コラム「ミュージックバードってオーディオだ!」
<雑誌に書かせてもらえない、ここだけのオーディオ・トピックス>
ミュージックバード出演中の3名のオーディオ評論家が綴るオーディオ的視点コラム! バックナンバー
第129回/根絶やしにしたいオーディオのノイズ。その対策に光明を見いだした8月[田中伊佐資]
●8月×日/中村製作所のアモルメット・コアと呼ばれるコルゲン・トローチ状のオーディオ・アクセサリーを借りる。このリングにケーブルを通すことによって電気機器から混入する電気ノイズをカットするらしい。ノイズ対策商品は溢れかえるほど世の中に出ているが、素のパーツ・レベルのものを試すのはこれが初めて。好きなところに入れて試せるのは面白い。 |
RCAのレコードプレーヤーの電源部に入る中村製作所のアモルメット・コア。 |
たまたまスピーカーケーブルだったが、やはり電源関係が最も効果的に違いない。はめられる場所を探したら、あった。M2TECHフォノイコライザーはACアダプターなので端子が細く、リングが通る。これもやっぱり鮮度感が増し、50~60年代のレコードを聴くと、ミュージシャンが以前にも増して前に出て訴求してくる。
マッタリとかなごみといったリラックスした方向ではないので、そこはお好みでない場合があるかもしれないが、まあ、別にこれが何かキャラを付加しているのではない。ノイズを排除したら、より素の音が露わになっただけだ。
そしてもうひとつ、RCAのレコードプレーヤーの電源部にもこの輪っかが使えることがわかった。音楽信号に無関係で、ひたすら愚直に回っているだけだというのに、これにも同傾向の音が来た。プレーヤーをいじることによる音の変化は理解しがたいが、事実だから認めるしかない。この感じはとてもいいので、1個はこの場所に付けることに決めた。
個人的には、壁コンセント、電源トランス、配電盤のブレーカーなどにも試してみたいところ。この件、要模索でしょう。
『オーディオそしてレコード ずるずるベッタリ、その物欲記』10月19日、音楽之友社から発売予定。 |
●8月×日/10月19日に「オーディオそしてレコード ずるずるベッタリ、その物欲記」(音楽之友社)が出るが、その後にジャズライフに連載していた、優秀録音ジャズのディスクガイド(タイトル未定)がDU BOOKSから出る。年内に刊行と言いたいところだが、まだほとんど進んでいないので、この半年以内といったところだろう。 |
●8月×日/ステレオ誌の取材でつくばに住む瀬谷徹さんの家を訪ねる。「SPレコードのコレクションがすさまじく、16インチ・ターンテーブル~フィールド型スピーカーの音も素晴らしいですよ」とVintage Joinのキヨトさんが仲立ちになってくれて、ようやく実現した。
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瀬谷徹さんのオーディオ・システムとSPコレクション(ほんの一部)。 |
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