コラム「ミュージックバードってオーディオだ!」

<雑誌に書かせてもらえない、ここだけのオーディオ・トピックス>

ミュージックバード出演中の3名のオーディオ評論家が綴るオーディオ的視点コラム! バックナンバー

第61回/秋の新製品MDT-3CSを、じっくり試聴した [村井裕弥]





 ミュージックバードの受信には、専用チューナーが必要だ。型番を覚えるのがたいへんなので、筆者はとりあえず
 松 ハイエンド・クラス
 竹 ミドル・クラス
 梅 エントリー・クラス
と呼んできたが、この秋、ミドル・クラスが心機一転。MDT-3CS(89,800円税別)という製品が投入された。従来のミドル・クラスは、エントリー・クラスを進化発展させたという印象であったのだが、MDT-3CSはハイエンド・クラスをベースに「音質等、極力そのまま」「ユーザーによっては不必要な機能を削り、コストカットを心掛けた」製品に見える。


  ミュージックバード新チューナー:MDT-3CS

 そもそも見た目が、ハイエンド・クラスC-T1CSにそっくりだ。よくよく見ると、フロントパネル左上のマークが「ミュージックバード」になっていて(ハイエンド・クラスC-T1CSは、ブランド名コンクルージョン)、奥行きが35
%ほど短いが、ラックの中に入れてしまうと、高級感等ほとんど変わらない。それでいて価格は3割近くも安いのだから、肝心の音はどうなのか、かなり気になる。

 比較試聴は、9月30日午後鈴木裕さんのお宅でおこなわれた(田中伊佐資さんをふくむ3人で評価)。鈴木さんはたまたま筆者と同じD/Aコンバーター(マイテックデジタルStereo192-DSD DAC)をお使いだが、まずはそのD/Aコンバーターなしの音(チューナー3機種アナログ出力の音)を評価し、そののちD/Aコンバーター経由の音(チューナー3機種デジタル出力の音)を評価した。





○ アナログ出力の音質は、それぞれ価格相応(ハイエンド・クラスC-T1CSは、発売後約2年が経過するが、いまもその輝きを失っていない)
○ デジタル出力の音質は、いずれもアナログ出力をはるかに上回る
○ 良質なD/Aコンバーターを併用すると、MDT-3CSとC-T1CSの差はかなり縮まる

 このときの発言は『Stereo』11月号にくわしく載っているので、ぜひ併読していただきたいが、ざっくりまとめると、
 こういった印象だ。

 鈴木さん・田中さんと筆者は、ミュージックバードのパーソナリティでもあるのだが、「こうやって3機種聴き比べてみると、できたらミドル・クラス以上のチューナーを使ってほしいよね。音質にこだわった番組作りをしているわけだし」「今秋出たミドル・クラスの性能を十全に引き出すには、良質なD/Aコンバーターが不可欠」という点で意見が一致。


 ひと昔前と違い、D/Aコンバーターを持っている人が増えたというのも、追い風となろう。何十万円もする高級機でなくてもよいのだ。「ウチにもD/Aコンバーター1台あるんだけど、面倒だからつないでない」という方がいらしたら、なにはともあれつないでいただきたい。「ミュージックバードって、こんなにもよい音だったのか」と改めて驚いていただけるはずだ!

 
(2014年10月20日更新) 第60回に戻る 第62回に進む 

村井裕弥

村井裕弥(むらいひろや)

音楽之友社「ステレオ」、共同通信社「AUDIO BASIC」、音元出版「オーディオアクセサリー」で、ホンネを書きまくるオーディオ評論家。各種オーディオ・イベントでは講演も行っています。著書『これだ!オーディオ術』(青弓社)。

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