コラム「ミュージックバードってオーディオだ!」
<雑誌に書かせてもらえない、ここだけのオーディオ・トピックス>
ミュージックバード出演中の3名のオーディオ評論家が綴るオーディオ的視点コラム! バックナンバー
第113回/人が来るとオーディオの調子が悪くなる話 [鈴木裕]
家の家電がたて続けに壊れたりする話は、オーディオ関係に限らず体験したり訊いたことがあるだろう。オカルトというほどでもないが不思議だ。うちのオーディオだが、どういうわけか人が聴きに来ようとすると調子が悪くなる |
2016年3月の終わりのうちの前段系。配置を少し変えた。
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もうひとつのパラメトリックイコライザーはフォーカスライトのRED2で、当時はUSB DACのひとつ、マイテック・デジタルのSTEREO192-DSD DACのバランス出力を入れ、フォーカスライトからのバランスアウトをプリアンプに接続していた。つまり、CDを聴く場合、一体型デジタルプレーヤーのエソテリックK-03からのアナログ出力の音がメインで、「もうひとつの音」としてエソテリックから出力した同軸デジタルをマイテックに入れ、フォーカスライトを通した音を聴けるようにしてあったのだ。ある意味、遊びで色付けして楽しむ用のパラメということになる。
さて、田中伊佐資さんが来る前日、フォーカスライトの片チャンネルの音が出なくなった。接続を換えたとか、掃除したとか、インシュレーターを入れるのに何かしたとか、そういうことは一切ない。というか、お客さんが来るのに掃除くらいすべきとは思うが、なーんもしなかった。なのに片チャンネルからの音が出なくなった。そして取材当日、フォーカスライトは両チャンネルとも音が出なかった。見事である。出ないものは仕方ない、その旨、伊佐資さんには説明した。
取材翌日、なぜか片チャンネルから音が出るようになった。そして二日後、両チャンネルとも復活していた。もちろん何もしていない。何もしないで音が出なくなったのだから、何もしなくてもそのうちまた出るんじゃないかとは実はココロの底では思っていたが、見事に伊佐資さんに聴かれるのを避けた形である。
つづいて最近の話。
オーディオアクセサリー系のメーカーの人が来訪したが本来の音を聴いてもらえなかった。モノーラルのパワーアンプの片側の出力が、おおよそ3dBとか4dBくらいは落ちてしまい、メーカーに修理に出したタイミングだったのだ。
一応、予備のパワーアンプはあるし、音楽ソフトを判断できるくらいの音は出るのだがこれはやはり聴かせる方としても、聴く方としても納得いかないだろう。問題点としては低域の立ち上がりがほんの少し、しかし決定的に遅れてしまうことだ。低域のエッジが立たないのだ。駆動力が足らないし、基本的な設計の問題でもある。たったそれだけと言われるかもしれないが、低域、中域、高域の音の出るタイミングが合うと、最低域にも超高域にもレンジが伸び、ダイナミックレンジも広くなったり、音楽を訴える力が俄然上がってくる。ということで、低域の立ち上がるタイミングが合うというのはだいぶ大事と思っているのに、そこが微妙に遅れてしまう。
「再生」のお守り。 熊野本宮大社でいただいてきた。 |
なぜこのタイミングなのか。本番に弱いというやつなのか。どう鍛えたらいいのか。何かお札でも貼った方がいいのか。 |
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