド/フラン・ウォーレン
 NY出身のフランは46年にクロード・ソーンヒル楽団のシンガーとなり、ソロとなった47年以降は一流クラブで歌い、ミュージカルや映画にも出演します。よく伸びる高音部の歌声が魅力で、50年代後半ごろにいくつかのレーベルからリリースしたアルバムは、いずれも水準以上のでき映えです。このアルバムは、レコーディング上は60年以来となる68年のオーディオ・フィディリティへの吹込みで、ジョー・カボット指揮、編曲のオーケストラをバックに歌います。ここでのフランはブランクを感じさせずに、エレキベースやパーカッションの入るポップ風味のサウンドに乗って、スタンダードのほか「恋はフェニックス」などの当時のヒット曲なども歌い切る自在ぶりを見せつけます。

●ナウ・ヒア!/アンディ&ザ・ベイ・シスターズ
 ニュージャージー州ニューアーク出身のアンディ&ザ・ベイ・シスターズは、ピアノ弾き語りの弟アンディ・ベイとサロメ、ジェラルディンの姉妹によるトリオのコーラス・ユニットです。50年代末ごろからトリオで活動するようになり、ヨーロッパのクラブなどで人気となっていたところをジョージ・ウェインに見出され、60年にニューポート・ジャズ・フェスティバルに出演、61年にファースト・アルバムをリリースします。このアルバムは65年にプレスティッジに吹込まれた2枚のうちの1枚目で、ケニ・バレル(g)やジェローム・リチャードソン(ts,fl)などの一流ジャズメンのサポートを得ているところも魅力です。スタンダード、ボッサ、ジャズ・オリジナルなどを、ブルースやゴスペル的なパワーを感じさせる歌い方で、ポップ風味をミックスしながら楽しく聴かせます。

●ダイナ!/ダイナ・ショア
 テネシー出身のダイナは、6歳のときに移住した先のナッシュビルの大学在学中に、シンガーとして活動するようになります。卒業後NYに進出し、30年代末にRCAと契約、ラジオ番組出演やTV番組「ダイナ」が全米ネットワークで放映されるようになり、人気を決定づけました。その後はポップスからブルースまで難なく歌い切る名シンガーぶりを発揮し、RCA、キャピトルなどに多数のアルバムを吹込んでいます。このアルバムは、NBC-TVが毎週日曜日に放送していた『ダイナ・ショア・ショウ』の62年の実況録音で、スポンサーのグリーン・スタンプが特典盤としてリリースしたものです。フランク・デヴォールのオーケストラをバックに、ブルースやバラッドのメドレーなどを洪水のように繰り出すダイナの千両役者ぶりが存分に楽しめる1枚になっています。

5月28日の曲目 29日の曲目 30日の曲目 31日の曲目 6月1日の曲目  
※オンエア曲リストは放送後2週間を経過すると削除されます。ご了承ください。


武田清一

出演:武田清一

1970年代にフォークグループ「日暮し」の一員で「いにしえ」という大ヒットを残した武田氏は、アナログレコードの大ファンで、ジャズヴォーカルを中心に3000枚を越えるコレクションの持ち主です。自宅では二つのオーディオを音楽によって使い分け、CDでは得られないアナログサウンドを楽しんでいます。

上原 昇

出演:上原 昇

横浜在住。ジャズを聴き始めたのはハタチの頃から、地元『ちぐさ』によく通いエヴァンスやコニッツなど”白人系”ジャズに酔いしれる。もう一つ『ジャズ批評』から多くを学び、その恩返しをと。ヴォーカル(主に白人系)やボサ・ノヴァ(サンバではない)に神経を集中する日々。中途半端なコレクションはしてないつもり。

茂木亮

出演:茂木亮

1960年5月札幌出身、ピアニスト、スティーヴ・キューンのマニア、完全コレクター(自分が生まれたとき、キューンはコルトレーン4のメンバーだった)で、ジャズ批評誌などにキューン関連の情報を発信している。中野新橋のジャズ喫茶・ジニアスに20年以上通い続け、リスナー、レコード・コレクターとしての極意(?)を習得。高田敬三氏主催の「ボーカルを楽しむ会」では、年に一度ほど例会の案内係を担当。

ターンテーブルの夜
ターンテーブルの夜

ターンテーブルの夜

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アナログでしか出せないジャズ・ボーカルの味わい
4月30日から5月4日は茂木亮さんが担当します。ヴォーカルとレコードに対する愛着は誰にも負けないという茂木さんの選曲と語りをお楽しみください。(5月7日~25日はアーカイブス放送となります。)

●ミス・モーガナ・キング/モーガナ・キング
 ニューヨーク出身で、ルーツはイタリアのシシリー島のユダヤ人、モーガナ。オペラ・シンガーを目指しながらも、50年代中頃にジャズ・シンガーとしてデビューしています。エマーシーやユナイテッド・アーティスツ、リプリーズなどにコンスタントにアルバムを残したのち、64年にメインストリームに移籍し、ボビー・スコット作曲の「蜜の味」をヒットさせ、ポピュラー・シンガー的な人気も得ます。このアルバムは、メインストリームからの2作目にあたり、テリー・ジト編曲、指揮による豪華なストリングス・サウンドに乗り、映画音楽やジャズ・オリジナルなどを取り上げています。オペラ・シンガー・ライクに朗々と唄いあげるモーガナが、リスナーを否応なく引き込んでいく1枚になっています。

●アイ・ドント・ノウ・ハウ・トゥ・ラブ・ヒム/グロリア・リン
 NY出身で、50年代終盤から60年代前半にかけてエヴェレストに多数のアルバムを吹込むグロリア。いずれも一流ジャズメンや豪華なオーケストラをバックに歌ったもので、ライブ音源もかなり存在します。エヴェレストが活動停止に追い込まれた60年代半ば以降、活動ペースがダウンした印象でしたが、76年にインパルスから登場したのがこのアルバムです。日本ではそれまでほとんどアルバムが発売されずにいましたが、ここではスタンダード、ポップスなどを素材に、当時のトレンド、フュージョン風なサウンドに乗り、ゴスペル・ライクに歌う変身ぶりをアピールしています。ジョニー・ペイトらのアレンジによるストリングスの使い方もグルーヴィーですが、スティーヴィー・ワンダー作曲の「ヴィジョンズ」でのジョン・クレマー(ts)のプレイが強烈に印象に残ります。

●トニー・メイクス・イット・ハプン/トニー・ベネット
 NY出身で、50年にTV番組の「タレント・スカウト・ショー」に出場し、翌年にコロンビアと契約するベネットは、瞬く間にスターの座をゲットします。当初はポピュラー・シンガーとして人気を得ますが、54年のアルバム『クラウド7』あたりからジャズシンガーとしての存在感が備わります。このアルバムは67年にコロンビアからリリースされ、マリオン・エヴァンス指揮の豪華なオーケストラには、ジョー・ニューマン(tp)、ジョー・ワイルダー(tp)、アービー・グリーン(tb)、ジョン・バンチ(p)らに加え、ハワード・ロバーツ(g)がプロデュースにあたります。重厚なサウンドに乗り、スタンダードなど11曲をゴージャスに歌うベネットは圧巻そのものといったところです。

●シングズ・ザ・ジェローム・カーン・ソング・ブック/マーガレット・ホワイティング
 デトロイト出身で、「ミス・ブラウン・トゥ・ユー」や「ヒーズ・ファニー・ザット・ウェイ」などの作曲者、リチャード・ホワイティングを父に持つマギー。14歳でその父を失うものの、40年にラジオショーでプロデビューし、バンド・シンガーなどを経て、40年代後半にはソロとなりキャピトルなどから多くのヒットを飛ばします。このアルバムは、60年にヴァーヴからリリースされた2枚組で、タイトルどおりジェローム・カーンのペンによる名曲24曲を歌い通します。ラッセル・ガルシアによるアレンジも絶妙で、ストリングス入りやスモール・コンボなどの編成を使い分ける采配ぶりが光ります。さらりと歌っているようでいて、シンガーとして求められる要素を余さず身に着けているマギーが、心地よく当たり前のように感じ取れることでしょう。

●シングズ・ウィズ・ジミー・ジョーンズ&ベイシーエイツ/ビヴァリー・ケニー
 ニュージャージーの出身のビヴァリーは、54年にマイアミのクラブで歌っていたところをトミー・ドーシーに見出され、彼のバンド・シンガーに起用されますが、長続きしませんでした。その後、ジョージ・シアリング(p)などのスモール・コンボで歌うようになります。55年にルーストからアルバム・デビューしていますが、その3枚目となったのがこのアルバムです。タイトルどおり、歌伴を得意とするジミー・ジョーンズ(p)に加えて、当時のベイシー楽団から、ジョー・ニューマン(tp)、フランク・ウェス(ts,fl)、フレディ・グリーン(g)らの精鋭メンバーがバックを担うスウィング感に満ちた伴奏に乗り、ビヴァリーは映画で歌われた佳曲を中心に12曲をセレクトし、適度なクールさを交えた歌いぶりで魅了してくれます。

●ザ・ディフィニティブ/パール・ベイリー
 ヴァージニア州の出身で、40年頃からNYのクラブで歌うようになり、43年には、クーティ・ウィリアムス楽団のシンガーとなりツアーに参加するパール。最初はダンサー志望だったこともあり、40年代半ばから50年代にかけ多くのミュージカルに出演しています。40年代末ごろから自己名義の音源をリリースし、50年代半ばごろには複数の音楽映画にも出演し、さらに自身のTV番組などで活躍しました。このアルバムは、56年にコロンビアからリリースされたものですが、40年代末から50年代初頭の音源を一部含んでいます。収録した12曲はブルース色が強いものの、バックのコンボは中間派ジャズのような伴奏で、聴いてもくどい印象は与えません。パールはメロディをフェイクしたり、コミカルさを前面に出すなど、ここでも芸達者ぶりを披露しています。

●マムゼル・ジゼル/ジゼル・マッケンジー
 カナダ、オンタリオ州出身のジゼルは、カナダ王立音楽院で学び、40年代半ばからバンド・シンガーとして活躍、渡米後の56年には永住権を得ています。57年には自身のTVショーがレギュラー番組になり、女優としても活動し、60年代にはミュージカルにも多数出演するなど幅広く活躍しました。このアルバムは、56年にVIKに吹込まれた企画盤で、シャンソンの名曲をジャズ風にアレンジし、全曲フランス語で歌っているものです。ニール・ヘフティらの指揮によるバックのサウンドも、ジゼルのフレンチも、ジャズ・ボーカルとして聴いてまったく違和感のない、ウォームな仕上がりになっています。

●ブラウン・ギャル/ボニー・グラハム
 セントルイス出身で、タレント・ショーを勝ち上がりNYに進出したボニー。50年代末ごろのシングル音源が確認できますが、おそらく唯一の自己名義盤がこのアルバムです。62年にアーゴからリリースされたもので、ジョージ・エスクリッジ(g)に加え、アーゴの‟ハウス・リズムセクション“ともいうべき、ジョン・ヤング(p)、イスラエル・クロスビー(b)、ヴァーネル・フォーニアー(ds)が構築するサウンドは、ブルース寄りになりそうな素材を、ジャズ・ボーカル的なアレンジに仕上げています。ジャケットからは20代前半に見えるボニーですが、安定感あるバックに乗り、ダイナ・ワシントンを思わせるブルース・エッセンスを効かせたジャズソングを次々に歌います。

●リコールズ・ゾーズ・ケントン・デイズ/ジューン・クリスティ
 イリノイ州の出身で、アニタ・オデイの後任としてスタン・ケントン楽団のシンガーに起用されたときは20歳の若さだったジューン。その後キャピトルと契約したジューンは、有名盤『サムシング・クール』を含むヒット・アルバムを次々にリリースし、白人トップ・シンガーの地位を不動のものにします。キャピトルには優に10枚を超えるアルバムを吹込みますが、このアルバムは59年のLAレコーディングで、タイトル通り、ケントン楽団在籍中の得意曲ばかりをリメイクしたものです。ピート・ルゴロのアレンジの下、ドン・ファガーキスト(tp)、フランク・ロソリーノ(tb)、バド・シャンク(as)、ジム・ホール(g)、シェリー・マン(ds)など、ウェストコーストの錚々たるジャズメンがジューンを盛り立てます。最良のバックに乗り、得意曲を最良の歌い方でリメイクする楽し気なジューンが圧巻です。

●キャリン・オン/ミルト・トレニアー&ミッキ・リン
 イギリス出身?それともイギリス人のミルト・トレニアー。50年代初めに兄弟でザ・トレニアーズというブルースまたはドゥワップのバンドを結成し、エンターテイナー的に活躍したグループとされ、TVや映画にも出演していたようです。このブラザースとしての活動後、R&Bシンガーとなったのがミルトで、このアルバムは、本人名義としては唯一かもしれません。67年にカデットに吹込んだ実況録音盤で、女性シンガー、ミッキ・リンとのステージの模様が収められています。2人ともジャズシンガーとしての実績はありませんが、ダニー・ラング(p)が率いるイギリスの腕利きミュージシャンをバックに、スタンダードやボサノヴァなどをデュオやそれぞれのソロを交え次々に繰り出します。TVの音楽番組に出演しているかのような、ダイナミックなステージぶりが伝わる1枚です。

4月30日の曲目 5月1日の曲目 2日の曲目 3日の曲目 4日の曲目  
※オンエア曲リストは放送後2週間を経過すると削除されます。ご了承ください。

武田清一

出演:武田清一

1970年代にフォークグループ「日暮し」の一員で「いにしえ」という大ヒットを残した武田氏は、アナログレコードの大ファンで、ジャズヴォーカルを中心に3000枚を越えるコレクションの持ち主です。自宅では二つのオーディオを音楽によって使い分け、CDでは得られないアナログサウンドを楽しんでいます。

上原 昇

出演:上原 昇

横浜在住。ジャズを聴き始めたのはハタチの頃から、地元『ちぐさ』によく通いエヴァンスやコニッツなど”白人系”ジャズに酔いしれる。もう一つ『ジャズ批評』から多くを学び、その恩返しをと。ヴォーカル(主に白人系)やボサ・ノヴァ(サンバではない)に神経を集中する日々。中途半端なコレクションはしてないつもり。

茂木亮

出演:茂木亮

1960年5月札幌出身、ピアニスト、スティーヴ・キューンのマニア、完全コレクター(自分が生まれたとき、キューンはコルトレーン4のメンバーだった)で、ジャズ批評誌などにキューン関連の情報を発信している。中野新橋のジャズ喫茶・ジニアスに20年以上通い続け、リスナー、レコード・コレクターとしての極意(?)を習得。高田敬三氏主催の「ボーカルを楽しむ会」では、年に一度ほど例会の案内係を担当。