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金子建志の新スペシャル・セレクション


(月~木)14:00~18:00 
再放送=(土)8:00~24:00 
金子建志の新スペシャル・セレクション
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音楽評論家、金子建志氏を迎えて装い新たにスタート!豊富な知識と深い解釈で、楽曲の真髄を読み解きます。

<週16時間!クラシック大型プログラム>
10月~28日/秋のショパン
11月1日~4日・8日~11日/劇的作曲家ベルリオーズ
11月15日~18日・22日~25日/郷愁のドヴォルザーク


●第1週は「秋のショパン」として先ず4曲の「バラード」を、リヒテル、ペライア、ツィマーマン、ユンディ・リ、グルダと、タイプの違うピアニストで。若い頃のグルダを探していたら、ピアノ協奏曲〈1番〉を「バラキレフ版」で弾いているのを発見。オーケストレーションがかなり違う上、指揮がボールトというのも驚きです。「練習曲集」作品10・25は、ヴィルサラーゼとコルトー、ペライアとフランソワを比較。2015年のショパン・コンクール優勝者チョ・ソンジンの「バラード」、超快速の「スケルツォ」は聴き物です。「ポロネーズ」全7曲はフランソアで、幾つかはホロヴィッツでも。「夜想曲」はポリーニとピリス。ここでもアンコール的にホロヴィッツを数曲。

●第2週と3週は「劇的作曲家ベルリオーズ」。先ず〈幻想〉を古楽器オケの挑戦という観点から。メトロノームを重視したノリントン=ロンドン・クラシカル・プレイヤーズを、動きの激しいパレー(モダン・オケ)と対比。第2波・第3波となるミンコフスキ=レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルやロト=レ・シェクルになると複数のハープによるステレオ効果や、木管のグッリッサンドの“宙返り降り”が新たな刺激に。
 マリー・アントワネットが好んだことから起ったパリの“ハープ・ブーム”が、モーツァルトの《フルートとハープの協奏曲》を生み、やがて〈幻想〉のⅡ楽章や、ウェーバーの〈舞踏への勧誘〉のオーケストレーションに繋がった歴史を説明。超巨大編成は〈テ・デウム〉と、カテドラルの東西南北に配置したバンダに10人近いティンパニストを動員した〈レクィエム〉。初演された廃兵院に行った体験も交え、数百人を動員して初演の立体音響を再現した盤も紹介します。同じ系列の〈葬送と勝利の大交響曲〉〈皇帝ナポレオンの死についての歌〉や、ナポレオンⅢ世に献呈した〈皇帝賛歌〉、更には〈ラ・マルセイエーズ〉のベルリオーズ編曲版をドミンゴとシカゴ響で。独自の劇場音楽〈ファウストの劫罰〉や〈ロメオとジュリエット〉、異形のヴィオラ協奏曲となった交響曲〈イタリアのハロルド〉も取り上げます。
 〈幻想〉は、演奏面から更に徹底検証。“ミスター〈幻想〉”とも評すべきミュンシュは、数種のライヴを比較。ハンガリーでの客演では鐘の低音に拘り、パリ管弦楽団の発足ライヴでは、狂気のような追い込みで最短記録を更新しています。クレンペラー、チェリビダッケ、クーベリックのライヴは、それぞれ拘るポイントが違うのが面白いところ 二部作としての後半〈レリオ〉は、語りやカーテンによるブランインドまで再現したムーティ=シカゴ響で。

●第4週と5週は、9月に特集した「郷愁のドヴォルザーク」の続編。
 交響曲は、先ず〈7番〉〈8番〉〈9番〉をメインに、エリシュカ、シルヴェストリ、マッケラスで。〈7番〉は第4楽章コーダのオーケストレーションの変更を、〈新世界〉は管だけがフェルマータでディミヌエンドしてゆく最終音を比較。無限大的に延ばすアバドやジュリーニに対して、ドヴォルザークの意図に反して寸断してしまうスヴェトラノフの力業には唖然。〈新世界〉のイデー・フィクスと、映画「インディ・ジョーンズ」の〈レイダーズ・マーチ〉を、メシアン的な“不可逆行リズム”の観点から論じます。
 チェロ協奏曲は、ロストロポーヴィチ、ピアティゴルスキー、シュタルケル、デュ・プレで。更に、胸に秘めた若い頃の失恋を、歌曲〈ひとりにさせて〉とⅡ楽章中間部の悲劇的エピソードの関係から徹底的に掘り下げたヤン・フォーグラーを取り上げます。
 宗教音楽の傑作〈スターバト・マーテル〉は、巨匠的な熟成が期待される70代に入ったところで病に倒れたビエロフラーヴェクを、遺作的に残した録音で忍びます。更に交響曲〈5・6・8・9番〉や〈スラヴ舞曲〉全曲も。演奏機会の少ない交響詩〈金の紡ぎ車〉〈野鳩〉〈真昼の魔女〉〈水の精〉は、原作の詩の怖い内容とドヴォルザークの描写を論じ、ラトル=ベルリン・フィルで聴きます。(金子建志)

THE CLASSIC オンエア曲リスト
金子建志

出演:金子建志

1966年4月、東京藝術大学音楽学部楽理科入学。在学中、音楽理論を柴田南雄に師事し、指揮法を渡邉曉雄に師事。1970年3月、同大卒業。この後、指揮法を齋藤秀雄、高階正光に師事。1985年、千葉フィルハーモニー管弦楽団結成。同楽団の常任指揮者として活動する他、市川交響楽団やカメラータ・ユピテル(現在の世田谷交響楽団)、19世紀オーケストラ、アンサンブル花火などの指揮者としてアマチュアオーケストラ活動にも関与。『音楽現代』『レコード芸術』『朝日新聞』の新譜月評を担当。日本レコード・アカデミー賞、審査委員長。NHK-FMでも音楽番組の解説を担当した。武蔵野音楽大学、東京理科大学講師。

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<週16時間!クラシック大型プログラム>
9月27~30日・10月4~7日・11~14日・18~21日/イギリス音楽の魅力①~④
今月は「イギリス音楽の魅力」として、エルガー、ホルスト、ヴォーン=ウィリアムズ、ブリテン、ウォルトン、ディーリアス等をお聴き頂きます。

●英国に初めて交響曲での成功をもたらしたエルガーは、人気も高く録音も多いので、2週に分けました。1週目で注目すべきは初日の自作自演。マーラーより3年前の1857年に生れたエルガーは長命だったので、多くの録音を残しています。2曲の交響曲、〈エニグマ変奏曲〉、〈威風堂々〉全曲など、速目のテンポで纏めているのが特徴。2日目はバルビローリ、3日目はボールト。実演や録音に立ち会った彼等は「エルガーはSPの収録時間に詰め込むために、速いテンポを採った」と証言。そのせいもあって、主題をゆったりと歌わせ、重厚壮大な解釈になっています。4日目は「秘曲と補筆完成版」。未完に終わった交響曲〈3番〉や、愛犬に捧げた小品などが登場します。
 2週目はより現代に近い指揮者の録音。イギリス人ではノリントン。古楽器オケの奏法を採り入れた硬質な響きと速目のテンポは、エルガーの自演に近く、アンドリュー・ディヴィスは楽器を厚塗りするオーケストレーションの色彩や重量感が、そのまま出ています。 協奏曲の名曲、チェロとヴァイオリンの2曲は、デュプレやハーンで。

●ホルストは飛び抜けて人気の高い〈惑星〉を中心にし、9曲の交響曲を作曲したヴォーン=ウィリアムズと組合わせました。〈惑星〉はデュトワ、レヴァインなど。録音に拘り、オーケストラを色彩的に鳴らす指揮者の元祖ストコフスキーは、海王星の最後、消えてゆく女声合唱で、独自の工夫をしています。一時、話題となったコリン・マシューズ作曲の「冥王星」を採り入れた録音は、ラトルで。シンセサイザーによる富田勲は、小惑星イトカワを追加した盤を。映画音楽に与えた影響という観点から、ジョン・ウィリアムズの「スター・ウオーズ」「未知と遭遇」を若きメータの指揮で。
 いかにも交響曲作曲家らしく1曲ずつ違うタイプの曲を書こうとしたヴォーン=ウィリアムズは、4回に分けました。オラトリオ的な〈1番・海の交響曲〉と、映画「南極のスコット」の音楽をまとめた〈7番・南極交響曲〉、二つの大戦を背景にした〈4番〉、〈6番〉、〈8番〉は、それぞれ切り口が全く違います。映画「アラビアのロレンス」のサウンド・トラックを指揮したボールトの、格調の高い指揮ぶりにも注目。

●ベートーヴェン的な交響曲を1曲だけ残したウォルトンは、ヴォーン=ウィリアムズと正反対で辛口。それでも〈クラウン・インペリアル〉では〈威風堂々〉を継承し「大英帝国」を誇らし気に。
 ブリテンの〈青少年のための管弦楽入門〉は、主題となったパーセルの原曲と、〈春の交響曲〉は、ディーリアスの〈春、初めてのカッコウを聴いて〉と比較します。(金子建志)

THE CLASSIC オンエア曲リスト


金子建志

出演:金子建志

1966年4月、東京藝術大学音楽学部楽理科入学。在学中、音楽理論を柴田南雄に師事し、指揮法を渡邉曉雄に師事。1970年3月、同大卒業。この後、指揮法を齋藤秀雄、高階正光に師事。1985年、千葉フィルハーモニー管弦楽団結成。同楽団の常任指揮者として活動する他、市川交響楽団やカメラータ・ユピテル(現在の世田谷交響楽団)、19世紀オーケストラ、アンサンブル花火などの指揮者としてアマチュアオーケストラ活動にも関与。『音楽現代』『レコード芸術』『朝日新聞』の新譜月評を担当。日本レコード・アカデミー賞、審査委員長。NHK-FMでも音楽番組の解説を担当した。武蔵野音楽大学、東京理科大学講師。

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<週16時間!クラシック大型プログラム>
9月20日~23日/交響曲で聴くブラームス
 4週目はブラームスの4曲の交響曲を中心に。 
●1日目はケンペ=ベルリン・フィルのスタジオ録音(1955~59年)。〈1番〉を最近CD化されたバイエルン放響との1960年のライヴと聴き較べると、正統派の原典主義をまもりながら、実演だと緩急自在の激しい棒を振っていたことが解ります。第4楽章の序奏部のピチカートと、展開部の267小節~のホルンを、カラヤンと比較します。
●2日目はノリントン=ロンドン・クラシカル・プレイヤーズによる古楽器オケ。〈1番〉の冒頭の速いこと! ブラームスがベートーヴェンの〈運命〉の頃の楽器をイメージしてスコアを書いたことが、第4楽章の267小節のホルンからも、よく解ります。〈ハイドンの主題による変奏曲〉は木管に古楽器らしさが。ノリントンはシュトゥットガルト放響とも録音しているので、モダン・オケの擬態も検証してみます。
●3日目はアーノンクール=ベルリン・フィル。〈1番〉の第4楽章の267小節のホルンはカラヤンと同じ編曲を採用。ウィーン響のチェリストだっただけに、モダンオケの奏法を知り尽くしたうえで、ピリオドのノウハウも活かしています。〈4番〉の第1楽章の第2主題は、弦のスラーに拘ったため、タンゴのよう。〈悲劇的序曲〉〈ハイドンの主題による変奏曲〉〈大学祝典序曲〉はオーソドッ
クス。
●4日目はシャイーによる異稿や秘曲を。〈1番〉の第2楽章は、構成が少し違う初演稿。〈4番〉の第1楽章は、最初に和音から入る序奏付きで。〈間奏曲〉作品116-4と作品117-1を、グールドのピアノ原曲とクレンゲル編のオーケストラ版で聴き較べます。声楽4人とピアノ2人という特殊な編成が故に演奏機会に恵まれないワルツ集〈愛の歌〉は、ブラームス自身によるオーケストラ編曲版で。作品52-5の「緑のホップのつるが」では、ピアノ協奏曲第2番の第4楽章第2主題に似た旋律も聴くことができます。

8月30日~9月2日、6日~9日/郷愁のドヴォルザーク①②
 今月の第1・2週は「郷愁のドヴォルザーク」として、交響曲〈7番〉〈8番〉〈新世界〉をメインに、他の名曲を絡めて掘り下げていきます。
●1日目はクーベリックとバイエルン放響による3大交響曲と管楽・弦楽セレナードがメイン。塩川悠子とのヴァイオリン協奏曲も。
●2日目はライナー=シカゴ響の〈新世界〉。ドヴォルザークがSL好きだったことから、よく言及されのが第4楽章の冒頭。そうした視点で、映画「ジョーズ」更にはSLに関係した曲を集めた「鉄オタ・クラシック」を。次に〈スラヴ舞曲〉作品46・72全曲をノイマン=チェコ・フィルで。〈新世界〉に戻り、チューバのピンポイント的な使用と、5音音階的主題と、弦楽四重奏〈アメリカ〉の関係を。
●3日目はチェロ協奏曲史上、最も人気の高いロ短調をシュタルケルで。次に初期の手稿を補筆完成したイ長調をサードロで。3人の子供を相次いで亡くした悲劇が投影されている大曲〈スターバト・マーテル〉をトゥルノフスキー=群響で。この日の〈新世界〉は第3楽章のダ・カーポに新たな提案をしたウルバンスキ盤。
●4日目は、主題が共通する序曲〈フス教徒〉と スメタナの大作〈我が祖国〉。室内楽の名作ピアノ5重奏曲第2番を。2週目も3大交響曲をメインに進めますが、指揮者の傾向が表れ易い〈7番〉の第4楽章コーダを定点観測的に比較します。

●5日目の3大交響曲はセル=クリーヴランド管。〈7番〉のコーダは、主題をトランペットで吹かせる編曲を採用しています。チェロ協奏曲は巨匠フルニエ、ヴァイオリン協奏曲は、デビュー時の五嶋みどりで。
●6日目は〈7番〉バーンスタイン、〈8番〉カラヤン、〈新世界〉トスカニーニ。スラヴ舞曲全曲をプレヴィン、〈アメリカ〉をエネスコ四重奏団で。
●7日目の3大交響曲はアーノンクール=R.コンセルトヘボウ。このコンビは交響詩〈真昼の魔女〉〈野鳩〉〈水の精〉(いずれも怖い話)にも挑戦しています。交響曲〈6番〉と〈3番〉をチョン・ミュンフンで。
●8日目の3大交響曲は、ボエミアの本家たるノイマン=チェコ・フィル。隠れた力作〈交響的変奏曲〉と〈7番〉の第4楽章の関係を掘り下げてみます。〈弦楽セレナード〉の管・ピアノ入りの8重奏版という珍しい録音を最後に。

9月13日~16日/初演の周辺
 3週目は「初演の周辺」として、ベートーヴェンの交響曲〈5番〉~〈9番〉を採り上げます。
●1日目は〈田園〉と自然描写がテーマ。昔からカッコウと並んで数多く描かれてきたウズラを、バロックのビーバーと、ベートーヴェンの歌曲「ウズラの鳴き声」やピアノソナタ〈15番・田園〉の第2楽章と比較。ブルックナーの〈ロマンティック〉の第2楽章にも言及。
鳥と並んで、古くから多用されてきた嵐の描写では、ラモーの〈優雅なインドの国々〉〈プラテー〉の嵐と、よりベートーヴェンに時代が近いクネヒトによる〈自然の音楽による描写または大交響曲〉を。
●2日目は、〈田園〉と同日に初演された〈運命〉と〈合唱幻想曲〉。先ず運命主題の原型としてハイドンの〈ネルソン・ミサ〉の《ベネディクトゥス》、〈ドン・ジョヴァンニ〉第2幕の終5景のレポレロの「タタター」、ベートーヴェンの作品からはピアノソナタ〈熱情〉、弦楽四重奏曲〈10番・ハープ〉のⅢ楽章、〈エグモント〉序曲を。〈合唱幻想曲〉は〈第九〉の原点ということで、歌曲「片思いの男の溜め息、および返答の愛」と〈第九〉の「歓喜の主題」の繋がりについて言及します。
●3日目は、〈7番〉〈8番〉と〈ウェリントンの勝利〉。〈7番〉の初演と同じコンサートで披露されたメルツェルの機械式トランペットの可愛いこと。〈ウェリントンの勝利〉はハーゼルベック指揮の古楽器オケで。〈7番〉の影響としてシューベルトの〈6番〉と、弦楽四重奏〈死と乙女〉を。後者はシュタイン編曲の管弦楽版で聴きます。〈7番〉と〈8番〉は原曲に加え、リストによるピアノ編曲版をシプリアン・カツァリスで。
●4日目は、〈第九〉と〈ミサ・ソレムニス〉。同じコンサートで初演された〈献堂式〉序曲から始め、ベートーヴェンに影響を与えたハイドンの〈戦時のミサ〉の「アニュスデイ」と、〈ミサ・ソレムニス〉の「アニュスデイ」を比較。〈ミサ・ソレムニス〉全曲はカラヤン指揮=ウィーン・フィルの1959年ライヴ。締め括りはフルトヴェングラー。大フーガと、音質が良い1954年ルツェルンの〈第九〉を。
(金子建志)

THE CLASSIC オンエア曲リスト
金子建志

出演:金子建志

1966年4月、東京藝術大学音楽学部楽理科入学。在学中、音楽理論を柴田南雄に師事し、指揮法を渡邉曉雄に師事。1970年3月、同大卒業。この後、指揮法を齋藤秀雄、高階正光に師事。1985年、千葉フィルハーモニー管弦楽団結成。同楽団の常任指揮者として活動する他、市川交響楽団やカメラータ・ユピテル(現在の世田谷交響楽団)、19世紀オーケストラ、アンサンブル花火などの指揮者としてアマチュアオーケストラ活動にも関与。『音楽現代』『レコード芸術』『朝日新聞』の新譜月評を担当。日本レコード・アカデミー賞、審査委員長。NHK-FMでも音楽番組の解説を担当した。武蔵野音楽大学、東京理科大学講師。