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Mood Swing


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 ゴージャスな大都会の夜をあなたに。選曲は「Jazz In Applause」でおなじみのジャズ・プロデューサー小針俊郎。[トークなし]



”大都会の夜”をイメージさせるゴージャスなジャズを

 1940年代末、音楽の世界に長時間録音が可能なLPが出現した。50年代に入ってLPが普及するとともに生まれたのが「ムード・ミュージック」と言われるジャンルである。

 10吋盤でも両面で8曲25分程度、12吋盤では両面12曲45分ほどの音源が収録できるLPは、クラシックやジャズに向いていたが、ポピュラー系統の音楽では、LP一枚分を一定のムードで統一した選曲、アレンジを用いた「コンセプト・アルバム」が話題となる。企画に工夫を凝らしたこれらのアルバムは、聴き手を数十分間といえども夢の世界へと誘ったのである。雑多な曲の寄せ集めではない「コンセプト・アルバム」は特に熟練の歌手たちによって名盤が作られたが、この手法をインストルメンタルで行ったのが「ムード・ミュージック」の始まりである。

 時に50年代はジャズの素養を積んだアレンジャーの全盛時代。彼らはフランク・シナトラやナット・キング・コール、ドリス・デイ等の「コンセプト・アルバム」に手腕を振るったが、同時にジャジーなセンスを活かしながら、ストリングス主体の柔らかなサウンドを創造した。そこに選ばれる曲は上質なスタンダード・ソングであり、ストリングスをバックとした独奏者にはボビー・ハケット、ジョニー・ホッジス等の手練れのジャズ・ミュージシャンが起用されることもあった。このため都会的なセンスが横溢するゴージャスな音の空間が生まれ、人々は家庭やパーティの場でこれらの演奏に酔ったのである。

 ポール・ウェストン、フランク・デヴォール、アクセル・ストーダール、ゴードン・ジェンキンズ、ネルソン・リドル、ジャッキー・グリースン等がその代表的な音楽家である。

 番組ではこれらの弦楽中心のオーケストラ・サウンドを主体に、そこに洗練されたジャズのバラード演奏、スウィートなヴォーカルをちりばめ、深夜から未明の時間帯にドゥリーミーなひと時をお届けする。選曲は厳選されているので、間違ってもポール・モーリア等は流れないのでご安心いただきたい。オールド・ファンは番組開始当初の「ジェット・ストリーム」を想起されるはずである。(小針)


選曲監修・小針俊郎(こばり・としお)

ジャズ・プロデューサー。1948年横浜生まれ。中学生時代からジャズを聴き始めて50年になる。FM東京在職中は番組プロデューサーとして「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」をはじめとする数多くのジャズ番組の制作を手がける。現在はジャズ専門のCDレーベルの経営に関わる一方、「ジャズ批評」などジャズ専門誌でジャズ・ジャーナリストとしても活躍中。24JazzJapan

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