コラム「ミュージックバードってオーディオだ!」
<雑誌に書かせてもらえない、ここだけのオーディオ・トピックス>
ミュージックバード出演中の3名のオーディオ評論家が綴るオーディオ的視点コラム! バックナンバー
第27回/ジークレフ音響のインシュレーターでスピーカーの鳴り方が一変した十月
●10月×日/フェーズメーション広報の西松朝男さんから、自宅で行われる「旬のトロさんま炭火焼パーティ」に招待される。たくさんのオーディオ関係者が訪れるなか同社の井上肇さんを探したが見つからない。井上さんは「音ミゾ」にも出演してもらったことがあるウルトラのレコード・マニアで、放送中に激賞したノヴァの『ヴィマーナ』オリジナル盤を「2枚あるので」と後日送ってくれた。そのお礼を言いたかった。どうやら井上さんはさんま焼きの名人のようで、西松宅の屋上でもうもうと立ちこめる煙にまみれながら腕をふるっていた。さんまの味はもちろん絶品だった。 ●10月×日/ハイエンド・ショウのヨシノトレーディング・ブースで公開録音。ゲストは音楽プロデューサーの笹路正徳さん。笹路さんの守備範囲はめっぽう広く、ルビー・ブラフ、ローリー・アンダーソン、ニール・ヤングなどなどミュージシャンはとてもヴァラエティに富んでいた。話も図抜けておもしろく、できることなら客席で聴きたい気分で無事終了。 ●10月×日/オーディオ・ホームシアター展のオーロラサウンドのブースでミニ講演。井上さんからオリジナル盤の見極め方を教えてもらって入手した『カンターテ・ドミノ』をかけたら、予想外に大うけ。デモは誰でも知っているベタな曲を飛び切りいい音で聴かせるのがコツと知る。 |
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●10月×日/翌日、壁谷さんが来訪。2つのショウのデモで使っていたクリアオーディオのリニアトラッキング・アームTT3を持参してもらう。このアームは春頃から僭越ながら輸入をすすめ(しつこくハッパを掛け)、遂に届いたので、無理いって蒲郡へ帰る道すがら寄ってもらうことになった。自宅では経験したことがないほどの情報量に唖然とする。その模様は音楽之友社stereo「ヴィニジャン~アナログの壺~」に執筆。 ●10月×日/ジークレフ音響の永田良二社長が来訪。特殊バネによる吊り下げ式オーディオ・ボード、ウェルフロートボードをスピーカーの下に入れることを決めオーダーしようとしたところ、新製品のインシュレーターができましたと大阪から持ってきてくれた。フローティング・タイプなのでスピーカーを指で押すとふわふわと揺れる。ふんばりのない音になる不安もあったが、ストレスを感じられないのびのびした音へ強烈に変化する。スピーカー・ユニット、ウッド・ホーン、エンクロージュアが初めて三位一体になったように感じ、即買い。このインシュレーターはいまのところ口コミ販売のみで、正式な発売は検討中という微妙なポジションにあるとのこと。なおウェルフロートは地震に強く、東日本大震災後、急に注目されるようなったという。 |