毎週日曜11時から13時まで、全国のコミュニティFM(一部地域を除く)を結んで放送している地域SDGs情報バラエティ『ロコラバ』。今回は3月26日放送の『地域人』のコーナーから、徳島県での町おこしの取り組みをご紹介します。
弥生時代、女王・卑弥呼が治めていたという「邪馬台国」。その所在地については未だ明確な答えは出ていませんが「九州説」「畿内説」が有力とされてきました。
そこへ一石を投じたのが徳島県徳島市。“卑弥呼の墓”と呼ばれる「八倉比売神社(やくらひめじんじゃ)」など数々のパワースポットを有する徳島市は、「邪馬台国 阿波説」を掲げ、四国全体を盛り上げることに奮闘中です。
昨年は「邪馬台国は阿波だった!?」をテーマにしたご当地映画『少女H』も完成。謎多き古代の歴史、そして自然豊かな徳島の風景が広がる青春ファンタジー映画に仕上がりました。
今回は、徳島商工会議所 青年部で「邪馬台国は阿波だった!?」の広報担当として奔走中の「ヤマモトノタケルノミコト」こと、山本高弘(やまもと・たかひろ)さんにお話しを伺います。
「ヤマモトノタケルノミコト」こと、山本高弘(やまもと・たかひろ)さん
――山本高弘さんは、徳島のコミュニティFM局「エフエムびざん」で毎週火曜日、番組「邪馬台国は阿波だった!?」のパーソナリティも担当されています。山本さん、「邪馬台国は阿波だった!?」をキャッチコピーにした町おこしの活動についてお聞かせください。
邪馬台国の所在地は九州説や畿内説と、300年経った今もなお決着がついていません。けれど、阿波踊りで有名な徳島県には「魏志倭人伝」や「古事記」などに、「読めば読むほど阿波説が当てはまるのではないか?」という文献が数多く残されているんです。
たとえば、「延喜式神名帳(927年にまとめられた全国の神社一覧)」にも、 阿波は「古事記」の舞台となる伝承の神社がたくさん書かれてあります。それを知って「もっと声を大にして発信していこう」と思いました。私は歴史家ではありませんが、町を盛り上げるために勉強しながら活動しています。
――「卑弥呼フェス」というイベントも、開催されているそうですね。
そう名付けるのも頷ける理由があります。天皇陛下が変わる際に行われる儀式「大嘗祭(だいじょうさい)」の最重要供物のひとつに、徳島県の阿波忌部(いんべ)家の一族が作る「麁服(あらたえ)」という麻の織物があります。大昔から供える品として知られ、現在は宮内庁から依頼を受けてお届けしています。脈々と続く歴史があり、天皇即位の際に最も重宝される供物を作るのが、阿波。そこで、メンバーと一緒にイベントのネーミングを考え、「『卑弥呼フェス』でいこう!」となりました。
――徳島商工会議所 青年部が制作した、邪馬台国の阿波説を女子高生たちが検証する映画『少女H』。拝見して「邪馬台国は阿波にあったのかも」と思えましたし、青春映画としても完成度の高い作品でした。撮影は大変でしたか?
コロナ期間中の映画撮影だったので、短期間で行ったんです。6月は県をまたぐ往来が可能になり、東京都と徳島県でオーディションの募集をかけました。最終的に徳島県在住の学生3名が選ばれました。
――2022年12月、東京都目黒区でも上映されました。反響はいかがでしたか?
東京の目黒でも、たくさんの方に喜んでいただけました。「(阿波説に対して)そうだったのかもな」と思ってくださる方も増えましたね。
――映画では、卑弥呼にゆかりがあると思しきスポットがたくさん出てきました。卑弥呼のお墓ではないかといわれる「八倉比売神社(やくらひめじんじゃ)」。こちらはどんな神社ですか?
とても歴史のある神社です。もともとは神社の位でいう「正一位」という、最高位でした。ある時期には五位に落とされていましたが、しばらくして正一位に戻されたという経緯があります。国府町矢野にある、山の裾野にある神社です。この神社の周りだけでも古墳が200基ほどあるんですよ。
――そんなに!?
私は勝手に「徳島の王家の谷」と呼んでおります(笑)。
――宮崎県には有名な神話が伝わる「天岩戸神社(あまのいわとじんじゃ)」がありますよね。太陽の神・アマテラスオオミカミが何もかも嫌になって洞窟に隠れてしまったところを、他の神々が宴会を設けて連れ出した、というもの。徳島県と宮崎県は海を挟んで近い場所にありますし、邪馬台国の阿波説は信憑性がありますね。
映画の最後のシーンで「アマノウズキ」が踊るシーンがありますが、実は「天岩戸伝説」になぞらえて、名前を少し変えて演出しました。映画では「天岩戸伝説」は徳島県だったというふうにしています。
米津玄師&鳴門海峡&徳島ラーメン!
――昨年末、徳島県出身の米津玄師さんが紅白歌合戦を地元の「大塚国際美術館」で歌いました。周りの反響はありましたか?
私の子どもは京都に住んでいるのですが、1月に友達を連れて帰ってきたので、「四国観光で行きたいとこ行こうか?」と聞いたら、井の一番に「 大塚国際美術館!」と言っていました(笑)。町に「米津さんが歌った」という案内看板もあって、多くの方から人気のスポットです。
――徳島県ではずせないのは「鳴門海峡」! 有名ですね。
鳴戸の渦潮は、船で渦を見られる観光スポットになります。外国人の観光客も多いです。
――グルメだと、「半田そうめん」というのがありますね。
半田そうめんは、歯ごたえがあるそうめんです。そのほかでは「徳島ラーメン」も人気ですよ。
――「徳島ラーメン」は、どんな特徴がありますか。
醤油とんこつで、ちょっと濃い目の味なんです。スープに生卵を落として、マイルドにして食べるのが特徴的です。私が太ったのは、徳島ラーメンを食べすぎたからです!(笑)
――あはは(笑)! 最後に、リスナーにメッセージをお願いします。
地元を発信するために『少女H』という映画を作らせていただきました。徳島商工会議所 青年部のホームページにYouTubeのリンクを貼っておきますので、ご興味のある方はご覧いただけると嬉しいです。皆さん、徳島にぜひ遊びに来てください!
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(番組パーソナリティ 川久保さんコメント)
最初は「え、阿波説?」と思っていましたが、映画やお話を聞いて、「さもありなん……」と傾いてきました(笑)。
(番組パーソナリティ 横田さんコメント)
徳島県はパワースポットがすごく多いですし、おいしいものもたくさんありますので、ぜひ行きたいです!
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文・構成 = 池田アユリ
編集 = ロコラバ編集部