着なくなった衣服を回収!JR中央線コミュニティデザインが取り組む「MAWASU STATION」

2023.9.21 | Author: 池田アユリ
着なくなった衣服を回収!JR中央線コミュニティデザインが取り組む「MAWASU STATION」

毎週日曜11時から13時まで、全国のコミュニティFM(一部地域を除く)を結んで放送している地域SDGs情報バラエティ『ロコラバ』。今回は2023年8月20日放送の『深堀り』のコーナーから、東京都で衣服を再利用や再資源する取り組みを紹介します。

 

2021年に誕生した、JR東日本グループの株式会社 JR中央線コミュニティデザイン。『ここにしかないくらしをつくる』というビジョンを掲げ、中央線沿線を誰もが住み続けたいと思える場所にするためのさまざまな事業を行っています。

 

現在は、衣服の再利用や再資源化に取り組む「MAWASU STATION」プロジェクトの第2弾を実施中。JR中央線とJR南武線の駅改札や商業施設内を拠点とし、着なくなった衣服を回収。企業ユニフォームなどへのリユースや、繊維化して原材料として生まれ変わらせることで、回収した衣服が新しい形で地域に戻る「地域循環型のモデル」を構築しています。

 

今回は、同社の新領域創造本部・地域活性化部・久郷 萌(くごう・めぐみ)さんにお話を伺いました。

洋服の再利用に取り組む「MAWASU STATION」

――久郷さんは八王子市出身です。2021年、株式会社JR中央線コミュニティデザインに入社し、地域の人々の声を聞きながら、時代の変化を見据えて新しい価値を創造、提供することを目指しています。久郷さん、株式会社 JR中央線コミュニティデザインができたきっかけを教えてください。

JR中央ラインモールとJR東京西駅ビル開発の2社が合併し、「中央線沿線の暮らしづくり」を目的として設立された会社です。主にショッピングセンターの運営を始め、駅業務の受託運営や高架下の開発を行っており、既存のサービスや役割にとらわれない取り組みにチャレンジしています。

――現在行われている「MAWASU STATION」について教えてください。

駅や駅ビルで、着なくなった衣類を回収し、再利用や再資源化する循環型の仕組みです。昨年行われた第1弾は、アパレルブランドの企画、販売を行っている株式会社 オールユアーズとJR東日本スタートアップ株式会社、そして弊社の3社で実施しました。

集まった衣服は企業ユニフォームなどに活用したのですが、約5トン、約1万6500枚の回収に繋がりました。今までの駅のイメージを覆す部分があったのかなと感じています。

――相当な量ですね。参加した皆さんからはどんな声がありましたか?

「駅という身近な場所で、気軽に参加できるのはいいね」という声をいただきましたね。


回収したものを繊維に戻して、手ぬぐいやハンカチへ

――現在、第2弾を実施中ということですが、新たに「リユースが難しいものを繊維に戻す」という取り組みをされているそうですね。

そうなんです。「必要とされるようなものに作り替えよう」と、回収したものを原材料として繊維に戻し、手ぬぐいやハンカチに生まれ変わらせました。株式会社オールユアーズのオンラインショップや駅ビルにて販売しています。

――7月にはイベントが開催されたそうですね。

西国分寺駅でイベントを開催しました。これは再生繊維化によって生まれた手ぬぐいに、来場者にペイントを施してもらい、「世界でたった1つのオリジナルの手ぬぐいを作ろう!」というもの。また、再生技術の「ループラス」について学べる展示も行いました。

回収したものを繊維に戻して作った手ぬぐい

――他にはどんなプロジェクトを行っているのでしょう。

セレオ国分寺で「こくベジ」という地域の野菜を販売するプロジェクトがあるのですが、こちらの一員として地域の魅力の発信をしています。また、国立駅の改札にて切符以外の商品を販売する「もののわ」という取り組みも行っていて。生産者の思いを発信し、ワークショップなどの交流の場の創出にも力を入れています。

――ビールフェスタもされたとか。

7月20日からの4日間、武蔵境駅近くの広場にて、中央線沿線の魅力の一つであるクラフトビール文化をもっと活性化させようと、「中央線ビールフェスティバル」を開催したんです。実際に駅員が地域の皆さんと育てたホップで作った「ぽっぽやエール」というビールも販売しました。

――駅員さんがビールを作っているんですか! それはすごい。


食品ロス削減! 無人販売機「 fuubo(フーボ)」

――リスナーからメッセージが届いています。「沿線の地域貢献になればと思い、1回目も今回も衣服を提供しました。また、フードロスの活動として駅の商業施設にボックスを設けて、賞味期限間近の商品を提供しているのを見かけました。これからも沿線に住んでいる住人として活動を応援したいと思います」とのことです。フードロス対策もされているんですね。

はい。昨年から食品ロス削減を目的とした無人販売機「 fuubo(フーボ) 」を東小金駅や西国分寺駅に設置しました。

――駅を中心に、皆さんの暮らしを豊かにしていく活動をされているんですね。最後にリスナーの皆さんにメッセージをお願いします。

「MAWASU STATION」の第2弾は、株式会社オールユアーズ、倉敷紡績株式会社、JR東日本スタートアップ、弊社の4社で実施しています。回収は、9月末までJR武蔵境駅や国立駅、西八王子駅をはじめとした一部駅で実施しています。実際に商品をご覧いただけるショップについては、各セレオやnonowa(ノノワ)で順次展開しています。くわしくは下記掲載されたリンクをご覧ください。

――久郷さん、ありがとうございました!

***

(番組パーソナリティ 横田)
駅は人が集まるところなので、朝急いでいても「とりあえず駅でこれを出そう!」と心がけることができるのがいいなと思いました。これからの利活用が問われますね。

(番組パーソナリティ 川久保)
いわゆる商売をするのとは違った軸のものを、駅がしてくれるのはすごくいいですね。「MAWASU STATION」の回収事業は9月末まで展開中ですので、ぜひ利用してみてくださいね。

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文・構成=池田アユリ
編集 = ロコラバ編集部

 

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