コラム「ミュージックバードってオーディオだ!」

<雑誌に書かせてもらえない、ここだけのオーディオ・トピックス>

ミュージックバード出演中の3名のオーディオ評論家が綴るオーディオ的視点コラム! バックナンバー


第1回/CDT-1AMDでも、ここまでやれる


光デジタルTOSリンク端子付きチューナー「CDT-1AMD」

 チューナーはCDT-1AMDを使っている。最もエコノミーな機種に、光デジタル出力端子が付いたタイプだ。「オーディオ評論家が、そんな安いチューナーで大丈夫なのか」とときどきからかわれるが、この端子のおかげで、ちゃんと使い物になる。



 とにかくこの端子を使って、番組をデジタル出力し、そのデジタルデータを外付けD/Aコンバーター(以下DAC)でアナログ音声に変換してやる。これと同じことをしてくれる部品はチューナーの中にも入っているから、そんなことしなくても一応番組は聴けるのだが、外付けDACと元々中に入っている部品では、部品の格が違うから、その分、数段クォリティの高い音が飛び出してくる。自分のいい加減な語学力で何となく済ますのではなく、プロの翻訳家に仕事を外注するから、より正確な翻訳(D/A変換)がおこなわれるとお考えいただきたい。

 オーディオ経験が豊富な方なら、使われていないDACがどこかでホコリをかぶっているのではないか。「大したDACじゃないから」などと言わず、とりあえず駄目元でつないでみよう。AVアンプや一部のデジタルアンプにも、デジタル入力端子は付いている。もし今からDACを買おうというなら、、TEACのUD-501あたりをお薦めする。

 「光デジタルは音が悪い」と聴く前から否定的な方もいるが、同軸出力とどちらが優るかはケースバイケース。光接続することによって、ノイズがケーブルを伝わってこれなくなるというメリットだってある。「最近、高級な光デジタルケーブルがなくなったから」とお嘆きの方には、SONYのPOC-10Aをお薦めしよう(50センチの5Aから5メートルの50Aまで、6種類が用意されている)。価格をはるかに超えた高音質に、きっと驚いていただけるはずだ。


  TEAC「UD-501」



  SONY「POC-10A」


 筆者宅では、外部クロック装置(デジタル信号の足並みを揃えてくれる、メトロノームのようなもの)を加えることで、さらなる音質改善を図っているが、残念ながらこれはワードシンク端子が付いた一部のDACにしかつなげないので、皆様に広く推奨するわけにはいかない。

 それ以外の方法としては、チューナーの電源(ACアダプター)をより良質なものに交換するといった手もあるが、これに関してはもう少し検証が必要なので、次回以降改めてお知らせしよう。


Conclusion C-T1CS


 最後に、最近とある方から聞いた情報を書きとめておきたい。その方は最高級チューナーC-T1CSをご愛用中なのだが、「45センチのアンテナを、60センチの大型アンテナに交換したら、聴感上の歪み感が減った」というのだ。

 こういったことは、FMなどアナログ放送では当たり前なことだが、デジタル放送では理論上ありえない。しかし、その方だけでなく、取り換え工事に立ち会ったミュージックバードの技術者も、まったく同じことを証言していた。

 いったいどうしてそんなことが起きるのか、今後の検証に期待したい。

(2013年2月18日更新) 第2回に進む


【マックトン十番勝負!第2回 村井裕弥がプロデュース】 ※イベントは終了しました
管球式アンプの老舗ブランド「マックトン」が毎月最終金曜の夜、チャレンジ試聴会を開催しています。
3月のテーマは「タンノイのスーパー・レッド・モニターを鳴らし切るのはどちらか!?」というガチンコ勝負。株式会社ヒット開発研究所のデビュー作『LTC101055S』がマックトン創業50周年記念セパレートと対決します。
  日時/3月29日(金)19:00~20:30
  場所/マックトン試聴室(西武新宿線・井荻駅から徒歩7分)地図
  プロデュース・司会/村井裕弥
  予約/必ず事前にお電話でご予約ください。
     TEL:03-3394-0131(マックトン)
  ※満席で予約が取れなかったときは、翌日土曜日も試聴できるようにします(但し講演等はなし)。こちらも要予約。
村井裕弥

村井裕弥(むらいひろや)

音楽之友社「ステレオ」、共同通信社「AUDIO BASIC」、音元出版「オーディオアクセサリー」で、ホンネを書きまくるオーディオ評論家。各種オーディオ・イベントでは講演も行っています。著書『これだ!オーディオ術』(青弓社)。

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