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【CLASSIC LIVE SELCTION】WORLD LIVE SELECTION


★2022年12月末終了 毎月第3(日)12:00~14:00
再放送=翌週(土)5:00~7:00 
【CLASSIC LIVE SELCTION】WORLD LIVE SELECTION
歌劇「ファウスト」より
WORLD LIVE SELECTION
ユジャ・ワン

WORLD LIVE SELECTION
コルネリウス・マイスター

WORLD LIVE SELECTION
デニス・ラッセル・デイヴィス&滑川真希

WORLD LIVE SELECTION
ネヴィル・マリナー

WORLD LIVE SELECTION
アリーナ・ポゴストキーナ

WORLD LIVE SELECTION
リッカルド・ムーティ

  WORLD LIVE SELECTION
ライナー・キュッヒル

【CLASSIC LIVE SELCTION:第3週】巨匠と呼ばれる大物指揮者や人気急上昇の若手演奏家が登場する、世界中から大注目のコンサートを臨場感たっぷりにお届け。音楽評論家の奥田佳道氏によるコンサートや演奏者の解説も交えてお楽しみいただきます。学生時代はウィーンに身を置いて勉強し、現在も現地の音楽祭に足しげく通う、“ウィーン通”の奥田氏による解説で、本場ヨーロッパの一流アーティスト達の最新情報を網羅的にご紹介します。



【24bit放送】<ザルツブルク音楽祭2016>

 先月に続き、世界の音楽ファンが注目するザルツブルク音楽祭、その2016年の模様を6本お届けします。

 ベチャワ(T)とアブドラザコフ(B)がファウストとメフィストフェレスを演じるグノーの「ファウスト」、キュートな超絶ピアニスト、ユジャ・ワンの「ラプソディ・イン・ブルー」とラヴェルの協奏曲が並ぶ演奏会、新世代きっての才能と実力を持つ指揮者コルネリウス・マイスターが指揮するウィーン響、昨年10月に亡くなったネヴィル・マリナーが指揮するモーツァルテウム管、ムーティ指揮ウィーン・フィルのコンサートは、45年間コンサートマスターを務めたライナー・キュッヘルの最後のステージ。オペラとオーケストラをご堪能下さい。指揮者デニス・ラッセル・デイヴィスが奥様の滑川真希とピアノで演奏するストラヴィンスキー「詩篇交響曲」も聞きものです。


2月5日/グノー:歌劇「ファウスト」(☆1時間延長 ~19:00まで)

 19世紀フランス・オペラの神髄というべきグノーのこのオペラがザルツブルク音楽祭で上演されるのは、なんと初めてだそうです。昨年マスネ「ウェルテル」で音楽祭デビューを果たしたアレホ・ペレスが初めてウィーン・フィルを指揮、また装置と衣装のオーソリティ、ラインハルト・フォン・デア・タンネンがザルツブルクで初演出と大きな話題を呼んだ「ファウスト」です。原作はゲーテ。悪魔メフィストフェレスに魂を売り渡して若さを手に入れたファウスト博士と無垢なマルグリートの悲恋を、甘く切ないドラマティックな音楽で描きます。マルグリートの歌う「トゥーレの王」を始めアリアやバレエ音楽に次々と名旋律が登場。配役はファウストが今やトップテノールとなったピョートル・ベチャワ。バスの名手イルダール・アブドラザコフのメフィストフェレス、今最も注目を集めるソプラノの一人マリア・アグレスタのマルガレーテ。 曲目はこちら


2月11日/ブランギエ指揮カメラータ・ザルツブルク&ユジャ・ワン(P)

 精確無比なテクニックと自由奔放な音楽性、キュートな容姿とアスリートのような演奏の躍動で人気急上昇のユジャ・ワンが登場。「ラプソディ・イン・ブルー」とラヴェルの「ピアノ協奏曲ト長調」を演奏します。指揮のリオネル・ブランギエは2012年に26歳の若さでチューリヒ・トーンハレ管の音楽監督兼首席指揮者に指名された注目の天才。チューリヒ・トーンハレ管弦楽団を指揮してワンと共演したラヴェルの2つの協奏曲のディスクも評判ですが、ここでは地元のオケ、カメラータ・ザルツブルクとの共演。他に今年が没後50年にあたるハンガリーのコダーイの「ガランタ舞曲」など。 曲目はこちら


2月12日/コルネリウス・マイスター指揮ウィーン放送響

 11日のプログラムと同じく、こちらもラヴェルとハンガリーの作品を組み合わせたプログラム。「道化師の朝の歌」と「ラ・ヴァルス」、「オーケストラのための協奏曲」にチェルハの「淡青色のビジョン」(世界初演)と近現代のオーケストラ作品の魅力をご堪能あれ。指揮のコルネリスウ・マイスターは1980年ドイツ、ハノーファー生まれ。現在ウィーン放送響の首席指揮者兼芸術監督を務めており、今年4月から読響の首席客演指揮者に就任、また2018年からシュトゥットガルト歌劇場の音楽総監督に就任することになっており、ますます目の離せない存在になりそうです。 曲目はこちら


2月18日/デニス・ラッセル・デイヴィス&滑川真希(2台ピアノ)

 ザルツブルク音楽祭で宗教曲を取り上げる「Ouverture Spirituel」と題したシリーズの一つ。

ミニマル音楽やバルト三国の作曲家などの現代音楽を得意とし、数々の世界初演を行っている指揮者のデニス・ラッセル・デイヴィスは妻で日本の現代音楽のスペシャリストであるピアニスと滑川真希と「春の祭典」の4手連弾版のレコーディングも行っています。ここではバッハのコラール、ストラヴィンスキーの「詩篇交響曲」、オネゲルの交響曲第3番「典礼風」などをピアノ版に編曲したもので組んだプログラムを披露。編曲はショスタコーヴィチやクルタークによるもの。 曲目はこちら


2月19日/追悼ネヴィル・マリナー、モーツァルテウム管弦楽団、アリーナ・ポゴストキーナ(Vn)

 昨年10月2日に92才で亡くなった英国の指揮者ネヴィル・マリナー氏。そのわずか1か月ほど前の8月28日、ザルツブルク音楽祭の指揮台に上がっていました。昨年4月には元気に来日公演を行っていましたので、驚かれた方も多いでしょう。1959年に結成したアカデミー室内管弦楽団とは、半世紀以上にわたって旺盛な活動を展開。遺された膨大な数のディスクはクラシック・ファンの宝物です。ここではモーツァルトの交響曲第39番とベートーヴェンの交響曲第1番、間に1983年レニングラード生まれの美しきヴァイオリニスト、アリーナ・ポゴストキーナを迎えて、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番ト長調が演奏されました。ポゴストキーナは1992年からドイツに移住し、2005年、シベリウス国際コンクールで優勝し一躍注目されるようになりました。1924年生まれのマリナーとは60才の年の差を越えて響きあいます。 曲目はこちら


2月25日/リッカルド・ムーティ指揮ウィーン・フィル、ライナー・キュッヒル(Vn)引退公演

 ザルツブルク音楽祭2016のシリーズの締めくくりは、ムーティが指揮したウィーン・フィルの演奏会。毎年必ず登場するムーティは8月15日の聖母マリア被昇天祭の祝日がお約束の日です。ザルツブルクでのウィーン・フィルは「ウィーン・フィルとその作曲家たち」をコンセプトにプログラムを組んでおり、今回のムーティはR.シュトラウスの組曲「町人貴族」とブルックナーの交響曲第2番を選びました。実はこの日は45年間にわたりコンサートマスターを務めてきたライナー・キュッヒルのウィーン・フィルとの最後のステージ。極上の演奏で有終の美を飾ったキュッヒルとムーティは、固い握手を交わして聴衆の大きな拍手に応えました。 曲目はこちら


(音源提供:オーストリア放送協会)

※オンエア曲リストは放送後2週間を経過すると削除されます。ご了承ください。



奥田佳道

出演:奥田佳道

1962年東京生まれ。ヴァイオリンを学ぶ。ドイツ文学、西洋音楽史を専攻。ウィーン大学に留学。くらしき作陽大学講師、エリザベト音楽大学パフォーマンス・フォーラム講師を務めた。「音楽の友」「N響フィルハーモニー」などへの執筆のほか、1993年からNHK、日本テレビ、WOWOW、クラシカ・ジャパンの音楽番組に出演。1997年から2017年まで毎年「ウィーン・フィルニューイヤーコンサート」生中継(BS、FM、Eテレ)の解説を行なった。また2004年から2013年まで北九州国際音楽祭のミュージック・アドヴァイザーを務めたほか、NHK音楽祭、せんくら、日本フィル横浜定期演奏会などでプレトークを担当。現在「オペラ・ファンタスティカ」パーソナリティのひとり。ラジオ深夜便「奥田佳道のクラシックの遺伝子」「オトナのリクエストアワー」に出演中。アサヒグループ芸術文化財団音楽部門選考委員。フッペル鳥栖ピアノコンクール審査員。朝日カルチャーセンター新宿、北九州各講師。中日文化センター講師。NHK文化センター講師。著書・監修に「これがヴァイオリンの銘器だ」(音楽之友社)、「知ってるようで知らないバイオリンおもしろ雑学事典」(ヤマハ・ミュージックメディア)ほか。