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コラム「ミュージックバードってオーディオだ!」

<雑誌に書かせてもらえない、ここだけのオーディオ・トピックス>

ミュージックバード出演中の3名のオーディオ評論家が綴るオーディオ的視点コラム! バックナンバー


第18回/レコード棚に幅3m分もあったエリック・ドルフィーにびっくりした7月

●7月×日/埼玉県・南越谷の鈴木公平さんを取材(音元出版オーディオアクセサリー)。鈴木さんはミュージックバードのヘビー・リスナーで「1948年生まれのKS」という名前でたびたび番組宛てにメールをもらっている。鈴木裕さんの番組に登場したこともある。ジミヘン、ドナルド・フェイゲン、ブラック・キーズと時代に関係なくロックのアナログ盤がかかる。電源ケーブルは可能な限り交差を避け、ふとんバサミに載せて床から浮かしている。これこそ大人のプラレール。

●7月×日/渋谷・北参道のスタジオAで、電源ケーブルにジョイントするノイズ対策アイテム試聴会に進行役として参加。このアイテムをその形状から「ツチノコ型電源アイテム」とオーディオアクセサリー誌が命名しているが、なぜかぼくが名付け親と勘違いしている人が多いことを知る。「そんなダサい悪い名前をつけるわけないでしょう」と弁明。電源1本に対し対策アイテム1個ということで、「マンツーマン型ノイズ・ディフェンス」と格好よく呼んでみたが、来場者の反応はいまひとつ。

●7月×日/岐阜に住む森茂さんを取材(音楽之友社stereo)。その前に名古屋から地下鉄に乗り換えて、覚王山のレコード店SORC(ソーク)に寄る。60~70年代の英米フォーク、SSW、プログレ、サイケが揃った中古アナログ店だが、ここのブリティッシュ・トラッドの在庫は間違いなく日本一 。ビートルズやツェッペリンなどの大御所はほんと申し訳程度というところも主義がはっきりしている。ほぼ未知の盤だらけ。丸一日かけてじっくり探りたかったが、本来の業務を思い出して地下鉄に飛び乗り、岐阜へ向かう。
 森さんのスピーカーは38cmウーファーのKEFメードストンとJBL K2S9500。ハイエンド・オーディオからテンプテーションズが飛び出す。ブラック・ミュージックが大好きだという。すごいビート。オーディオというとクラシックとジャズ・ファンが大多数だが、この現象は極めて不自然だとぼくはずっと思っている。その夜、名古屋に戻って一泊。


鈴木公平さんのケーブル浮かす振動対策


三河高浜にある「ロンドンハウス」のマイクロトラック740


知立「グッドベイト」のスピーカーはJBLJBLオリンパスS7R

「アナログ・サウンド大爆発!」の収録。唐木シノブさんと。(8月10日・17日オンエア)


こちらは高橋知邦さん。(8月24日・31日オンエア)

●7月×日/名鉄三河線・三河高浜にある海沿いのジャズ喫茶「ロンドンハウス」を取材(ジャズ批評社・ジャズ批評)。アナログ・プレーヤーはマイクロトラック740。アームはグレイ。マッキンのプリ&パワーでアルテックのA5を鳴らす。ヨーロッパ録音盤のオリジナルが多く、見たことも聞いたこともないPaul Pataというジャンゴ風ギタリストの『Je suis seule ce soir...』がかかる。欲しい。
 続けて知立のジャズ喫茶「グッド ベイト」を1年ぶりに訪問。偶然にもその日は開店40周年記念日だった。レコードはジャズ以外を含めると3万枚を超えている。マスターの神谷年幸さんはエリック・ドルフィーのコレクター。棚に並んだドルフィーのLPは幅でいうと3mもあった。唖然。

●7月×日/「オレの音ミゾをほじっておくれ」収録。前半のゲストはオーロラサウンドの唐木シノブさん、後半は用賀のロック・バーエピタフのマスター・高橋知邦さん。唐木さんは国内優秀録音盤を持ってきてもらい、憂歌団のデビュー盤は音質というよりディープな内容に感激。高橋さんがかけたジョージ・ベンソンの『メローなロスの週末』 はCDではあまり感じなかったグルーヴを満喫。ハービー・メイソンのドラムは本当に気持ちいい。



(2013年8月12日更新) 第17回に戻る  第19回に進む 

田中伊佐資

田中伊佐資(たなかいさし)

音楽出版社を経てフリーライターに。ジャズとその周辺音楽を聴きながら、オーディオ・チューニングにひたすら没頭中 。「ジャズライフ」「ジャズ批評」「月刊ステレオ」「オーディオアクセサリー」「analog」などにソフトとハードの両面を取り混ぜた視点で連載を執筆中。著作に「ぼくのオーディオ ジコマン開陳 ドスンと来るサウンドを求めて全国探訪」がある。

  • アナログ・サウンド大爆発!~オレの音ミゾをほじっておくれ
  • Brand-new CD~ジャズ・サウンド大爆発! オレのはらわたをエグっておくれ
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