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金子建志の新スペシャル・セレクション


(月~木)14:00~18:00 
再放送=(土)8:00~24:00 
金子建志の新スペシャル・セレクション
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音楽評論家、金子建志氏を迎えて装い新たにスタート!豊富な知識と深い解釈で、楽曲の真髄を読み解きます。

<週16時間!クラシック大型プログラム>
12月27日~30日/今年亡くなった音楽家~クリスタ・ルートヴィヒ&ミシェル・コルボ
 1週目は、今年亡くなったクリスタ・ルートヴィヒ(Ms)とミシェル・コルボ(指揮)を特集します。コルボは、最も得意としていたフォーレの〈レクィエム〉を2種の版で。モーツァルトの〈レクィエム〉はバイヤー版を使用。バッハは大作〈ミサ曲ロ短調〉。 〈メサイア〉がモーツァルト版というのも貴重。ドイツ語で歌われているだけで、イメージが変わるのも聴きどころ。彼が育てたローザンヌ声楽・器楽アンサンブルの清冽なハーモニーは貴重な遺産です。クリスタ・ルートヴィヒは20世紀を代表するメゾだけに共演した指揮者も大物ばかり。カラヤンとの〈ばらの騎士〉は、シュワルツコップの元帥夫人とオクタヴィアンで共演。〈フィデリオ〉では若きヤノヴィッツも参加。マーラーの〈大地の歌〉はカラヤン、バーンスタインだけでなく、C.クライバーとも録音。 〈リュッケルトの詩による5つの歌曲〉ではムーティと、〈復活〉ではメータと共演。鱒・魔王・死と少女、といったシューベルトの歌曲は、パーソンズのピアノ伴奏で。

1月3日~6日/ニューイヤーコンサート
 2週目は、先ずは「ニューイヤー」で。40歳になる頃、ウィーン・フィルとワルツやポルカを録音していたカラヤンは、69歳で「ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート」初登場。正反対の、ライナー=シカゴ響の楷書体と聴き較べて下さい。2日目はシュワルツコップによる〈メリー・ウィドウ〉を。このレハールの名作はヒトラーが好んだがゆえに、ショスタコーヴィチが〈レニングラード〉で、バルトークが〈管弦楽のための協奏曲〉でパロディ化。そうした歴史を踏まえて、スラヴ系の巨匠、マタチッチの郷愁溢れる指揮で、お楽しみ下さい。3日目は、指揮者とオケによる衣装替え。ウィーン・フィルのコンサートマスターとして指揮台にも立ったボスコフスキー。N響も音が見事に変わっています。近衛秀麿が1935年に新交響楽団を振ったウィーン音楽は、カットは多いものの味は濃厚。巨匠クナッパーツブッシュは十八番の〈バーデン娘〉に加え、2種類の〈軍隊行進曲〉でも怪物ぶりを発揮。今や伝説となったC.クライバーの1回目、1998年の「ニューイヤー」は〈春の声〉からの後半を。4日目はアーノンクールで〈こうもり〉を。〈ラデツキー行進曲〉や〈パガニーニ風ワルツ〉、モーツァルトの〈6つのドイツ舞曲〉でも鬼才ぶりを披露。ランナーと〈ペトルーシュカ〉の関係も音で明らかにします。

1月10日~13日・17日~20日/ベルナルト・ハイティンク追悼
 3・4週目は10月に惜しまれて亡くなったハイティンクの追悼を2週にわたって。先ずはボストン響とのブラームス。〈1番〉では、原典どおり演奏していたのを、晩年、慣習的な編曲に直したりもしています。ブルックナーでも基本は原典主義。自己主張を避ける芸風は、晩年でも一貫しており、遅目のテンポで丁寧に再現してゆく姿勢は、オーケストラから信頼されていました。R.コンセルトヘボウ管、ベルリン・フィル、シカゴ響、ウィーン・フィル、ボストン響、様々な名門のポストに就きましたが、オケの違いがあまり表れないのも特徴でした。〈8番〉をウィーン・フィル(1995年録音)とR.コンセルトヘボウ(2005年録音)で較べると、それを実感させられます。最後のステージのひとつオランダ放送フィル(2019年録音)は、R.コンセルトヘボウのようです。マーラーで、違いが出やすい〈復活〉の第1楽章を、マゼールやヴァンスカと較べると芸風の違いは歴然。〈4番〉〈6番〉〈7番〉でも中庸な姿勢は同じです。日本では、あまり紹介されなかったオペラでの指揮も、やはり作品優先。グラインドボーン歌劇場の〈フィガロの結婚〉でそれを確かめてみましたが、予想外に小回りの効く棒。〈ドン・ジョヴァンニ〉の終景は、かなり恐いです。 フランス国立管(1961年)とのシベリウスの交響曲〈2番〉は、珍しく危ない指揮ぶり。R.コンセルトヘボウ管のシェフに就任した30歳前後の、貴重なライヴです。ベルリン・フィルが、自主整作したマーラーの交響曲全集の〈9番〉に、2017年のハイティンクを選んでいるのも、評価の高さの証明。 ショスタコーヴィチの交響曲全集は、正式な録音としては最初の全集かも知れません。〈15番〉の第4楽章はワーグナーの〈指輪〉の「運命の主題」。ハイティンクは〈神々の黄昏〉も録音しているので、贅沢な比較をしてみました。

1月24日~27日/エディタ・グルベローヴ追悼
 5週目は21年に亡くなったチェコ出身の名花、グルヴェローヴァを追悼。特集としてはハイティンクも継続。〈ペトルーシュカ〉、ブルックナーの〈6番〉、マーラーの〈3番〉の後、グルヴェローヴが歌った〈魔笛〉の二つのアリアを。「生きている夜の女王」と言われたドイテコムと聴き較べてみます。 “コロラトゥーラの女王”オペラの全曲録音で本領発揮。先ずはR.シュトラウス の〈ナクソス島のアリアドネ〉。このツェルビネッタは、声の艶やかさが素晴らしく〈ばらの騎士〉の続編のよう。プライスやコロとの共演をショルティがサポート。次はベリーニの〈カプレッティとモンテッキ〉(1984年録音)。ロミオを女性が演じるこの作品は、アグネス・バルツァとの共演。指揮は若きムーティ です。もう一つもベルカント・オペラで、ドニゼッティの〈ルチア〉。1991年のこの録音、「狂乱の場」での超高音の伸びが圧倒的。シコフ(Ten)他の共演者が、彼女の歌に触発されたかのように、後半ほど声が出てきます。ハイティンクはベルリン・フィルとのマーラーの〈6番〉、そしてベートーヴェンの〈ミサ・ソレムニス〉で締め括ります。(金子)

THE CLASSIC オンエア曲リスト


金子建志

出演:金子建志

1966年4月、東京藝術大学音楽学部楽理科入学。在学中、音楽理論を柴田南雄に師事し、指揮法を渡邉曉雄に師事。1970年3月、同大卒業。この後、指揮法を齋藤秀雄、高階正光に師事。1985年、千葉フィルハーモニー管弦楽団結成。同楽団の常任指揮者として活動する他、市川交響楽団やカメラータ・ユピテル(現在の世田谷交響楽団)、19世紀オーケストラ、アンサンブル花火などの指揮者としてアマチュアオーケストラ活動にも関与。『音楽現代』『レコード芸術』『朝日新聞』の新譜月評を担当。日本レコード・アカデミー賞、審査委員長。NHK-FMでも音楽番組の解説を担当した。武蔵野音楽大学、東京理科大学講師。

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<週16時間!クラシック大型プログラム>
11月29日~12月2日/ショスタコーヴィチの真実
 1週目はショスタコーヴィチ。 「戦争交響曲」として書かれた交響曲〈5番〉~〈8番〉を、初演したムラヴィンスキーで聴きます。批判を覆して大成功をおさめた〈5番〉は、何故〈カルメン〉の《ハバネラ》が引用されているのか、という視点から言及。楽譜の問題を、初演直後に空輸された楽譜で振ったストコフスキーの1937年盤から検証。それ以後「西側」の演奏は印刷スコアの誤記から、第4楽章の解釈に極端な違いが出ます。「西側」の典型としては、バーンスタインを。バーンスタインは〈レニングラード〉をニューヨークPoと録音した際、第1楽章で、戦争の主題が繰り返されてゆく途中の「ファゴットがオウム返し繰り返す変奏」を削除。後にシカゴ響と再録した際は原譜に戻しています。マーラーの〈10番〉に似た重厚な第1楽章から始まる〈6番〉が、スケルツォ的に笑い飛ばして終わるのは何故か?映画音楽からは大ヒットした〈馬あぶ〉を。〈5番〉と同じ37年の映画〈ヴォロチャーエフの日々〉で使われた《パルチザンの歌》は、〈5番〉の第4楽章の主題に酷似。後に交響詩〈10月革命〉で再引用され、革命歌的な本質が明らかに。多くの交響曲で闘牛を思わせるトランペットの主題が現れるのは何故か?〈8番〉の第2楽章での二通りの対応も興味深いです。

12月6日~9日・13日~16日/ロシアの響き チャイコフスキー
 2週目と3週目はチャイコフスキーを8回に分けて。1回目は交響曲〈5番〉を極端に解釈が違うムラヴィンスキー、ストコフスキー、バーンスタイン、チェリビダッケで聴き較べます。2回目はピアノ協奏曲〈1番〉を中心に。有名な冒頭が、初稿ではアルペジョだったのを、ベルマンとアルゲリッチで比較。刺激的な編曲を行ったホロヴィッツと、それを復活させたヴォロドス。ホロヴィッツは第3楽章コーダが超快速。義父トスカニーニはかろうじて追いついて終わらせていますが、ワルターは最後のアクセルについていけずに崩壊。余り演奏されない〈2番〉と〈3番〉はレオンスカヤで。3回目はバレエ〈くるみ割り人形〉。お菓子やコーヒー等の踊りといった素材を、より巨大なオーケストレーションでバレエ化したR.シュトラウスの〈泡立ちクリーム〉全曲盤は、〈ばらの騎士〉的な甘美な世界が、怪物化していくあたりが聴きもの。4回目は、初期の〈1番〉〈2番〉と、ベルリオーズの影響を濃く受けた番外交響曲〈マンフレッド〉を。皇帝がらみの委嘱作〈デンマーク国歌による祝典序曲〉や〈戴冠式祝典行進曲〉で引用した帝政ロシア国歌を〈1812年〉でも使ったことから、死後、ソヴィエト政権から削除の憂き目に遭うはめに。〈1812年〉は合唱無しのオリジナル版によるショルティと、合唱付きで大砲や巨大な鐘まで総動員したカンゼルを比較。5回目は〈悲愴〉。死を象徴するシンコペーション主題がR.シュトラウスの〈死と変容〉から、マーラーの〈9番〉まで影響を与えていることに言及。第4楽章コーダの低弦に、ティンパニを加えたチェリビダッケは、この主題に最も拘った一人でしょう。6回目はヴァイオリン協奏曲がメイン。カットや技巧的な編曲が当たり前だった頃の代表としてハイフェッツ。ムターあたりから主流になってきた原典主義をラドゥロヴィチで。チェロの〈ロココ風の主題による変奏曲〉は、一般的なフィッツエンハーゲン版をクニャーゼフで。イヴァン・カッサール編によるヴィオラ・ソロ版も聴きます。〈1812年〉も再検証。最後に鐘を鳴らし続けるストコフスキー、コーダの慣習的なテンポ交替を採用したデュトワと、原曲どおりのマゼールも比較します。合唱、大砲、鐘も三者三様です。7回目は〈白鳥の湖〉、主題に影響を与えた〈ローエングリン〉の「禁問の主題」と、同じようにワーグナーから影響を受けたブルックナーの〈5番〉の第2楽章を聴いた後、バレエ全曲をデュトワで。8回目は交響曲〈3番〉と、組曲〈1番〉~〈4番〉を。〈弦楽セレナード〉〈フランチェスカ・ダ・リミニ〉〈イタリア綺想曲〉〈スラヴ行進曲〉〈四季〉等、定番名曲も登場します。

12月20日~23日/クリスマスに聴く名盤
 4週目はクリスマス特集。1回目はアーノンクールによる〈メサイア〉。よくヘンデルの作曲とされる〈もろびとこぞりて〉と〈メサイア〉の関係にも言及。定番の名曲は、チェコ少年少女合唱団の「ヨーロッパのクリスマス」で。2回目も〈メサイア〉ですが、シェルヘンが1958年録音に録音した「ダブリン初演版」は、テンポから楽器編成まで、まるで別の曲。メンゲルベルグの〈マタイ受難曲〉を彷彿とさせます。タイムトラベル的な驚きの後は、「ハレルヤ・コーラス」とマーラーの〈巨人〉の関係に触れ、最後は3大テノールによる1999年のクリスマス・ライヴを、お楽しみ頂きます。3回目はバッハの「クリスマス・オラトリオ」全6曲と、「主よ人の望よ喜びよ)」で名高いカンタータ147番をトン・コープマンで。バトル、ムター、ステューダー他による「ザ・クラシカル・クリスマス」では、グノーやシューベルトの〈アヴェ・マリア〉等、静かな祈りの曲が楽しめます。4回目は、清冽な発声の共演として、エマ・カークビーとアビー・コンソート&アンサンブルに、澄んだハーモニーで名高い男声合唱「シャンティグリア」が初めて女性と共演したドーン・アップショウとのアルバムを。米国の作曲家ハッチンソンの〈キャロル交響曲〉では、定番の合唱曲が主題として、4楽章形式の「起承転結」を形成。オルガンのマリー=クレール・アランは、ストップによる音色の変化に富んだ演奏を聴かせてくれます。締め括りは、エマ・カークビーによるモーツァルトの〈エクスルターテ・ユビラーテ〉で、華やかに。(金子建志)

THE CLASSIC オンエア曲リスト
金子建志

出演:金子建志

1966年4月、東京藝術大学音楽学部楽理科入学。在学中、音楽理論を柴田南雄に師事し、指揮法を渡邉曉雄に師事。1970年3月、同大卒業。この後、指揮法を齋藤秀雄、高階正光に師事。1985年、千葉フィルハーモニー管弦楽団結成。同楽団の常任指揮者として活動する他、市川交響楽団やカメラータ・ユピテル(現在の世田谷交響楽団)、19世紀オーケストラ、アンサンブル花火などの指揮者としてアマチュアオーケストラ活動にも関与。『音楽現代』『レコード芸術』『朝日新聞』の新譜月評を担当。日本レコード・アカデミー賞、審査委員長。NHK-FMでも音楽番組の解説を担当した。武蔵野音楽大学、東京理科大学講師。

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<週16時間!クラシック大型プログラム>
10月~28日/秋のショパン
11月1日~4日・8日~11日/劇的作曲家ベルリオーズ
11月15日~18日・22日~25日/郷愁のドヴォルザーク


●第1週は「秋のショパン」として先ず4曲の「バラード」を、リヒテル、ペライア、ツィマーマン、ユンディ・リ、グルダと、タイプの違うピアニストで。若い頃のグルダを探していたら、ピアノ協奏曲〈1番〉を「バラキレフ版」で弾いているのを発見。オーケストレーションがかなり違う上、指揮がボールトというのも驚きです。「練習曲集」作品10・25は、ヴィルサラーゼとコルトー、ペライアとフランソワを比較。2015年のショパン・コンクール優勝者チョ・ソンジンの「バラード」、超快速の「スケルツォ」は聴き物です。「ポロネーズ」全7曲はフランソアで、幾つかはホロヴィッツでも。「夜想曲」はポリーニとピリス。ここでもアンコール的にホロヴィッツを数曲。

●第2週と3週は「劇的作曲家ベルリオーズ」。先ず〈幻想〉を古楽器オケの挑戦という観点から。メトロノームを重視したノリントン=ロンドン・クラシカル・プレイヤーズを、動きの激しいパレー(モダン・オケ)と対比。第2波・第3波となるミンコフスキ=レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルやロト=レ・シェクルになると複数のハープによるステレオ効果や、木管のグッリッサンドの“宙返り降り”が新たな刺激に。
 マリー・アントワネットが好んだことから起ったパリの“ハープ・ブーム”が、モーツァルトの《フルートとハープの協奏曲》を生み、やがて〈幻想〉のⅡ楽章や、ウェーバーの〈舞踏への勧誘〉のオーケストレーションに繋がった歴史を説明。超巨大編成は〈テ・デウム〉と、カテドラルの東西南北に配置したバンダに10人近いティンパニストを動員した〈レクィエム〉。初演された廃兵院に行った体験も交え、数百人を動員して初演の立体音響を再現した盤も紹介します。同じ系列の〈葬送と勝利の大交響曲〉〈皇帝ナポレオンの死についての歌〉や、ナポレオンⅢ世に献呈した〈皇帝賛歌〉、更には〈ラ・マルセイエーズ〉のベルリオーズ編曲版をドミンゴとシカゴ響で。独自の劇場音楽〈ファウストの劫罰〉や〈ロメオとジュリエット〉、異形のヴィオラ協奏曲となった交響曲〈イタリアのハロルド〉も取り上げます。
 〈幻想〉は、演奏面から更に徹底検証。“ミスター〈幻想〉”とも評すべきミュンシュは、数種のライヴを比較。ハンガリーでの客演では鐘の低音に拘り、パリ管弦楽団の発足ライヴでは、狂気のような追い込みで最短記録を更新しています。クレンペラー、チェリビダッケ、クーベリックのライヴは、それぞれ拘るポイントが違うのが面白いところ 二部作としての後半〈レリオ〉は、語りやカーテンによるブランインドまで再現したムーティ=シカゴ響で。

●第4週と5週は、9月に特集した「郷愁のドヴォルザーク」の続編。
 交響曲は、先ず〈7番〉〈8番〉〈9番〉をメインに、エリシュカ、シルヴェストリ、マッケラスで。〈7番〉は第4楽章コーダのオーケストレーションの変更を、〈新世界〉は管だけがフェルマータでディミヌエンドしてゆく最終音を比較。無限大的に延ばすアバドやジュリーニに対して、ドヴォルザークの意図に反して寸断してしまうスヴェトラノフの力業には唖然。〈新世界〉のイデー・フィクスと、映画「インディ・ジョーンズ」の〈レイダーズ・マーチ〉を、メシアン的な“不可逆行リズム”の観点から論じます。
 チェロ協奏曲は、ロストロポーヴィチ、ピアティゴルスキー、シュタルケル、デュ・プレで。更に、胸に秘めた若い頃の失恋を、歌曲〈ひとりにさせて〉とⅡ楽章中間部の悲劇的エピソードの関係から徹底的に掘り下げたヤン・フォーグラーを取り上げます。
 宗教音楽の傑作〈スターバト・マーテル〉は、巨匠的な熟成が期待される70代に入ったところで病に倒れたビエロフラーヴェクを、遺作的に残した録音で忍びます。更に交響曲〈5・6・8・9番〉や〈スラヴ舞曲〉全曲も。演奏機会の少ない交響詩〈金の紡ぎ車〉〈野鳩〉〈真昼の魔女〉〈水の精〉は、原作の詩の怖い内容とドヴォルザークの描写を論じ、ラトル=ベルリン・フィルで聴きます。(金子建志)

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金子建志

出演:金子建志

1966年4月、東京藝術大学音楽学部楽理科入学。在学中、音楽理論を柴田南雄に師事し、指揮法を渡邉曉雄に師事。1970年3月、同大卒業。この後、指揮法を齋藤秀雄、高階正光に師事。1985年、千葉フィルハーモニー管弦楽団結成。同楽団の常任指揮者として活動する他、市川交響楽団やカメラータ・ユピテル(現在の世田谷交響楽団)、19世紀オーケストラ、アンサンブル花火などの指揮者としてアマチュアオーケストラ活動にも関与。『音楽現代』『レコード芸術』『朝日新聞』の新譜月評を担当。日本レコード・アカデミー賞、審査委員長。NHK-FMでも音楽番組の解説を担当した。武蔵野音楽大学、東京理科大学講師。