コラム「ミュージックバードってオーディオだ!」
<雑誌に書かせてもらえない、ここだけのオーディオ・トピックス>
ミュージックバード出演中の3名のオーディオ評論家が綴るオーディオ的視点コラム! バックナンバー
第31回/マックトン十番勝負、そのてんまつ
13年2月「マックトン十番勝負」という月1イベントを始めた。8代将軍吉宗のご落胤・葵新吾の映画(主演 大川橋蔵)とは何の関係もない。要するに、マックトンのアンプが毎回どこかの製品と勝負をして、参加者の皆様にその決着を見届けてもらおうという対決型のスリリングなイベントだ。 |
<MACTONE主な製品> (出典:MACTONE) XX-3000 世界でも最高の音質を目指した音を実現するためにすべての可能な回路と高性能な選ばれた部品と長年にわたって積み上げたノウハウが結集した稀にみる高性能なプリアンプ。 xx-550 世界でもまれな高音質の真空管プリアンプ。CDをはじめとするデジタル再生に素晴らしい効果を発揮。 xx-220 よりグレードの高い音色を得たいときに、優れた能力を発揮するプリアンプ。 詳しくはMACTONE HPで |
3月29日(金)第2回には、「三極管以上の特性を半導体で実現した」と謳うヒット開発研究所のデビュー作LTC101055Sが参戦。開発者・福島彰氏も来場され、熱弁をふるった。SITとよく混同されるが、あちらは素子そのものの特性が類似。こちらは回路によってそれ以上の特性を実現。
発売元となるナノテック・システムズから借りた金・銀コロイド溶液含浸ケーブルも音質改善に貢献。「先月気になったくせは、やっぱりケーブルのせいだったんだね」ということになった。「こんな静かな(S/N比感の高い)アンプは珍しい」「嫌な音を出さないアンプだ」といった声も聞かれた。
キソアコースティックのアクセサリーブランド静-Shizuka-が作ったケーブルノイズキャンセラーCNC20-200が、あっと驚くほど効いたことも付記しておこう。「こんな静かなアンプは珍しい」の4割くらいは、ひょっとするとこれのおかげだったのかもしれない。
閉会後は、関係者間のオーディオ談義が延々と続き、終電ぎりぎりセーフ(お茶一杯飲まず、ただただ語り続けていた)。それだけ中身の濃い会であった証しといえるだろう。
メインブレーカーの直後にある漏電遮断機の直前から100Vを引く |
4月26日(金)第3回には、ALLION T-200svが参戦。このアンプをプロデュースした島元澄夫氏(出水電器)に、オーディオ専用電源工事までしてもらったから、透明感・力感がこれまでの2回とは段違い! |
6月28日(金)第5回には、「九州のアインシュタイン」と称される鬼才、永井明氏のブランドSATRI(バクーン・プロダクツ社)が参戦。
○D/Aコンバーター DAC-9730
○プリアンプ PRE-5410MK3
○パワーアンプ SHP-5516M-S
といったフルラインナップで、濃密かつリアルな音を聴かせてくれた。永井氏も熊本からおいでになって、「SATRI回路とは何か」を解説。首都圏のSATRIファン、永井ファンもかなりの人数いらしていた。ある意味、マックトン松本健治郎氏が最も緊張した夜であったかもしれない。
マックトン十番勝負第7回。今井哲哉氏によるDSD講座 マイテック・デジタルStereo192-DSD DAC |
7月26日(金)第6回には、EAR912と861が再登場。「これでこそティム・パラヴィチーニの世界」とリピーターの皆様も大満足。「EARといえば、アナログ再生」とお思いの方が多いようだが、CDやSACDをかけても、EARならではの表現力と気品は健在。 |
9月27日(金)第8回は、スフォルツァート代表・小俣恭一氏を招いて「最新ネットワークプレーヤーDSP-03を使ったDSDネイティヴ再生」。最新DSDファイルを中心に、様々なハイレゾを堪能。 |
スフォルツァート DSP-03 |
10月25日(金)第9回は、「そうは言っても、SACDでDSDを楽しみたい人たちもいる」というテーマで、
ヤマハCD-S3000とA-S3000を借用。この秋最も注目されたSACD/CDプレーヤーとプリ・メインアンプの実力を、お客様方と検証した。
「定年退職する人が、人生最後に買うオーディオ機器として最上の選択ではないか」というのが筆者の結論。
CD-S3000の下に敷いた、長谷弘工業のインシュレーター「ティラミス」も、全体の音調を整えるのに大きく貢献した。
マックトン十番勝負最終回 |
11月29日(金)第10回は、ハーマンインターナショナルからJBL K2S9900を借り、「マックトンの総力を結集して、この巨大スピーカーを鳴らし切る会」に! |
歌手の井筒香奈江さんもご来場されたので、カバーアルバム『時のまにまに』シリーズを、1、2、3と聴きくらべたが、その音作りの違いがハッキリ出た。ご本人も「ここまでわかっちゃうんですね。緊張して、嫌な汗かいちゃいましたよ」と苦笑い。休憩時間は、急遽サイン会に! |
井筒香奈江さん本人からレコーディング秘話を聞き出す インフラノイズ「リベラメンテ」のピンケーブル |
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