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CLASSIC GARDEN紹介

有名なあの曲も、隠れた名曲も

 初めて聞いたクラシック音楽は、なんでしょうか。小学校の音楽の授業で聞いたホルストの「ジュピター」でしょうか。それとも下校時間に流れていたグリーグの「ペール・ギュント」?
 では、最近聞いたクラシックはどんな曲でしょうか。テレビCMで使われていたあの曲?それとも話題のピアニストが弾いた曲でしょうか。

 「クラシック音楽」は、文字通り、長い間受け継がれている音楽。小さな頃に聞いた「ジュピター」を大人になって聞いてみたら、きっと違う印象を持つことでしょう。また演奏家によって、奏でる楽器の音色によって、いままでと感じ方が変わってくるかもしれません。

 『CLASSIC GARDEN』では、そんなクラシックとしてスタンダードな名曲や、映画やテレビドラマなどで親しまれている作品はもちろん、知られざる名曲も含めて、古典から現代音楽までをテリトリーに世界中からピックアップ、器楽曲、室内楽曲を中心に、優雅で心地よい音楽の流れを作り出します。


◆どこかで耳にしているスタンダード曲を基調にして
・CD『佐藤卓史「ラ・カンパネラ」~珠玉のピアノ小品集』
 「ブラームス:間奏曲 イ長調 作品118-2」演奏/佐藤卓史
・CD『フランス近代 フルート作品集』
 「ドビュッシー:シリンクス」演奏/ジャン=ピエール・ランパル
・「ベートーヴェン:「ピアノと管楽のための五重奏曲」より第2楽章アンダンテ・カンタービレ」





メロディに乗って季節が運ばれてくる庭



 「四季おりおりの花が香る庭」を基調イメージとして選曲する『CLASSIC GARDEN』は、今の季節に気持ちいいと感じるような楽器編成に考慮しながら構成しています。

 一例を挙げれば、春先の風を感じさせる軽やかなフルートやハープ、夏の開放的な、時にアンニュイな空気を漂わせるギターの響き、秋を想起させるチェロの深い音色、ぬくもりを感じる冬のオルガン曲等々といった要素をほんの少し織り込むことで、その季節ならではの「空気感」を演出していきます。
 さらに季節にちなんだ標題音楽、たとえば夏であれば、心地よい水の流れを表現した器楽曲などを差し色として加えることで、ひとときの涼音をお届けします。

 『CLASSIC GARDEN』を聞いて、季節のうつろいを感じていただけたら嬉しいです。

 ◆ジャン・フランチェスコ・マリピエロ(1882年~1973年)は、イタリア生まれの作曲家・音楽学者で、ヴィヴァルディ等の校訂者としても有名です。フランス印象主義の音楽、特にドビュッシーに影響を受けていて、この「秋の前奏曲」も、透明感あふれるメロディが美しい。  
・CD『マリピエロ ピアノ曲集』より「秋の前奏曲」 演奏/リム・リラ(ピアノ)

一工夫した選曲で、より豊かな音の流れを

 歌曲や管弦楽曲からは、美しいメロディラインそのままに他の器楽曲にアレンジした作品を取り入れ、また難題と思われがちな現代音楽のジャンルからも国内外問わず、美しく親しみやすい内容の作品を選び出しています。そうした曲も加えることで、より深みのある、豊かな色合いの音の流れをお届けできると考えています。歌曲は綺麗だけどちょっと苦手という方や、現代音楽って難しいんじゃないの?と思っている方も、新しい魅力の発見につながるかもしれません。
 さらにクリスマスや子供の日のようなスペシャルデーには、全体の構成バランスを考えながら関連する曲をトッピング、楽しんでいただける選曲を心掛けています。

 

高純度な作品による”音の連なり”を感じて

 このチャンネルでお届けする楽曲のひとつひとつは、作曲家が心をこめて創り上げた芸術作品です。楽章に分かれた大曲や組曲など、作曲家の深い意図があって構成された作品なども分解、独立した曲として位置づけ、音の連なり=ストリームの構成要素として選曲していきます。純度の高い作品だけが持つ、多面的で奥行のある美しさを少しでも伝えていくことができればと思っています。
 また、時間軸を越えた作曲家同志の作品を自由に組み合わせることによって、新たな魅力を味わうことができるのは、現代ならではの楽しみではないでしょうか。

 「この曲って、こんなにきれいだったかな?」・・・・『CLASSIC GARDEN』という音楽の庭を散歩しながら、そんな風に感じていただけたら幸いです。
 このチャンネルを聞いてくださる方々と、この庭に登場してくれた古今東西のすべての作曲家に、心からの感謝をこめて。

 ◆日本の現代作曲家から選曲
・CD『ロンド 珠玉のヴァイオリン曲集』より 新垣隆 作曲「ロンド」
 演奏/礒 絵里子(ヴァイオリン) 新垣 隆(ピアノ)


選曲者:横内陽子(よこうち ようこ)

 サウンドデザイナー。衛星デジタル音楽放送セントギガ編成部ディレクター、WINJ局(旧セントギガ)制作編成部長を経て、現在は、サウンドデザイナーとしてサウンドスケープ(音の風景)に基づいた番組企画、制作を行う。主な公共空間のサウンドデザインは、東京都現代美術館、福岡アジア美術館の企画展など。また、ラジオ、テレビドラマやDVDの選曲、作曲、音響効果や、舞踏グループ「山海塾」、資生堂イベント等、舞台の音演出も手懸ける。他に朝日新聞にて、日本各地のサウンドスケープを訪ねる旅エッセイを連載。2008年よりMUSIC BIRD「CLASSIC GARDEN」チャンネルを担当。日本サウンドスケープ協会会員。

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