THE CLASSIC【Premium】
エターナル・クラシック
翌週以降リピート
永遠に残る名曲と名演を、音楽評論家・東条碩夫さんのご案内でお届けします。
2月/告別の歌(最終回)
お別れの番組は「告別の歌」です。31年半前、「ザ・クラシック」の旧称「クラシック7」チャンネルが始まった時、私の選曲でお送りした最初の曲が、小澤征爾の指揮するバッハの「トッカータとフーガ ニ短調」とベートーヴェンの「第9」でした。その素晴らしい音楽をここでもう一度。そして番組後半は、文字通りお別れの音楽です。「ワルキューレ」の「ヴォータンの告別と魔の炎の音楽」は、大神ヴォータンが愛娘を魔の炎の中に眠らせ、「いつの日か真の英雄がお前を目覚めさせるだろう」と歌う壮大な場面。そして、マーラーの交響曲「復活」の大詰めのクライマックスでは、轟々と高鳴るオーケストラに載って合唱が「われは死ぬ。だが、それは甦るため。そうだ、復活するだろう。お前はいつか蘇るだろう」という詩を歌います。そう、いつの日か、このクラシック音楽専門の放送の復活を信じて。さようなら。(東条碩夫)[2月4日放送 再=11日・18日・25日]
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※オンエア曲リストは放送後2週間を経過すると削除されます。ご了承ください。
★「エターナル・クラシック」は2月4日(再=11日・18日・25日)の放送をもって終了となります。これまでご愛聴いただきありがとうございました。
モーツァルトがヘタクソな音楽家を揶揄した「音楽の冗談」はスタンダードな名曲ですが、その他はふだんクラシック音楽番組ではやらないようなものを集めてみました。まず1960年代に人気のあった「PDQバッハ」のレコードから、ベートーヴェンの「第5交響曲」第1楽章の演奏をスポーツに見立てた奇想天外な「運命の実況中継」。興奮状態のアナウンサーが解説者と「ホルン奏者は今シーズン3度目のミス、次シーズンの契約は難しいでしょう」とか、カデンツァの個所で「オーボエ奏者が勝手に延々と吹いています、チームプレイを無視した行動です」などと絶叫するあたり、抱腹絶倒です。そして次に伝説のアーサー・フィードラー指揮ボストン・ポップスの、1960年代の珍しいライヴ。お客さんが一緒に歌う懐メロは「良きアメリカ」を思わせます。この2つは、LPレコードを使ってお送りします。そして最後に、山本直純とN響のライヴを組み合わせました。山本直純がブリテンの「青少年のための管弦楽入門」をネタに「直純の管弦楽入門」を披露。その話術の面白さはさすがでした。(東条碩夫)[1月7日放送 再=14日・21日・28日]
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久しぶりに「日本のオーケストラ」のプログラムを組むことにしました。冒頭に、先頃惜しくも他界されましたわが国の巨匠、飯守泰次郎氏を追悼する意味で、東京シティ・フィルを指揮したベートーヴェンの第5交響曲「運命」を聴きます。実に堂々たる演奏です。
以下は最新録音で、来日中止にはなりましたがローター・ツァグロゼクの読響を指揮した味のある演奏、ブルックナーの第7交響曲。それに、新聞などでも盛んに称賛されている最高齢の指揮者・村山千秋氏が山形響を振った録音で、得意のシベリウス作品集。これほど情感のこもった演奏は、近来稀です。そして、絶好調のジョナサン・ノットと東京響によるショスタコーヴィチの第4交響曲━━この演奏の凄味は、日本のオケではめったに聴けない類のものでしょう。必聴盤です。(東条碩夫)[12月3日放送 再=10日・17日・24日・31日]
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