コラム「ミュージックバードってオーディオだ!」
<雑誌に書かせてもらえない、ここだけのオーディオ・トピックス>
ミュージックバード出演中の3名のオーディオ評論家が綴るオーディオ的視点コラム! バックナンバー
第142回/オーディオライターの年末年始は[村井裕弥]
暮れからやけに忙しかった。まずはフルムーン旅行。5日間用82,800円、7日間用102,750円、12日間用127,950円で全国のJRグリーン車が乗り放題だから、使わにゃ損損! |
![]() ![]() 【左】北海道といえば、これでしょ 【右】一ノ関「ベイシー」は15回目くらいだろうか(震災後は3回目) ![]() 新青森駅で迎えてくれたねぶた ![]() 盛岡のジャズ喫茶「開運橋のジョニー」に入ると、クリスマス・ライヴの真っ最中であった! |
「何もそんなに駈けずり回らなくても」と言われそうだが、ここでは「一気に体験することで見えて来るものもありますよ」とお応えしておこう。ちなみに筆者の夢は、列車とバスだけで行くシルクロード横断だ(アフガニスタンやイラク、シリアが平和にならないと行けないから、当分無理だろうけど)。
フルムーン旅行のあとは、ハイレゾ関連の原稿をひたすら書いていた。
![]() オーディオ仲間たちとの肉会。2時間でいったい何キロ食べたのか |
いわゆる年末進行(年末年始、印刷所がお休みになるから、12月中に2か月分の原稿を書く)のおかげで、かえって年末年始は暇になる。だから、フルムーン旅行も行ける。 |
この原稿を書き上げたあとは、友人たちとの「肉会(肉塊ともいう。要するに、ひたすら肉を食べ続ける暴飲暴食の会)」を挟んで、コンサート・ラッシュ。特に河村尚子は、5日間で3公演聴いた。内2公演はクレメンス・ハーゲンとの共演。残り1公演は初のベートーヴェン後期ソナタという興味深いプログラムであったが、いずれも「その曲に関して従来抱いていたイメージ」を脳内攪拌され、吹っ飛ばされるような衝撃を感じた(初日のアンコールで弾かれたショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ ニ短調が最も強く心に残った。ハーモニクス奏法を初めて近くで見たのも衝撃的!)。 |
![]() 河村尚子 ![]() クレメンス・ハーゲン |
![]() 「クラシック放題」は、市民みんなで盛り上げる演奏会 ![]() 泉佐野漁協青空市場「まいど」でランチ |
・リスト:愛の夢第3番 |
演奏を聴きながら、ベネズエラの音楽教育プログラム「エル・システマ」のことなど考えていた。多くの若者たちが夢を抱き、その実現に向け地道に努力を続ける街は、きっと誰もが住みたい街になることだろう。別に世界的スターが生まれなくてもよいのだ(泉佐野のドゥダメルが生まれれば、それはもちろんうれしいけれど)。
雪のため、東海道新幹線が大幅に遅れ、地下鉄の最終でなんとか帰宅。駅で思いっ切り走ったが、それらも合わせて一生忘れられない1日になることだろう
(2017年1月20日更新) 第141回に戻る 第143回に進む
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