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【CLASSIC LIVE SELCTION】WORLD LIVE SELECTION


★2022年12月末終了 毎月第3(日)12:00~14:00
再放送=翌週(土)5:00~7:00 
【CLASSIC LIVE SELCTION】WORLD LIVE SELECTION
ライ・ヴァルチュハ
WORLD LIVE SELECTION
ピョートル・アンデルシェフスキ
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パブロ・ヘラス=カサド
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エマニュエル・パユ
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ピエール=ロラン・エマール
WORLD LIVE SELECTION
アントネッロ・マナコルダ
WORLD LIVE SELECTION
モイツァ・エルトマン
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(左から)ヴェロニカ・エーベルレ、内田光子、マリー=エリザベート・ヘッカー
WORLD LIVE SELECTION
アンドレア・オロスコ=エストラーダ
WORLD LIVE SELECTION
ゴーティエ・カプソン
WORLD LIVE SELECTION
ダーヴィト・アフカム
WORLD LIVE SELECTION
レオニダス・カヴァコス
WORLD LIVE SELECTION
ウラジーミル・フェドセーエフ
WORLD LIVE SELECTION
アンドレイ・コロベイニコフ

【CLASSIC LIVE SELCTION:第3週】巨匠と呼ばれる大物指揮者や人気急上昇の若手演奏家が登場する、世界中から大注目のコンサートを臨場感たっぷりにお届け。音楽評論家の奥田佳道氏によるコンサートや演奏者の解説も交えてお楽しみいただきます。学生時代はウィーンに身を置いて勉強し、現在も現地の音楽祭に足しげく通う、“ウィーン通”の奥田氏による解説で、本場ヨーロッパの一流アーティスト達の最新情報を網羅的にご紹介します。



早世の天才か、長寿は天才か?<ザルツブルク・モーツァルト週間2015>

 モーツァルトの誕生日1月27日をはさんだ約10日間、生地ザルツブルクで開かれる音楽祭は、その名も「モーツァルト週間」。今年は1月22日~2月1日まで開催されました。モーツァルトの今日的な意味を問い直すため、毎年モーツァルトに番えるテーマ作曲家が設けられますが、今年はシューベルトとエリオット・カーター。30代でウィーンに没したモーツァルトとシューベルトは、短い人生にもかかわらず、多くの不滅の名曲を残しました。一方、2012年に103歳で亡くなったニューヨークの作曲家、エリオット・カーターが現代音楽の最前線に立ったのは50代になってから、ヨーロッパに紹介されたのは70代、100歳を超えてからも作曲の委嘱が入る生活を続けていました。

 4月は三つ巴のプログラムから6本をご紹介します。カメラータ・ザルツブルクを指揮するのは、ヴァルチュハとヘラス=カサドという二人の若手。ヨーロッパ室内管の演奏会では、カーターの遺作「エピグラム」をこの曲をささげられたエマール自身が演奏。押しも押される実力派、内田光子が若手と組んだ女子会トリオは音楽祭のトリ。ウィーン・フィルの指揮台にはこれまた若手のオロスコ=エストラーダが上がり、テーマ作曲家3人の交響曲第1番を振ります。シューベルトの歌劇「アルフォンソとエストレッラ」は劇的なストーリーと音楽が感動的です。雪景色の美しいザルツブルクの街並みを想像しながら、聴きどころ満載のモーツァルトへの旅に出かけませんか。


[カメラータ・ザルツブルク]

4月4日/Vol.1ヴァルチュハ指揮、アンデルシェフスキ(P)

4月5日/Vol.2 ヘラス=カサド指揮、パユ(Fl)


 地元オーケストラ、カメラータ・ザルツブルクの演奏会を二夜連続で。まずは1976年ブラチスラヴァ生まれ、現在トリノのRAI国立交響楽団の首席指揮者を務めるユライ・ヴァルチュハの指揮で。シューベルト18才の交響曲第3番はモーツァルトの影響を受けたもの。今年2月に来日してN響との名演を聞かせたピョートル・アンデルシェフスキがモーツァルトの17番のピアノ協奏曲に登場。後半は27歳のモーツァルトがわずか4日間で仕上げた交響曲第36番「リンツ」。

 5日、こちらの指揮を務めるパブロ・ヘラス=カサドは1977年スペイン生まれ。バロック音楽に関心を示す一方、現代音楽の擁護者としても知られ、2009年にはシュトックハウゼンの「グルッペン」の指揮者として来日しました。2011年にはベルリン・フィルにデビューしています。プログラムはシューベルト18歳の作品、交響曲第2番。第1楽章の序奏がモーツァルトの第39番の序奏に似ており、これを後半に配しています。エリオット・カーターのフルート協奏曲など、100歳ごろの作品を挟んで。 4日の曲目 5日の曲目


4月11日/エマール&ヨーロッパ室内管弦楽団~エリオット・カーターに捧ぐ

 エリオット・カーターの遺作は、103歳で亡くなる3か月前に完成した「エピグラム」。ピエール=ロラン・エマールのために作曲されました。この曲の演奏をエマールが捧げます。ヨーロッパ室内管弦楽団を指揮しながらのモーツァルト:ピアノ協奏曲第27番と第26番も聞きものです。 曲目はこちら


4月12日/戦さか和解か?~シューベルト/歌劇「アルフォンソとエストレッラ」(※40分延長 ~24:40)

 昨年夏のザルツブルク音楽祭で上演された「フィエラブラス」に続いて、シューベルトの歌劇の登場です。舞台はスペイン北西部アストリア地方の森。ムーア人(イスラム教徒)と西ゴート人の勢力争いの物語です。最後は円満解決となるため、御伽話的な演出もありますが、2015年の今日的な演出とはいかに。指揮のアントネッロ・マナコルダはトリノ出身、マーラー・チェンバー・オーケストラの元コンサートマスターで、現在ではイタリアやドイツのオーケストラ、歌劇場で非常に高い評価を得ています。カンマーアカデミー・ポツダムを指揮してシューベルトの交響曲全集を録音中。モダン・オーケストラながら、ピリオド奏法も取り入れた熱気あふれる演奏が評判です。シューベルトの音楽のドラマティックな力に目からウロコ?!歌手もモイツァ・エルトマン、ミヒャエル・ナジーなど豪華。 曲目はこちら


4月18日/女子会トリオ:内田光子(P)ヴェロニカ・エーベルレ(Vn)マリー=エリザベート・ヘッカー(Vc)

 泣く子も黙る(失礼!)内田光子姐さんが、年下の女子2名を従えて登場。40歳の年の差は演奏に現れるのか・・・。内田のソロを導入に、シューベルトとモーツァルトのピアノ三重奏曲が演奏されます。3者のインタープレイにご期待ください。 曲目はこちら


4月19日/アンドレア・オロスコ=エストラーダ指揮ウィーン・フィル

~カーター、モーツァルト、シューベルト:交響曲第1番


 指揮者のオロスコ=エストラーダは1977年コロンビア生まれ、ウィーンで指揮の修業をしました。カメラータ・ザルツブルクの演奏会に登場したヴァルチュハ、ヘラス=カサドと同世代です。ウィーン・トーンキュンストラー管の首席指揮者を経て、ヒューストン交響楽団の音楽監督を務める若手最注目株。プログラムはテーマ作曲家3人の交響曲第1番。モーツァルト8才、シューベルト16才、カーター34才の作品です。またシューベルトの「アルペジョーネ・ソナタ」をチェロとオーケストラ伴奏に編曲したヴァージョンには、ゴーティエ・カプソンが登場。聴きごたえ十分です。 曲目はこちら


<チャイコフスキーを若手とヴェテランで>

 5月に入っては、アフカム指揮ウィーン交響楽団とフェドセーエフ指揮チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラによるチャイコフスキーの交響曲をお届け。さらに生誕150年のシベリウス、没後100年のスクリャービンといったタイムリーな選曲も必聴。


5月2日/ダーヴィト・アフカム指揮ウィーン交響楽団、カヴァコス(Vn)

 昨年11月のウィーン交響楽団の演奏会には、ドイツとインドのハーフで1983年フライブルク生まれのダーヴィト・アフカムが登場。雄弁な指揮ぶりでめきめき頭角を現しています。2010年のザルツブルクでの指揮も評判になったリゲティに始まり、レオニダス・カヴァコスを独奏に迎えて、今年生誕150年のシベリウスのヴァイオリン協奏曲。今年の1月にはこの曲をラトル指揮ベルリン・フィルと演奏して大好評を博したばかり。そしてメインはチャイコフスキーの交響曲第5番。エネルギーの炸裂にご期待ください。 曲目はこちら


5月3日/ケルンテンの夏2014

~フェドセーエフ指揮チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ、コロベイニコフ(P)


 “これぞロシアの響き”と思わせる圧倒的なパワー、絢爛豪華なサウンドで絶大な支持を得ている最強タッグによるチャイコフスキーの交響曲第4番。日本では“モスクワ放響”の名で親しまれているチャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラは、1974年にフェドセーエフが芸術監督及び首席指揮者に就任して以来、約40年にわたる強固な絆のもと、品格漂うゴージャスなロシアンサウンドを響かせてきました。今年没後100年となるスクリャービンのピアノ協奏曲では、2004年のスクリャービン・コンクールの覇者でラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンなど、たびたび来日しているアンドレイ・コロベイニコフを独奏者に迎えます。 曲目はこちら


(出演:舩木篤也 音源提供:オーストリア放送協会)

※オンエア曲リストは放送後2週間を経過すると削除されます。ご了承ください。



奥田佳道

出演:奥田佳道

1962年東京生まれ。ヴァイオリンを学ぶ。ドイツ文学、西洋音楽史を専攻。ウィーン大学に留学。くらしき作陽大学講師、エリザベト音楽大学パフォーマンス・フォーラム講師を務めた。「音楽の友」「N響フィルハーモニー」などへの執筆のほか、1993年からNHK、日本テレビ、WOWOW、クラシカ・ジャパンの音楽番組に出演。1997年から2017年まで毎年「ウィーン・フィルニューイヤーコンサート」生中継(BS、FM、Eテレ)の解説を行なった。また2004年から2013年まで北九州国際音楽祭のミュージック・アドヴァイザーを務めたほか、NHK音楽祭、せんくら、日本フィル横浜定期演奏会などでプレトークを担当。現在「オペラ・ファンタスティカ」パーソナリティのひとり。ラジオ深夜便「奥田佳道のクラシックの遺伝子」「オトナのリクエストアワー」に出演中。アサヒグループ芸術文化財団音楽部門選考委員。フッペル鳥栖ピアノコンクール審査員。朝日カルチャーセンター新宿、北九州各講師。中日文化センター講師。NHK文化センター講師。著書・監修に「これがヴァイオリンの銘器だ」(音楽之友社)、「知ってるようで知らないバイオリンおもしろ雑学事典」(ヤマハ・ミュージックメディア)ほか。