コラム「ミュージックバードってオーディオだ!」
<雑誌に書かせてもらえない、ここだけのオーディオ・トピックス>
ミュージックバード出演中の3名のオーディオ評論家が綴るオーディオ的視点コラム! バックナンバー
第85回/シンプルなサブシステムの音 [村井裕弥]
製品の自宅試聴は、極力メインシステムを使うようにしている。しかし、どうしてもそれができない場合もある(ケーブルの長さ不足やプラグの形状など)。そういうときは、傾向を知り尽くしているユニバーサルプレーヤーとプリ・メインアンプを使って、テスト用サブシステムを組み上げる。 「このときの音が意外とバカにできない」というのが、本日のテーマだ。 「そんなバカな」と多くの方は思われるだろう。メインシステムに比べれば、数段安価な機器だし、床直置き。それらをつなぐケーブル類も極めてシンプル。 だから筆者も最初は「日頃聴きなれている音と若干傾向が異なるから、そこが新鮮に感じられるのであろう」と考えていた。しかし、ほぼ毎月使用するうち、「これは、そういうことではないな」と感じるようになった。 サブシステムの音は、 ○ 音が素直に「ポン!」と飛んでくる。 ○ 鮮度が高い。 ○ 色付けが少ない。 何度組み直しても、この傾向が変わらない。 一方メインシステムはというと、 □ fレンジ、Dレンジ共に広い。 □ デジタルノイズ感が少ない。 □ 音源が持つ味わい、香気のようなものをより多く引き出す。 □ 音量を上げたときの「ゆとり感」が頼もしい。 こういう感じだ。 サブシステムの音は、小口径フルレンジスピーカーのニアフィールド・リスニングに似ていて、メインシステムの音は、しっかりしたウーファーを核に組み上げたマルチウェイ・システムに似ている。こんなたとえでご理解いただけるだろうか。 |
パイオニアのユニバーサルプレーヤーDV-S858Ai。購入後12年たってもまだ現役 アコースティックリヴァイブのピンケーブルRCA-1.0tripleC-FM。筆者が知る限り最も色付けのないピュアなケーブル |
現Egretta渡辺成治氏が手作りしたD級プリ・メインアンプ スピーカーは、メインシステムのルーメンホワイト「ホワイトライト」をそのまま使用。スピーカーケーブルは江川式4N無方向ケーブル |
どうしてこうなるのだろう。原因として考えられるのは、 |
コラム「ミュージックバードってオーディオだ!」バックナンバー