コラム「ミュージックバードってオーディオだ!」
<雑誌に書かせてもらえない、ここだけのオーディオ・トピックス>
ミュージックバード出演中の3名のオーディオ評論家が綴るオーディオ的視点コラム! バックナンバー
第60回/札幌~岐阜~大阪とあわただしく動き、RCAのギアドライブに度肝を抜かれた9月 [田中伊佐資]
JBLとエール音響のスピーカー・システム。 キャットウォークから撮影 札幌のジャズ喫茶「ジャマイカ」のパラゴン |
●9月×日/札幌に出かけて、例によってオーディオ・マニアを続けて3人訪問(音楽之友社「ステレオ」)。そのうちの一人、松嶋宏篤さんはJBLとエール音響のスピーカー・システムを保有している。どちらも38cmのダブル・ウーファーで、それを横に並べている。普通のお宅ならパンパンどころか物理的に不可能なサイズだが、
まったく部屋の狭さを感じさせない。天井も高く5mもあり、部屋内にはキャットウォーク(高所用の通路)まであった。
物珍しさに階段を上ってみると、壁一面が書架になっている。気分としては英国の由緒あるなんとか図書館だ。
そこからシステムを俯瞰するとまさに壮観だった。 |
●9月×日/岐阜に住むミュージックバードの熱烈リスナー、AHKさんこと、小笠原宣さんを再訪。自作のレコード・プレーヤーが完成したという。エアー・フローティングの40cmプラッター。アームは稀有なことに地元岐阜に伝わる織部焼という陶器製。もちろん一点物ハンドメイド。
ほかのアームと比べてみたところ、これがえらくよかった。明快で疾速、重低音に濁りがない。
メーカーはなぜ陶器アームを製品化しないのか。まあ、完成品にばらつきがでて壊れやすいなど、工業製品に適さないためだろう。しかし個人で使うならなんでもあり、それが趣味だ。ところで極太の自作ウッド・アームもあって、それは柔らかく豊満な音がした。
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RCAのModel 70A(上)と その内部のモーター(下) 「オーディオ風土記」 著・田中伊佐資 10月10日発売! (DU BOOKS:本体2700円税込) |
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