コラム「ミュージックバードってオーディオだ!」
<雑誌に書かせてもらえない、ここだけのオーディオ・トピックス>
ミュージックバード出演中の3名のオーディオ評論家が綴るオーディオ的視点コラム! バックナンバー
第136回/気が付くと、河村尚子の追っかけを7年半もやっていた…[村井裕弥]
先月バッティストーニ指揮《イリス》を取り上げたばかりだというのに、生演奏ネタが続く。 |
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意外に思われる方もいらっしゃろうが、リストがピアノ編曲したオペラや歌曲も、かなりの頻度で弾いている(個人的には、超絶技巧練習曲の全曲録音なども、ぜひ若いうちに完成させてほしいと願っている。あと《巡礼の年》なども。ついでに言わせてもらえるなら、リストがピアノ編曲したベートーヴェンの交響曲全集なども、ぜひ録音していただきたい)。
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チャイコフスキー、ラフマニノフ、プロコフィエフあたりを聴くことも多い。このあたりは、師匠であるウラジミール・クライネフの影響? 残念ながら、クライネフご本人によるロシアものを聴いたことはないが、おそらく「ただのモノマネでないこと」は容易に推察される。河村尚子は、いつもよい意味で聴き手を裏切ってくれるのだ! |
そんな河村尚子が、ぐるりと回ってきて、ショパンに再び対峙したのが10月30日(日)のリサイタルだ。弾いたのは、 |
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ああ、そういえばこのホールで、大友直人指揮日本フィルをバックに、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番を弾いたこともあった(2012年11月17日。あれからもう4年もたつのか)。おそらくあの公演にしびれた音楽ファンが、今回も詰めかけているのであろう(ちなみに、河村は最近、第2番でなく第3番を弾くようになった。6月28日サントリーホール)。河村自身がマイクを握って語っていたが、この杉並公会堂における公演は、杉並区民のリピーターが極めて多いのだ。
余談にスペースを割きすぎてしまったかな。09年頃、生で聴いた河村のショパンに比べ、今回のショパンは幾分硬派で、「安易な情には流されないわよ」という気概のようなものを感じた。一音一音が重く(重苦しいという意味ではない)、音楽としての構築力が格段に強固。いわば、甘くないショパンだ。以前驚かされたペダルわざの高度さ(複雑さ)も、意図的に抑えられているかのように感じられた。
アンコールは2曲。
○ ワルツ作品64の2
○ ワルツ作品64の1《子犬》
つくば市ノバホールであったか、ほかの北関東であったかは忘れたが、「どうしてこの子は、聴衆が知らないような曲ばかりアンコールで弾くのかしら」とイラ付いているご婦人のお顔を思い出した。
もちろん河村は気取ったり、自分本位の世界を構築するために「皆が知らない曲」を弾く軽薄者ではない。そのとき自分が弾きたい曲を弾くのだ。そのとき自分が訴えたいメッセージを伝えるために、そのアンコール曲を選ぶのだ!
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参考のため、2009年9月28日紀尾井ホールにおけるリサイタルのアンコール曲をのせておく。 |
ドイツに居を構え、時折来日(帰日?)する彼女のことだから、年中彼女の生を聴けるわけではない。しかし、2017年1月にはまた来日してくれるようだから、とりあえず1月13日ヤマハホールのフライヤーをここに貼り付けておこう。 |
(2016年11月21日更新) 第135回に戻る 第137回に進む
【村井氏も絶賛!最新鋭機ALLION「A10」お披露目会のお知らせ】 音元出版「オーディオ銘機賞2017特別賞」を受賞した最新鋭機、ALLIONの10周年記念プリ・メインアンプ「A10」のお披露目会が行われます。 何年も前から試作機の音をチェックし続け、最終試作機、量産1号機の音を聴いて、そのまま購入を決めてしまったオーディオ評論家村井裕弥氏が「ほかのどのアンプよりもニュートラルで生き生きしている」「スピーカーユニット(振動板)をがっちりグリップして放さない」と断言する音をぜひご体験ください。もちろん、ミュージックバードとの相性も極上です! (この製品の記事は『オーディオアクセサリー』誌163号/『レコード芸術』誌12月号に掲載予定。) 日時:11月26日(土)13:30~ 会場:AVAC秋葉原本店 出演:村井裕弥 ★参加はTELにて要予約。(AVAC秋葉原本店TEL:03-3837-9745) お電話多数(満席以上)の場合は、会を複数回おこないます。 | これがALLIONの10周年記念プリ・メインA10だ! 価格は120万円(税別) ALLION A10のベースとなったT-125sv |
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