コラム「ミュージックバードってオーディオだ!」
<雑誌に書かせてもらえない、ここだけのオーディオ・トピックス>
ミュージックバード出演中の3名のオーディオ評論家が綴るオーディオ的視点コラム! バックナンバー
第45回/オーディオの電源回りはまだまだやることが一杯あると痛感した4月 [田中伊佐資]
●4月×日/アナログプレーヤーのアース線によって音は変わるかをテーマに実験(音楽之友社stereo「ヴィニジャン~アナログの壺」)。そもそもアース線は所詮アース線でしかなく、信号を伝達するわけではないから、なんでもいい思っていたらこれが大間違いだった。 |
大岩さんのメインスピーカーMAGICO Q5 |
アスカ工業のASUKA POWER1000(現物は鏡面仕上げ) |
●4月×日/音に悪さをする混入ノイズの軽減のためにノイズカット・トランスやクリーン電源などが作られているが、まったく新しい電源アクセサリーが現れた。アスカ工業のASUKA POWERというもので、なんでもオリジナルの巨大コンデンサーを積み、変位電圧によって超高速の電源供給を行えるらしい。 |
自宅でつなげて聴いてみたら、なるほどその変化には目を見はった。音像のにじみが減少し定位が向上、シャープな音の場景が浮かび上がった。ちなみに試聴機は最上モデルのASUKA POWER1000で、お値段は262万円(税別)。こちらの数字にも仰天。世界に類のない巨大特注コンデンサーがコストの大部分を占めているとか。この音が恋しくなったら、ぼくはロト6を買うしかない。
●4月×日/今年2月の音ミゾにも出演してもらった、ジャズのオリジナル盤コレクター、岡田剛志さんの家を訪ねる(音元出版:オーディオアクセサリー)。 集合マンションなので岡田さんも電源には気を遣っていた。電圧降下を計算してノグチトランスで115ボルトに上げ、オーラルシンフォニクスの電源ケーブルでチクマのタップに渡し、そのタップの空きにはPSオーディオのノイズハーベスター(ノイズ対策)やアコースティックリバイブのCS2(振動対策)などを付けていた。これがリンのCDとアナログのプレーヤー用。プリとパワーアンプは中村製作所のトランスでノイズカットしている。 細かいアクセサリー類はもうなにがなんだかわからないくらい導入していたが、岡田さんが目標としている「クリアで太い」音はしっかり出ていた。それもレコードが満杯の6畳間で、絞った音量だったから、チューニングのスキルはかなりのものとみた。 (2014年5月12日更新) 第44回に戻る 第46回に進む |
岡田剛志さんの電源タップ(一部) |
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