<雑誌に書かせてもらえない、ここだけのオーディオ・トピックス>
ミュージックバード出演中の3名のオーディオ評論家が綴るオーディオ的視点コラム! バックナンバー
第84回/これから暑くなる季節を思うとアフロヘアはなかなかしんどいなと察した5月 [田中伊佐資]
●5月×日/連載「オーディオはアフロで行こう」(オーディオアクセサリー)の取材で、横浜にある販売店「アフロ・オーディオ」を取材。
前回の取材で思いつき、ついにアフロヘアのヅラをかぶる。アフロで行こう謳っている以上は、どこまでもアフロで行く。それがプロというものよ‥‥じゃなくてただ面白がっているだけ。編集の野間さんは、そのばかばかしさにいたく感服したらしく、驚安の殿堂「ドン・キホーテ」で買ってきてくれた(雑誌の必要経費で落とせたかどうかは不明)。
そもそもオーディオ誌は権威とか格調とか大事ではあるけど、そればっかりもどうかと思うので、色モノ路線でぼくはいきたい。オーディオ誌のカジュアル化であり、ギャグとエロをどう導入するかが今後のテーマだ。
雑誌が出てすぐに、知人から「このような大胆なユーモアはオーディオ誌には欠けている部分です」と不発ギャグに対する慰めと激励に満ちたメールをいただき、独りよがりの大きな力になる。
|
|
新しい筆者近影?撮影:高橋慎一
|
5月31日・6月7日に「音ミゾ」にも出演してくださった上不三雄さん(左)
ジャズ喫茶「マシュマロ」にあるナショナルのレコード・プレーヤー
|
|
●5月×日/マシュマロ・レコードの上不三雄さんが横浜・中華街にジャズ喫茶「マシュマロ」をオープンしたので、ジャズ批評の取材を兼ねておじゃまする。上不さんがレーベルを立ち上げたのは1978年で、あと4枚でトータル100枚になるという。創業から40年近くもオーナーが一貫して制作を続けているジャズ・レーベルは世界的にもそれほど例がないだろう。
ジャズ喫茶は前々からやりたかったそうだ。しかし余生を楽しく過ごすために遊びで始めたのではなく、横浜の新名所にしたい、そのためにマジでチャレンジすると意気込みがバシバシ伝わってきた。
スピーカーはマクソニックの同軸S-2500で、これをサンバレーの管球アンプで鳴らす。しかしぼくがもっとも注目したのは、友人から譲ってもらったという放送局用プレーヤーだ。ナショナルと書いてあるが型番不明。上不さんは「洗濯機が送られてきたと思った」と笑う。いかにもパワフルな感じで回っていた。
スタン・ゲッツのメトロノーム盤の10インチ「ディア・オールド・ストックホルム」がかかる。レンジは狭いがそんなオーディオ的な事柄をとうに超越して演奏はハートに響いてくる。
「高音とか低音とか気にすればするほど、音楽から離れていくんだよ。そういうことばかり言っている人で音楽的ないい耳を持っている人には会ったことがないよね」。
ギクッ。
|
●5月×日/高橋慎一カメラマンと久しぶりにオーディオ・マニア訪問取材のツアー。今回は岡山編。
一軒目は瀬戸内海に面した玉野市へ。マリンライナーで茶屋町駅へ降りると「歓迎!! STEREO誌 御一行様」と書かれた手製の小旗を掲げたマニア氏が出迎えてくれた。洒落のきいたおもてなしには二人とも感激。幸先よい出だしはすべてを表していたようで、たいへんスムーズに3軒訪問の全行程を終了。岡山にもいろんなマニアがいましたね。
●5月×日/特注したオーロラサウンドのフォノイコライザーVIDAが納品。左と右のチャンネルに分割してモノブロック化してもらい、受けのインピーダンスを可変にしてもらった。VIDAはもともと別電源なので、これで4つの筐体になった。
とかくセパレートにすればいいというもんでもなかろうが、やはり所有する満足感がある。実際のところ、VIDAの特徴をさらに押し進める格好で、いままでと比べて音はより明晰になり、澄み渡った。聴き慣れたレコードをもう一度聴き直す毎日が続く。
(2015年6月10日更新) 第83回に戻る 第85回に進む
|
|
モノブロック化したオーロラサウンドのVIDA
|
お持ちの機器との接続方法
コラム「ミュージックバードってオーディオだ!」バックナンバー