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金子建志の新スペシャル・セレクション


★2022年12月末終了(月~水)14:00~18:00 
再放送=(土)8:00~20:00 
金子建志の新スペシャル・セレクション
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金子建志の新スペシャル・セレクション

音楽評論家、金子建志氏の豊富な知識と深い解釈で、楽曲の真髄を読み解きます。



12月/ベートーヴェンの交響曲、協奏曲

12月は、ベートーヴェンを、交響曲や協奏曲を中心に初期から繙いてゆきます。
 
●1週目はバレエ〈プロメテウスの創造物〉の主題が〈12のコントラダンス〉〈15の変奏曲とフーガ〉(グールド)を経て〈エロイカ〉(フルトヴェングラー)に育ってゆくまでを検証。ティルソン=トーマスによる、ソロの実験(1986年)も。交響曲の〈1番〉〈2番〉はダウスゴー、ピアノ・ソナタの〈1~3番〉はポリーニ、ピアノ協奏曲の〈1番〉〈2番〉はアルゲリッチ。〈3番・エロイカ〉を「金管楽器の試行錯誤」という視点から、カラヤン、ロト(古楽器オケのレ・シエクル)で基本をおさえ、モントゥーやマルケヴィッチのユニークな工夫も紹介。
 
●2週目は交響曲〈4番〉〈運命〉〈田園〉と〈合唱幻想曲〉。 〈運命〉はスケルツォ楽章を5部形式で演奏したブーレーズ。リスト編のピアノ版は対照的なグールドとカツァリス。〈運命〉はC.クライバーをライヴで。 〈田園〉のスケルツォをカラヤンツォは3部形式で演奏。ワルターはホルンやティンパニを少しだけアレンジ。〈7番〉はコントラ・ファゴット2本を加えたホグウッド=エンシェントの巨大編成の古楽器オケ、〈ウェリントンの勝利〉は機械式トランペットを復元したハーゼルベック(2015年録音)の歴史的再現を。〈8番〉はブリュッヘン=18世紀オーケストラによる“正統派”古楽器オケと、ネルソンス(2017年録音)のモダン、リストを更にヴィルトーゾ化したカツァリスのピアノで比較。〈熱情〉を含むピアノ・ソナタの代表作をキーシンで俯瞰。
 
●3週目は〈運命〉第1楽章のフェルマータの延ばし方をセルとワルターで比較。クルレンツィス(2018年録音)は音質からして全く違います。〈7番〉もワルター対クルレンツィス。〈田園〉はピッコロを意外な個所に加えたホーネック=ピッツバーグ交響楽団(2017年録音)。後期のピアノ・ソナタをポリーニとギレリス,ピアノ協奏曲全5曲はグルダ=シュタイン(1973年録音)で。
 
●4週目は〈第九〉のテンポの問題からスタート。第2楽章のトリオと第4楽章の「トルコ行進曲」を“超微速前進”のフルトヴェングラーと“超快速”のザンダーで比較。メトロノームについても新たな見解を提示したベーレンライター版はパブロ・エラス=カサド(2019年録音)で。編曲という観点からはマーラー版と近衛英麿版を比較。マーラー版には複数のスコアがあり、サムエル(1991年録音)とクリスティアン・ヤルヴィ(2006年録音)では、第2楽章のスケルツォ・ダ・カーポが全く違います。近衛(1968年録音)は第1楽章からピッコロを使用するなど極彩色。ホルンやトランペットによる旋律強化も含めて、最も派手な〈第九〉でしょう。最後はポリーニによるピアノ・ソナタと、クリーヴランド弦楽四重奏による嬰ハ短調・作品131。〈ミサ・ソレムニス〉はアーノンクール(2015年録音)。 〈第九〉は、合唱の第一声「フロイデ!」を音程の無い叫び声で歌わせたブリュッヘン=18世紀オケ(2011年録音)で締め括ります。
 
※12月末の放送をもって終了いたします。ご愛聴ありがとうございました。
 
THE CLASSIC オンエア曲リスト

金子建志

出演:金子建志

1966年4月、東京藝術大学音楽学部楽理科入学。在学中、音楽理論を柴田南雄に師事し、指揮法を渡邉曉雄に師事。1970年3月、同大卒業。この後、指揮法を齋藤秀雄、高階正光に師事。1985年、千葉フィルハーモニー管弦楽団結成。同楽団の常任指揮者として活動する他、市川交響楽団やカメラータ・ユピテル(現在の世田谷交響楽団)、19世紀オーケストラ、アンサンブル花火などの指揮者としてアマチュアオーケストラ活動にも関与。『音楽現代』『レコード芸術』『朝日新聞』の新譜月評を担当。日本レコード・アカデミー賞、審査委員長。NHK-FMでも音楽番組の解説を担当した。武蔵野音楽大学、東京理科大学講師。

金子建志の新スペシャル・セレクション
金子建志の新スペシャル・セレクション
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11月/華麗なる管弦楽の系譜

今月はオーケストレーションの観点から、イタリアとロシアを取り上げます
 

●レスピーギ
 先ずはイタリアのレスピーギ。〈ローマの松〉〈ローマの噴水〉〈ローマの祭〉3部作を、トスカニーニ=NBC、バッティストーニ=東フィル、オーマンディ=フィラデルフィア、マゼール=ピッツバーグで。大編成の〈シバの女王ベルキス〉〈教会のステンドグラス〉、小編成ながら人気の高い〈リュートのための古風な舞曲とアリア〉〈ボッティチェルリの3枚の絵〉。
 新古典派らしい引用としてグレゴリオ聖歌の〈サンクトゥス〉と〈ローマの祭〉〈教会のステンドグラス〉を比較。同様の観点から〈変容〉=12のモードスと、ヴァイオリン協奏曲〈グレゴリアン・コンチェルト〉。〈ブラジルの印象〉の第2曲で低音楽器で毒蛇を描写し、呑み込まれた獲物を〈ディエス・イレ〉で表すあたりはレスピーギの新骨頂。
 編曲の名手としての視点からは、バッハの〈パッサカリアとフーガ〉BWV582と〈プレリュードとフーガ〉BWV532を、オルガン原曲とレスピーギの編曲で聴き較べます。ロッシーニの小品を原曲とする〈幻想的な玩具店〉、ラモー他のクラヴサン曲をアレンジした〈鳥〉は、創造的編曲の典型でしょう。
 

●リムスキー=コルサコフ
 レスピーギがロシアで師事したリムスキー=コルサコフは近代的オーケストレーションの旗手。代表作〈シェエラザード〉をオーマンディ、バレンボイム、ストコフスキー、ゲルギエフ、マズア、シャイー、チェリビダッケ、更に吹奏楽版をギャルド・レピュブリケーヌで。第2曲のクラリネット、ハープ等の即興性を豊かな書法、メンデルスゾーンの〈真夏の夜の夢〉からの引用にも触れます。〈スペイン綺想曲〉〈ロシアの復活祭〉、歌劇〈皇帝の花嫁〉〈5月の夜〉序曲、歌劇〈金鶏〉組曲をラザレフ=ボリショイ響で。
 ムソルグスキーの〈禿山の一夜〉を、原典版とコルサコフの編曲で比較。個性の違いに唖然とします。
 〈アンタール〉を含む3つの交響曲、〈サトコ〉、〈ムラダ〉より「貴族たちの行進」、〈プスコフの娘〉序曲、〈サルタン皇帝の物語〉より「3つの奇跡」をスヴェトラノフ=ロシア国立響、〈サルタン皇帝〉の「熊蜂の飛行」はマズアで聴きます。珍しいピアノ協奏曲はキャンベルのソロで。
 

●ロシアからソヴィエトへの転換期
 ボロディンは、ラザレフによる〈だったん人の踊り〉〈中央アジアの草原にて〉からスタート。2曲の交響曲は広上=マルメ響、弦楽四重奏曲〈2番〉はショスタコーヴィチ四重奏団で。
 リャードフ の交響詩〈ババ・ヤガー〉はムソルグスキーの〈展覧会の絵〉と同じ、空飛ぶ魔女。〈魔法にかけられた湖〉〈キキモラ〉を含めた3曲を、プレトニョフ=ロシア・ナショナル管で。
 ハチャトゥリャンの代表作バレエ〈ガイーヌ〉全曲は、同じアルメニア系のチェクナヴォリアン、「ワルツ」が日本でも人気になった〈仮面舞踏会〉と〈スパルタカス〉はラザレフ=ボリショイ響で。
 民族的反復が耳に残るヴァイオリン協奏曲は、コーガン。ハチャトゥリャン自身の指揮も注目です。〈ガイーヌ〉と〈スパルタカス〉は、抜粋を、スヴェトラノフ=ボリショイ劇場管で。
 オルガンを協奏曲的に使い、15本のトランペットが活躍する交響曲〈3番〉は、ストコフスキー=シカゴ響。ヴォスクレンスキー弾くピアノ協奏曲では、フレクサトーンが怪音で絡みます。
 日本の伊福部に影響を与えたチェレプニンの父ニコライの秘曲〈遠き女王のための前奏曲〉、〈魔法にかけられた王国〉は、プレトニョフ=ロシア・ナショナル管で。
 カバレフスキーの代表作〈道化師〉はクルツ=フィルハーモニー管。2曲の交響曲と歌劇〈コラ・ブルニョン〉序曲、〈悲愴〉序曲をダレル・アン=マルメ響で。ジンマンによるイッポリトフ=イワノフの〈コーカサスの風景〉は民族色豊か。
 ロシア流の民謡活用法を、「野に立つ樺の木」を素材にしたチャイコフスキーの交響曲〈4番〉と、〈ポーリュシュカ・ポーレ〉を編曲したスタンリ-・ブラックで較べてみます。
 カリンニコフの2曲の交響曲は曽我大介=東京ニューシティ管。ロマン的な作風を貫いたグリエールのホルン協奏曲はバウマンのソロで。映画音楽〈馬あぶ〉が、ショスタコーヴィチの予告編。
 

●ショスタコーヴィチ
 交響曲は、ソ連時代を代表する指揮者のコンドラシンがモスクワ・フィルを振った全集から入ります。西側からも天才と騒がれた〈1番〉が絶対音楽だったのに対し、〈2番〉と〈3番〉は声楽付きで、レーニンやメーデーを讃える社会主義礼賛。ところが〈4番〉では一転、前衛的な超大作に挑戦。戦勝記念的な〈9番〉は“おどけ”が隠れ蓑に。〈10番〉は交響曲史上空前の直線道路=第2楽章、女声の名前を潜ませた第3楽章も特徴。
 大衆路線から〈ジャズ組曲・第1番〉と〈タヒチ・トロット=2人でお茶を〉を。
 怪作〈4番〉は、第1楽章の超高速フーガ、第3楽章で怪物化する「カッコウ音型」等を、ネルソンス=ボストンで検証。〈9番〉の第3楽章、闘牛を思わせるスペイン風のトランペット・ソロと、第11番〈1905年〉の死霊的静寂に響くトランペットを比較。ピアノ協奏曲〈第1番〉ではアルゲリッチとトゥーヴロンドの喇叭が激しく交錯。いずれも本音をトランペットが代弁?。
 帝政ロシアを抹殺しようとしたソヴィエト政権は、チャイコフスキーのスコアからロシア国歌を削除。その結果〈1812年〉では、ロシア国歌がグリンカの歌劇〈皇帝にささげし命〉の合唱に置き換えられました。それで録音したスヴェトラノフ=ロシア国立響盤は、今や歴史的資料。グリンカの歌劇は、題名も〈イワン・スサーニン〉→〈皇帝に捧げし命〉と二転三転し、ソ連時代は〈イワン・スサーニン〉に。
 この後で〈8番〉を聴くと、戦車のキャタピラを思わせる第3楽章の恐さが切実に。ショルティ=シカゴ、ネルソンス=ボストンで第3楽章を較べた後、ムラヴィンスキー=レニングラードで前5楽章を。
 交響曲から、一旦離れ、ストコフスキー=シカゴ響が、ソ連時代の1968年に録音した〈黄金時代〉組曲を。劇付随音楽〈ハムレット〉は、ネルソンス=ボストンの2016年の最新録音で。
 最後は、交響曲に戻り、ソ連時代の象徴だったムラヴィンスキー=レニングラードの1976年盤で〈10番〉を。
 

THE CLASSIC オンエア曲リスト

金子建志

出演:金子建志

1966年4月、東京藝術大学音楽学部楽理科入学。在学中、音楽理論を柴田南雄に師事し、指揮法を渡邉曉雄に師事。1970年3月、同大卒業。この後、指揮法を齋藤秀雄、高階正光に師事。1985年、千葉フィルハーモニー管弦楽団結成。同楽団の常任指揮者として活動する他、市川交響楽団やカメラータ・ユピテル(現在の世田谷交響楽団)、19世紀オーケストラ、アンサンブル花火などの指揮者としてアマチュアオーケストラ活動にも関与。『音楽現代』『レコード芸術』『朝日新聞』の新譜月評を担当。日本レコード・アカデミー賞、審査委員長。NHK-FMでも音楽番組の解説を担当した。武蔵野音楽大学、東京理科大学講師。

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10月/ブルックナーの交響曲における楽譜の違い

 ブルックナーを聴く場合、避けて通れない楽譜や版の違いを、様々な角度から比較してみます。
 
 1・2週は〈4番・ロマンティック〉。カラヤンは原典版を使用しているのですが、第4楽章では改訂版のシンバルが鳴り、第1楽章のコラール最後の頂点417小節~には改訂版と同様、ティンパニを追加。楽器が違う第3楽章のトリオはヴァント(ハース版)とカラヤン(ノヴァーク版)を比較。第4楽章コーダで回帰する主題は、ハース版(ヴァント)がトロンボーンだけなのに対し、より後の改訂を採用したノヴァーク版(ネルソンス)は、トランペットやホルンも吹くので、より鮮明。最近話題になっているコーストヴェット版(フルシャ)は、ハースの見解を採用しています。
 第3楽章が全く異なる第1稿はインバルで。違いが大きい第4楽章も、インバルと、第2稿によるチェリビダッケを比較。第3主題で倍ぐらいテンポが違うのは、稿のせいが大きいはず。5連符を執拗に反復する第1稿のコーダは、現場的な恐さを考慮しない初期様式の典型。「三位一体」を3連符に象徴させたコーダ直前のブリッジと、コーダの弦のアクセントは、チェリビダッケが鬼才ぶりを発揮。
 3つの稿を、全て版下から作成し直したコーストヴェット版は、第4楽章の初期稿〈民衆の祭典〉も含め、フルシャで。コーストヴェットで注目すべきは、「弟子達が勝手に改竄した」とされていた改訂版を「ブルックナーが承認していた」との見解から、第3稿として全集版に組み入れたこと。これについては、従来の改訂版によるクナッパーツブッシュと、コーストヴェット版にフルシャ以上に拘りをみせるバローで検証します。
 改訂版を更に自分の色に染め上げたマーラー版は、ロジェストヴェンスキーで。最も油絵でカットも多く、演奏時間は最短。スタンダードな第2稿はクレンペラーと、御大、朝比奈で。
 
3週目は〈4番〉とは異なる視点から改訂された〈3番〉。 ワーグナーの引用が多い第1稿は、先ずケント・ナガノで。〈ワルキューレ〉〈タンホイザー〉〈パルジファル〉等との関係を論じます。〈マタイ受難曲〉のコラール、〈パルジファル〉の「信仰の動機」と第1稿の第2楽章との関係は注目すべきでしょう。第1稿はヤングとノリントンでも聴きますが、ノリントンは、古楽器のせいもあって、ナガノやヤングより10分以上速く、第4楽章は特に高速。
 第2楽章だけの改訂稿「アダージョ第2稿」は、ワーグナーの引用部の伴奏音型を「巡礼の合唱」と同じに直したので、より〈タンホイザー〉に酷似。これを第1稿の第2楽章に差し替えた形で演奏したヴァンスカは、最もワーグナー的な〈3番〉でしょう。こうしたワーグナーの引用を、殆ど削除してしまった第2稿は、ハイティンクで。
 オルガンの残響をオーケストレーション化した第4楽章のシンコペーションの前衛性は、第3稿でも継続。一方、第4楽章のコーダは第1稿が直進して終わるのに対し、第3稿はリタルダンド。稿の違いも含めて、ブロムシュテット、アーノンクール、チェリビダッケを比較した後、第3稿は、最晩年のマゼールが残した、2012年ライヴの怪物的ブレーキで締め括ります。
 
4週目は〈8番〉。第1稿が演奏されないまま改訂されたということでは〈3番〉〈4番〉と同じ。第1稿で問題とされたのが、壮麗なコラールで終わる第1楽章のコーダ。第2楽章のトリオも全面的に書き直されました。第3楽章の頂点は調が違いシンバルの回数も削減。第1稿はインバル=都響で。トゥッティで終わる第1楽章のコーダは、オルガンでも聴きます。一般的な第2稿のハース版はハイティンク、最短になる改訂版はクナッパーツブッシュで。
 チェリビダッケはノヴァーク版第2稿ですが、第1楽章冒頭の木管の応答音型を変更。楽器も音程も違います。クナは第4楽章コーダで、ティンパニを複数の音程で叩かせていますが、資料的根拠は無いようです。
 我が国に於ける歴史的名演,スクロヴァチェフスキ=読響(2016年録音)は自筆稿研究から第4楽章を短縮。3楽章の頂点シンバルの後、「天国から地獄」に落ちた底に該る弦の強奏部では、ブルックナーの指定以上に下げ弓の連続を完遂。最後の神判のイメージを刻印したかったのか? 第4楽章最後の「ソー・ミレド」はクナとは真逆。直進に聞こえます。
 これに比肩するのがマタチッチ=N響(1984年のライヴ)。ノヴァーク版第2稿ですが、第4楽章の第3主題直前の134小節を、ティンパニの4分音符で繋げる独自のアイデアは1975年から継承。速目のテンポと、劇的な高揚が特徴でクライマックスは雄渾の極みです。
 
5週目は〈9番〉。スコアとして完成された第1-3楽章は、スクロヴァ=読響(2009年)、ヴァント=シュトゥットガルト放響(1979年)、ネルソンス=ゲヴァントハウス管(2018年)。未完に終わった第4楽章は、スケッチのまま演奏したタルミ=オスロ・フィル(1985年)を聴いた後、同じコンビが演奏したキャラガンによる補筆完成版(1979~83年)を聴きます。
 第4楽章のサマーレ&マツッカによろ補筆完成版(1986年)はロジェストヴェンスキー=ソヴィエト文化省交響楽団(1988年)で。更に2人が加わった「サマーレ、フィリップス、コールズ、マツッカ共同による補筆完成版2012年」はラトル=ベルリン・フィル(2012年)で全4楽章を聴きます。最後に〈7番〉の音型を組合わせた、この2012年版は、それなりに説得力十分。
 ピューリタン的な原典版主義者のために、コールズの3楽章版(2000年)を使用したブロムシュテット=ゲヴァントハウス管(2011年)と、ノヴァーク版によるチェリビダッケ=ミュンヘン・フィル(1995年)で、締め括ります。
 

THE CLASSIC オンエア曲リスト

金子建志

出演:金子建志

1966年4月、東京藝術大学音楽学部楽理科入学。在学中、音楽理論を柴田南雄に師事し、指揮法を渡邉曉雄に師事。1970年3月、同大卒業。この後、指揮法を齋藤秀雄、高階正光に師事。1985年、千葉フィルハーモニー管弦楽団結成。同楽団の常任指揮者として活動する他、市川交響楽団やカメラータ・ユピテル(現在の世田谷交響楽団)、19世紀オーケストラ、アンサンブル花火などの指揮者としてアマチュアオーケストラ活動にも関与。『音楽現代』『レコード芸術』『朝日新聞』の新譜月評を担当。日本レコード・アカデミー賞、審査委員長。NHK-FMでも音楽番組の解説を担当した。武蔵野音楽大学、東京理科大学講師。