<雑誌に書かせてもらえない、ここだけのオーディオ・トピックス>
ミュージックバード出演中の3名のオーディオ評論家が綴るオーディオ的視点コラム! バックナンバー
第21回/あれもこれもと欲しいレコードが出てきてしまってオロオロした8月
●8月×日/「オレの音ミゾをほじっておくれ」収録。
ゲストは音響設計事務所EOSS代表の江川明也さん。
江川さんはむちゃくちゃ音楽通なのは知っていたので、
オーディオ・ルームのチューニングについてはあえて話題にせず。
ひたすら愛聴盤を紹介してもらう。
強く印象に残ったのはジョン・メレンキャンプ
『ノー・ベター・ザン・ディス』。アンペックスのオープンリール・テープによるワンマイク一発の
モノラル盤。信じがたいのはこれが2009年夏の録音ということだ。
ミュージシャンは、演奏内容だけでなく、音の力や質にもっと注力すべきなのだ。
次のゲストは横浜ベイサイドネットの西川常夫さん。
やはり音楽の引き出しがやたら広く、ジョニー・リヴァース、ジャニス・ジョプリンにエリック・ドルフィーと続く。
ところでぼくはこのところ個人的ドルフィー・ブームが到来し、
オリジナル(かそれに近い初期盤)を探している。「ファイヴ・スポット」の
ライヴ3枚はぜひ集めたいが、ブツはあるにはあるが高価すぎてとてもサイフが追いつかない。
ちょうど学研「極上オーディオの世界」の編集者、菅原正晴さんから、
まさにそのドルフィーの『アウト・トゥ・ランチ』12インチ45回転盤を探している、
見つけたらよろしくと連絡があり。メールしてくるだけに、
海外サイトを覗いても、やはり適価では見つからない。人気タイトルは油断していると復刻盤でもすぐなくなる。
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「アナログ・サウンド大爆発!」の収録。江川明也さんと。(9月7日・14日オンエア)
こちらは西川常夫さん。(9月21日・28日オンエア)
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笹路正徳さんのオーディオルームに持ち込まれたEARのアンプ
『シナトラズ・スウィンギン・セッション』
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●8月×日/EARの
総帥ティム・デ・パラヴィチーニ氏が、ピアニストにしてプロデューサー、
そしてオーディオ・マニアの笹路正徳
さんの家に自社製品を持ち込んで聴く
企画を取材(音元出版アナログ)。
パラヴィチーニ氏本人がリマスタリングしたプロコル・ハルムの
『青い影』12インチ・シングル(クラシック・レコーズのテスト盤)の音は強烈で、
心の底から欲しいと思った。帰宅後ネットで探したが、もはや絶版、どこにも売っていない。
またフランク・シナトラのモービル・フィデリティ盤『シナトラズ・スウィンギン・セッション』で、
生まれて初めてシナトラの歌に深く感動する。
これもパラヴィチーニ氏のリマスタリング。
●8月×日/アコースティック・リバイブ代表、石黒謙さんの自宅で、
ビートルズやジョン・コルトレーン、アート・ペッパーなどのモノラルとステレオのオリジナル盤を聴き比べる
(音元出版アナログ)。
ビートルズは『プリーズ・プリーズ・ミー』のモノ盤オリジナル、
ゴールド・パーロフォンには面食らった。すごい音圧。30万円はしなかったという。
『リボルバー』のインド盤は20万円近くしたが音ダメだったとか。
ジャズはコルトレーン『至上の愛』モノラル盤のエルヴィン・ジョーンズに震撼。
トレーンをこれでもか、これでもかと駆り立てるドラミングはまさに恐いくらいだった。
程度のいいオリジをじっくり探そうと決意。高音質45回転2枚組が出ているが、
組曲形式のトータル・アルバムなのに、最後の曲が欠けている。
いくらいい音だって、それはないだろう。
●8月×日/中学生の娘が、職業意識について社会人を取材する夏休みの宿題があるという。
ミュージックバードに連れて行き、岩崎育郎ディレクターにインタビューさせる。
エレベーターで女優の川口春奈と乗り合わせ、握手までしてもらい、宿題そっちのけで大興奮。
このところ低迷を続けていたオヤジの株はここで急騰。
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(2013年9月11日更新) 第20回に戻る 第22回に進む
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