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エターナル・クラシック
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永遠に残る名曲と名演を、音楽評論家・東条碩夫さんのご案内でお届けします。
10月/最近の新譜から
今月は、季刊雑誌「ステレオサウンド」の秋号(9月に発売)連載コラムに推薦した新譜を実際の音でご紹介しましょう。まずはストラヴィンスキーの「春の祭典」。これを、今欧州楽壇を席巻中の指揮者クラウス・マケラ(1966年フィンランド生まれ)がパリ管弦楽団を指揮した最新録音と、巨匠リッカルド・ムーティが1978年にフィラデルフィア管弦楽団と録音したリマスタリング盤とを聴き比べます。前者の流麗な演奏、後者の轟くような重厚な豪演。どちらがお好みに合うでしょうか。
個性派指揮者フランソワ=グザヴィエ・ロトの指揮では、R・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」が、後期ロマン派的な壮大なアプローチではなく、近代的な微細なニュアンスを駆使した演奏という点にご注目。その他、マルティン・フレスト指揮のモーツァルト「ジュピター交響曲」の微に入り際にわたる音づくり、不滅の名演たるフルトヴェングラーの夢幻的なシューベルトの交響曲「ザ・グレイト」の38cmオープン・リールからのマスタリングも。(東条碩夫)[10月1日放送 再=8日・15日・22日・29日]
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かつて、わが国に本場イタリア・オペラの波が奔流の如く押し寄せて来はじめた頃、当時のオペラ・ファンは、イタリア・オペラ団のナマ公演に熱狂し、LPレコードで発売されはじめた名歌手たちの輝かしい声に酔ったものでした。すべてが新鮮に感じられたあの頃は、オペラも、歌手たちも、日本の観客も熱く燃えていたのです。
しかしやはり、あの頃のイタリア・オペラの歌手たちは、みんな巨匠的な風格を備えていました。彼ら、彼女らの声をいま聴いてみても、その歌唱は実に大きなスケール感を漂わせているのではないでしょうか。その例を、今回は実証してみましょう。黄金のトランペットと言われた大テノールのマリオ・デル・モナコ、高貴な歌姫レナータ・テバルディ、「オペラの団十郎」とあだ名された最高の悪役ティト・ゴッビ、不世出のオペラ女優マリア・カラス、風格のコミカル・バスのフェルナンド・コレナ。その他、当時の名歌手たちが綺羅星の如く登場します。ロッシーニの「セビリャの理髪師」、ヴェルディの「アイーダ」、プッチーニの「トスカ」など、オペラの名曲に酔って下さい。(東条碩夫)[9月3日放送 再=10日・17日・24日]
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毎年8月から9月にかけ、長野県松本市では、小澤征爾総監督が率いる有名な音楽祭、「セイジ・オザワ松本フェスティバル」(旧称サイトウ・キネン・フェスティバル)が開催されます。第1回の音楽祭が行われたのは1992年のこと。あの時は、松本駅前の広場はフラッグで埋められ、スピーカーからはブラームスの交響曲が流れるという、全市挙げての大イベントの雰囲気でした。当時の小澤征爾さんは、まだ50代の半ば。満身にエネルギーをみなぎらせ、良き仲間たちからなる「サイトウ・キネン・オーケストラ」を率いて、意気天を衝く演奏を繰り広げていたものです。今回は、その頃ライヴ録音された快演・豪演のディスクの中からいくつかを選び、当時をしのんでみましょう。ブラームスの「第1交響曲」、ベートーヴェンの「第7交響曲」、ストラヴィンスキーの「エディプス王」など。この「エディプス王」はオペラ・オラトリオですが、白石加代子さんの物凄い(?)ナレーションがつきます。(東条碩夫)[7月30日放送 再=8月6日・13日・20日・27日]
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