「日本の森林、林業を次世代につなげたい…」埼玉ハンノウ大学の小野さんが語る、森の未来|埼玉県飯能市

2023.9.6 | Author: 池田アユリ
「日本の森林、林業を次世代につなげたい…」埼玉ハンノウ大学の小野さんが語る、森の未来|埼玉県飯能市

毎週日曜11時から13時まで、全国のコミュニティFM(一部地域を除く)を結んで放送している地域SDGs情報バラエティ『ロコラバ』。今回は2023年8月20日放送の『地域人』のコーナーから、埼玉県での森林の利活用を生み出す取り組みを紹介します。

 

都心から電車で約50分、清流が美しい飯能河原や、気軽にハイキングが楽しめる天覧山、近年では「ムーミンバレーパーク」が開園し、観光地としても話題を集める埼玉県飯能市。市の75%を森林が占めていることから『森林文化都市』を宣言しています。

 

NPO法人 埼玉ハンノウ大学では、さまざまな視点で森林の利活用を生み出すことを目的とした『はんのう森林みらい塾』を10月に開講。貴重な地域資源である森林と人との絆を深め、未来に美しい自然を継承していくことを目指しています。

 

今回は、埼玉ハンノウ大学・学長の小野まりさんにお話を伺いました。

イギリスと飯能市の二拠点生活

――小野さんは東京都渋谷区出身です。1991年に飯能市へ引っ越して、移住後も銀座にあるリクルートの本社に通い、雑誌編集の仕事をしていたそうです。2002年、画家の夫と息子とともに、イギリスのコッツウォルズに移住。NPO法人 ナショナル・トラストサポートセンターを主催し、イギリス事務局長を務めました。イギリス最大の環境保護団体であるナショナル・トラストに関する多数の著書や講演をこなしながら、日本とイギリスの2拠点生活に。2018年に介護のため飯能市に戻り、翌年にNPO法人 埼玉ハンノウ大学を設立しました。小野さん、コッツウォルズとはどんな地域なのでしょう?

イギリスのコッツウォルズは、ロンドンから車や電車で2時間くらいのところにあります。丘陵地帯で、人間より羊の方が多い地域です。

――飯能市と雰囲気が近いのでしょうか。

そうですね。渡英前はそんなふうには思っていなかったんですけれど、 20年近くコッツウォルズと飯能を行き来するたびに、「どちらも都心から近く、かつ自然があるエリアだなぁ」と感じるようになりました。コッツウォルズは、600年前の風景がそのまま残っているエリアです。飯能も昔のままの姿をとどめていて、稀な地域だなと思います。

――もともとは都会のど真ん中でお仕事をされていたそうですが、なぜ飯能へ移住したのでしょう。

当時、アウトドアが流行り始めていて、「暮らすならば、自然に近いところがいいな」と思っていました。ある時、練馬区出身の夫から「子どものころ、飯能に遠足で遊びに行ったことがある」と聞き、引っ越し先の候補として行ってみたら「いいじゃないか!」と思い、移住しました。

小野まりさん


森林文化に力を入れる「埼玉ハンノウ大学」

―― 埼玉ハンノウ大学の設立に至った経緯を教えていただけますか。

現在、私たちが事務局として使っている旧飯能織物協同組合事務所棟という建物があります。中心市街地にある、築100年の歴史的建造物です。イギリスから帰ってくるたびに、「あぁ、残っててよかった」と思うほど素敵な建物でした。

イギリスでの私の活動の拠点だったナショナル・トラストは、「自然景観と歴史的建造物を次世代につなげること」を目標にしているチャリティ組織でした。だからこそ、「この棟はこのままにしちゃいけない」という思いが募って。それが埼玉ハンノウ大学を設立するきっかけになりました。

――森林文化にも力を入れているそうですね。

日本の3分の2が森林地帯に関わらず、今は林業が衰退しており、手つかずの状態になっていることが多いんです。安心で安全な国土を守るためにも、「どうやって次の世代に継承していくか?」を模索することが、私たちの役目じゃないかと思います。飯能市は森林地帯が75パーセント以上を占めるエリアです。「この場所の林業を復活させたい」と思い、活動しています。

――地域ブランドの木材「西川材」の使った取り組みも行っていると聞きました。

かつて飯能で採れる木は江戸城にも使われており、「江戸からみて西の川から運ばれてくる木材」という意味から、西川材と呼ばれています。植林から60年ほど経っており、今使わないと花粉が飛び過ぎてしまったり、無駄になってしまったりするんです。

そこで、森林の活用方法を考えるために「はんのう森林プラットホーム」というホームページをつくりました。西川材を中心とした、さまざまなイベントの開催や林業の情報発信をしています。

その中で、森林と林業を学べる「はんのう森林みらい塾」を開講しました。一般の方が「森に関わりたい」「林業に興味がある」といっても、知る方法ってなかなかないですよね。私たちが情報を整理する役割になれたらと思って始めたプラットホームです。皆さんのアイデアをカタチにしていこうと進めています。


「はんのう森林みらい塾」「おやこのキャンパス」で森を学ぼう!

――「はんのう森林みらい塾」は、今年10月からスタートするそうですね。9月24日まで第1期生を募集しているそうですが、応募状況はいかがですか。

おかげさまで集まってきていますが、まだまだ余裕があります。「はんのう森林プラットホーム」で検索していただくと申し込みができるようになっています。

――なかには「ツリーハウスを作ってみたい」という方もいるかもしれませんね。

そうですね。都会から近い飯能で、週末に自分の夢を実現させるのもいいですよね。このような取り組みを続けていくことで、林業へのイメージチェンジが生まれるんじゃないかなと思っています。

――他にはどんな活動をされていますか。

「おやこのキャンパス」という木育授業を行っています。「子どもの時に自然に触れあってほしい」という思いから、親子で森を歩いてもらったり、「リバービーチキャンパス」という魚釣り体験を行ったりなどのイベントを企画しています。ぜひ参加していただけたら嬉しいです!

――小野さん、ありがとうございました!

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文・構成=池田アユリ
編集 = ロコラバ編集部

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