ガチャで村民と出会える「村ガチャ」とは? 仕掛け人の佐藤敦俊さんに聞いた|長野県白馬村

2023.7.19 | Author: 池田アユリ
ガチャで村民と出会える「村ガチャ」とは? 仕掛け人の佐藤敦俊さんに聞いた|長野県白馬村

毎週日曜11時から13時まで、全国のコミュニティFM(一部地域を除く)を結んで放送している地域SDGs情報バラエティ『ロコラバ』。今回は6月25日放送の『地域人』のコーナーから、一風変わった方法で村の魅力を発信する取り組みを紹介します。

 

北アルプスの麓に位置し、雄大な山々を望める長野県白馬村は、登山やウィンタースポーツが楽しめる人気の観光地です。今ここで注目を集めているのが、村のあちこちに設置されている「村ガチャ」。

 

1回500円で回せるそのガチャガチャの中身には、人気料理の無料券や乗馬体験などの特典チケットだけでなく、地元住民との出会いのきっかけを与えてくれる「村民カード」も入っています。「回してつながる旅」をコンセプトに、観光とともに「白馬村の人の魅力」も発信し、話題を呼んでいます。

 

今回は、村ガチャの仕掛け人、ウィンタースポーツ用品会社モンスタークリフ株式会社を経営する佐藤敦俊(さとう・あつとし)さんにお話を伺いました。

村ガチャは、白馬村の移住者から生まれた!

――もともと関東圏に住んでいた佐藤さんは、2014年から白馬村に移住しました。経営しているモンスタークリフ株式会社は、ウィンタースポーツ用品のゴミを出さない世界をミッションとしており、白馬の山を滑るためだけのスノーボード「THE DAY. HAKUBA」を開発しました。そして、白馬村の観光の入口を作る「村ガチャ」の考案や2,400名が参加中の「白馬の今がわかるオープンチャット」を企画、運営されています。村ガチャというアイデアが生まれたのは、どんなきっかけだったんですか。

白馬村は、昔も今も観光業の村なんですね。「観光客にとって思い出に残る旅行ってなんだろう?」って考えた時、 素晴らしい山々がたくさんあるので、 そこに「地域の人」がセットになって思い出せたら、旅の思い出としてもっと心に残るんじゃないかなって思ったことから始めました。

――山や川、スキー場という既存の観光エリアがさらに魅力アップするために、地域の人とタッグを組んでさらに思い出を深めてもらおうと言うことですね。

そうですね。僕自身も過去に思い出に残る旅行って、旅先でパンクした人が助けてくれたことや、ヒッチハイクしたら止まってくれたことだったんですね。こういった一期一会を何度でも起こせるような仕組みを作れないかなって思ったんです。

――たしかに、現地の人と関わった旅行って印象的ですもんね。


約50人の村民カードから生まれる新しい出会い

――村ガチャの具体的な仕組みを教えてください。

カプセルトイに500円を入れて回すとカプセルが出てきます。これを開けると、「これは誰?」と思うような謎の「村民カード」が出てきます。

――謎の村民カード!?

一緒に特典チケットが入っているので、その村民の方に会いに行くと、特典をゲットできるという流れです。

村のあちこちに設置されている「村ガチャ」

――たとえば白馬村の村長さんなど、メジャー級も入っていたりするんですか?

まだ入っていないのですが、この前村長にも提案しましたね。

――具体的にどういった方が入っているんですか?

現在、飲食店の方を中心に約50名の村民にご協力いただいています。地域で生まれ育ったコーヒー屋を営む80歳のおばあちゃん、移住者のケーキ屋さんの方などがいます。

――カプセルトイから出てきた人に会いに行きたくなりますもんね。クエスト感があっておもしろいです。反響はいかがですか?

10カ月ほど運用しているんですが、ありがたいことに今月も300回以上の利用をいただいています。村ガチャを回していただいた観光客は新しいお店を知るきっかけになり、村ガチャに入ってくださっている村民のお店には、新規のお客様が来る形です。

――地元の方が回すのも、新しいお店の開拓になりそうですね。

そうなんです! 白馬にはいろんなお店ができているので、地元の方にも活用していただいています。

――ウィンタースポーツの時期になると外国人のツアーリストも多いですよね。「この日本のゲームはなんだろう?」と、おもしろがって挑戦してくれそうです。

本当におっしゃる通りで、実はいま、英語バージョンのものを考えています。問題は、僕が英語を話せないことですね(笑)


「村ガチャ」は今後も進化していく

――今後はどんなことしてみたいですか?

飲食店を中心に、白馬らしいプライスレスな特典チケットを考えています。たとえば白馬駅の駅長のカードが出たとして、 それを持っていくと、駅長室に入ることができ、コーヒーを入れてもらえます。

佐藤敦俊さん

――もてなしてくれるんですか!(笑)

僕のガチャが出ると、「ホームステイ券」が出ます。

――佐藤さん家に泊まれるんですか。それは狙いたいです!

今考えているのは、白馬村長のガチャが出たら、村長に人生相談ができるとか。

――おお、いいかもしれない。それでは最後に、リスナーの皆さんにメッセージをお願いします。

僕は「観光業の怪しいおじさん」と思われがちですが、本業はスノーボード屋さんでして。ぜひチェックいただけたらうれしいです! 冬のイメージが強い白馬ですが、夏はとても涼しくて過ごしやすいんですよ。ぜひ一度お越しください。

夏の白馬のグリーンシーズン、いいですよね。佐藤さん、今日はどうもありがとうございました!!

***

(番組パーソナリティ 横田)
普段話すことがない町の人に声をかけられるっていうのは、なんだかゲームの「どうぶつの森」の世界観に似ていて、あったかいなと感じましたね。

(番組パーソナリティ 川久保)
町や村をどうやって盛り上げるかっていうのは、「どうしたらいいかなぁ」って、けっこう眉間にしわを寄せて考えちゃうことってあるじゃないですか。けれど、こうやって笑いながら、半分冗談みたいな感じで楽しみながらやっているのってすごくいいなと思います。

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文・構成=池田アユリ
編集 = ロコラバ編集部

 

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