<雑誌に書かせてもらえない、ここだけのオーディオ・トピックス>
ミュージックバード出演中の3名のオーディオ評論家が綴るオーディオ的視点コラム! バックナンバー
第19回/パワーエクストラとは何か
「第16回/ぶらっと京都に行って来た」で、Mさんが出している音について書いた。そして、帰宅後、少しでもあの音に近付けたいと考え、様々な手を打ったとも書いた。そのすべてについて解説し出すと、収拾不能な雑文になってしまうので、今回は最後の決め手になった機器についてのみ書く。パワーエクストラ。わが家の音は、今これなしには成立しない。
パワーエクストラは、相島技研代表・相島彰徳氏の発明品だ。アンプのスピーカー用出力(スピーカーケーブル)を、このパワーエクストラにつなぎ、パワーエクストラからの出力端子とスピーカーを、さらにスピーカーケーブルで結ぶ。要するに、アンプとスピーカーの間に挿入する機器だ(パワーエクストラとスピーカーの間のケーブルは、極力短くすることが推奨されている)。
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7月に訪ねたMさんのリスニング・ルーム
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パワーエクストラ
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何でそのようなものを作ったのか。相島氏の言によると、ご近所のレストランに、オーディオ機器がセットされていて、そのアンプとスピーカーの間が異様に離れていたのを見て、思い付いたのだという。
「この店の音が、今ひとつパッとしないのは、この長すぎるスピーカーケーブルのせいなのではなかろうか。かといって、アンプを動かすのも、スピーカーを動かすのも無理。だったら、長すぎるケーブルの中で勢いをなくしかけている音楽信号のあと押しをしてやればよいはず」
この発想から作られたのがパワーエクストラ試作機。アンプから送られてくる電流を、まずはトランスで受け、そこから導いた電流を、増幅度ゼロのアンプ経由で出力。理屈だけで言えば、「そんなもの要らない」「なんの効き目があるの!?」「いや、不要な回路を通すことで、音楽信号の鮮度が落ちるとしか考えられない」こう考えられて当然。しかし、相島氏がこの試作機をつないでみると、かなりの高率で音質改善が確認されたのだ。
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当初は「スピーカーケーブルが短いお宅では無意味だろう」と考えられたが、実際やってみると、ケーブルが1メートルであっても、パワーエクストラの効果は歴然。「超強力パワーアンプ、モノラルパワーアンプには不要だろう」という声もあったが、これまたやってみると「やはり効く」。
実際どのような音になるのか、詳細は20日発売『レコード芸術』9月号253ページに書いたので、ぜひ併読していただきたい。
パワーエクストラは現在、シリコン・トランジスタを使ったタイプとゲルマニウム・トランジスタを使ったタイプがあり、いずれも1台126,000円。ステレオの場合は2台必要なので、252,000円となる。
メーカーでの試聴、ご自宅での試聴、共に可能なので、詳細は相島技研に直接お問い合わせいただきたい。
(2013年8月20日更新) 第18回に戻る 第20回に進む
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【イベント】マックトン十番勝負!第7回:こんなにも相性がよいDSDファイルと管球式アンプ ※イベントは終了しました
日時/8月30日(金)19:00~20:30
場所/マックトン試聴室(西武新宿線・井荻駅から徒歩7分)
地図
ゲスト/今井哲哉(
今井商事)
使用予定機器/マイテックデジタルStereo192DSD-DAC、マックトンXX-550、マックトンMS-1500、JBL S143
予約/TEL:03-3394-0131(マックトン)
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