毎週日曜11時から13時まで、全国のコミュニティFM(一部地域を除く)を結んで放送している地域SDGs情報バラエティ『ロコラバ』。今回は2023年8月6日放送の『深堀り』のコーナーから、長野県の体験型農園での取り組みを紹介します。
山々から流れる潤沢な清涼水、活火山のふもとならではの栄養のある土など、豊かな自然に恵まれ、高原野菜の栽培も盛んな長野県八ヶ岳の山麓。株式会社ベジパングは、この地で新たな農業の形を目指しています。
信州ブランドアワード2022 NAGANO GOOD DESIGN 部門 部門賞を受賞した「八ヶ岳とうもろこし」は、フルーツのように甘く生でも食べられるブランド野菜として人気。また7月22日には、体感型農園「ハマラハウス」をオープン。より多くの人々に野菜の美味しさや、野菜を育てる楽しさを伝え、“持続可能な農業”を目標に日々奮闘しています。
今回は、同社の代表・折井祐介(おりい・ゆうすけ)さんにお話を伺いました。
――折井さんは長野県出身です。旅行代理店の仕事を経て、地元の観光資源に興味を持ちました。信州の野菜に気が付き、祖父母より農業の継承を志します。現在は幼なじみと一緒に起業して、新たな農業の形を広めています。折井さん、おじいさま、おばあさまは農家だったんですか。
小さい頃から、祖父母には畑の傍で面倒を見てもらっていたので、農業には馴染みがありました。旅行会社に勤めた後に農業をすることを決め、「野菜を作るだけじゃなく、農業を通じて地域の魅力を発信することで、観光客がたくさん来てくれるようにしたい」と思うようになりました。
――生産されている「八ヶ岳とうもろこし」は、生でも食べられるそうですね。
採れたてを生で食べると、シャキシャキとした食感と糖度の高さを感じていただけます。ちょうど収穫体験を行っていたんですが、参加者の皆さんには畑でもぎたてをかじってもらい、好評でした。
――どれくらい甘いのでしょう?
この時期ですと、糖度は20度ぐらいですね。メロンよりも糖度が高いんです。10年前から八ヶ岳とうもろこしを作っていますが、初めて食べた時の感動が忘れられません。「これを地域のブランド野菜にしていきたい!」と思いましたね。
――なぜ、そこまで甘くなるのでしょう?
八ヶ岳は標高1,000メートル以上あり、その麓で作られているからです。このエリアは日中の気温は30度ぐらいになりますが、夜はどっと冷えて約15度まで下がるので、昼夜の寒暖差があります。そういうところで作った食物は、実に甘みがぎゅっと蓄えられるんです。日照時間も重要ですね。晴天率が高い八ヶ岳高原では、 光合成によって甘みのあるとうもろこしが栽培できます。
――他にもおすすめの食べ方はあるのでしょうか。
八ヶ岳とうもろこしは冷やして食べると、清涼感があり、より甘味も際立つのでおすすめです。
――どちらで買えるんですか?
ネットでも販売しています。また、直売所である「ハマラハウス」に足を運んでいただければ、朝採りのものをお買い求めいただけます。
――7月22日にオープンした「ハマラハウス」ですが、ネーミングの由来は?
「ハマラ」というのは、共同経営者の柳沢(要確認)が原村出身で、「原の仲間」の造語で考えました。よく外国の名前と間違えられます(笑)。
――てっきり「農園にハマるよ」という意味かと思いました!
なるほど。次回から使わせてもらいます(笑)。
――「ハマラハウス」はいったいどんな場所なのでしょう?
外観は農業用のビニールハウスになっています。「農業を身近に感じてほしい」という思いがあり、バーカウンターを設け、いろんな方がご利用いただけるイベントスペースとして使っていただけます。
――オープン後の反響はいかがですか?
たくさんの方が来ていただいて、ありがたいことに連日完売です。午前中で営業が終わってしまうこともあります。
――逆に、課題などはありますか。
「新しい農業のカタチを表現していきたい」と考える理由は、農業のイメージをもっと変えていきたいからなんです。昔ながらの3Kのイメージがまだまだあるかと思いますが、農業で面白い店を作ったり、変わった販売の仕方ができたりすることをもっと知ってもらいたいです。農業を知らない方にも、身近に感じてもらえるような空間をつくっていきたいですね。
――採れたての野菜を使ったスムージーを販売するのも良さそうですね。
いいアイデアですね! 実はとうもろこしを使ってアイスクリームやジェラートも作ってもらっています。フルーツのようなとうもろこしなので、どんどん可能性も広がると思っています。
――最後に、リスナーの皆さんにメッセージをお願いします。
お盆の時期になりますが、八ヶ岳は涼しく、天気も良くて、とうもろこしがすくすくと育っています。ぜひに「ハマラハウス」に遊びに来てください。
――折井さん、ありがとうございました!
(番組パーソナリティ 横田)
「今までのイメージを変えたい」と考える方がどんどん増えていくと、本当に変わっていきますよね。新たなエッセンスを加えていくことで、関係人口が増えていくといいなと思いました。
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文・構成=池田アユリ
編集 = ロコラバ編集部