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東条碩夫の新スペシャル・セレクション


(月~金)14:00~18:00
再放送=(土)8:00~28:00
東条碩夫の新スペシャル・セレクション
東条碩夫の新スペシャル・セレクション
東条碩夫の新スペシャル・セレクション
東条碩夫の新スペシャル・セレクション
 音楽評論家・東条碩夫による大型プログラムが登場!クラシックのスタンダードな愉しみ方を提案します。『「新譜紹介」以来、なんと13年ぶりにレギュラー・オビ番組をやらせていただくことになりました。カンも鈍っているのではないかと少々自信がないのですが、なんとか良い番組をお届けして参りたいと思っています。担当しますのは、「東条碩夫の新スペシャル・セレクション」で、ミュージックバード開局時から2000年代初めまで自分で選曲しアナウンス原稿を書いていた毎日時間のオビ番組「スペシャル・セレクション」の新装改訂版、とでもいいましょうか。毎週月曜~金曜の週5回放送ですが、今回は月曜~木曜を「週ごと1テーマによる4回シリーズ」とし、また毎週金曜日には「日本のオーケストラを応援しよう」というシリーズをお届けいたします。』(東条)

2月22日~25日/最後の専制君主的巨匠、ジョージ・セル
2月26日/日本のオーケストラ・シリーズ:神奈川フィル
 この番組の選曲のためにトスカニーニやミュンシュの指揮を久しぶりに聴き直しているうちに、「やはりあの頃の人は凄かった」という思いが一層強くなってしまいました。その勢いで、この週はジョージ・セルを特集することに。1897年生れ、ハンガリー出身で、第2次世界大戦の勃発を機にアメリカに永住、クリーヴランド管弦楽団を「オーケストラの奇蹟」と呼ばれるほど美しい完全な均衡を備えたアンサンブルに育てた指揮者セル━━1970年5月、大阪万博関連公演のために初来日した際の演奏会では、その完璧な素晴らしい演奏でファンを驚倒させました。「他のオーケストラが『これで仕上がり』と練習を止めたところからわれわれの練習が始まる」とセルが豪語していたほどの念入りなリハーサルは有名です。今回は、大阪で行なわれたリハーサル風景の録音(当時FM東京で放送したもの)でそれを実際に知ることができます(23日放送)。決して声を荒げず、あくまで紳士的に指導しながら、あれほど厳しく統率した完璧な演奏をつくりあげるのですから、やはり大変なカリスマ的な指揮者だったわけですね。プログラムは、ブラームスやモーツァルトの交響曲、その他です。特にR・シュトラウスの交響詩群は、セルでもこんなに激しい演奏をするのか、とびっくりするほどの迫力。
 「日本のオーケストラ」では、神奈川フィルの演奏を聴きます。来年春まで常任指揮者を務める川瀬賢太郎の指揮で、マーラーの「復活」他を。

2月1日~4日/父子対決(?)エーリヒ・クライバーとカルロス・クライバー
2月5日/日本のオーケストラ・シリーズ:大阪交響楽団

 エーリヒ・クライバー(1890~1956)とカルロス・クライバー(1930~2004)は、ともに20世紀を代表した大指揮者でした。今では子息のカルロスが「史上最後のカリスマ的指揮者」として圧倒的に有名ですが、20世紀前半のドイツでは、エーリヒの声望は極めて高いものだったと伝えられています。ベルリン国立歌劇場の音楽監督として実績を上げ、ベルクの「ヴォツェック」を初演したのも彼エーリヒでした。そしてカルロスは、偉大な父への尊敬を生涯持ち続けていたと言われています。今回は、その「父と子」の対決プログラム。ベートーヴェンの「運命」「田園」「7番」、シューベルトの「未完成」など、同一曲の連続聴き比べという方法も使います。オペラからは、エーリヒ指揮では「フィガロの結婚」(モーツァルト)と「ばらの騎士」(R・シュトラウス)、カルロス指揮では「こうもり」(J・シュトラウス)など。
 「日本のオーケストラ」には、大阪交響楽団が登場します。元音楽監督・首席指揮者の児玉宏の指揮するアッテルベリ、グラズノフ、スヴェンセン、前ミュージック・アドバイザーの外山雄三の指揮するチャイコフスキーの作品などを。

2月8日~11日/郷愁のドヴォルジャーク
2月12日/日本のオーケストラ・シリーズ:オーケストラ・アンサンブル金沢

 チェコの大作曲家ドヴォルジャーク(ドヴォルザークという発音は、だれが決めたのが判りませんが、ありえません。最近はやっと日本でも、言語の発音に近いドヴォルジャーク、あるいはドヴォジャークという表記が増えて来ているようですね)は、だれにも愛される音楽家でしょう。彼の音楽は、私たち日本人にも、不思議な懐かしさを呼び起こします。今回は、私の好みで選曲したものがかなり多いのですが、いわゆる名曲をそろえてみました。「3番」以降のすべての交響曲に、セレナード、協奏曲、スラヴ舞曲集、スラヴ狂詩曲集、「ドゥムキ―」・・・・。最終日には「アメリカ時代とその後」として、「新世界交響曲」やチェロ協奏曲、弦楽四重奏曲「アメリカ」などはもちろん、「真昼の魔女」を含む4曲の交響詩も入れました。「新世界」は、小澤征爾&ウィーン・フィルで。これは名演です。
 「日本のオーケストラ」としては、この日はオーケストラ・アンサンブル金沢の演奏を聴きましょう。初代音楽監督の岩城宏之が指揮する日本人作曲家の作品、前音楽監督による井上道義のモーツァルトなど。

2月15日~19日/シャルル・ミュンシュ、洗練の巨匠
 シャルル・ミュンシュ(1891~1968)には、今でもファンが多いのではないでしょうか。ボストン交響楽団の音楽監督を1962年まで務め、最晩年には━━わずか1年でしたが━━新設のパリ管弦楽団の首席指揮者を務めました。「ミュンシュ=ボストン」、「ミュンシュ=パリ管」という言葉に、私たち旧来のマニアは、言い知れぬほどの懐かしさを感じます。その彼の名演集、今回は彼の十八番たるベルリオーズの作品を中心に、サン=サーンス、ショーソンなどフランス系の作品を集め、さらに名演として知られるボストン響とのメンデルスゾーン(交響曲「春」「宗教改革」)、パリ管とのブラームス(第1交響曲)などを入れました。切れのいいダイナミックなリズム感、瑞々しく気品のある叙情性、激しい畳み込みの迫力に壮大な風格。魅力満載の演奏です。5回にわたっての特集。
(「日本のオーケストラ」は休み)
(東条碩夫)

THE CLASSIC オンエア曲リスト
東条碩夫

出演:東条碩夫

音楽評論家。エフエム東京で「TDKオリジナル・コンサート」「新日本フィル・コンサート」など演奏会中継番組をはじめ、クラシック音楽番組の制作全般に携わる。1975年文化庁芸術祭ラジオ部門大賞受賞番組(武満徹「カトレーン」)制作。エフエム東京制作一課長、FM静岡制作部長、ミュージックバード編成部長等を歴任後、1992年よりフリーとして活動。著書・共著に「朝比奈隆ベートーヴェンの交響曲を語る」(音楽之友社)、「伝説のクラシック・ライヴ」(TOKYO FM出版)、「ヘルベルト・フォン・カラヤン」(同)他。「モーストリー・クラシック」に「東条碩夫の音楽巡礼記」連載中。ブログ「東条碩夫のコンサート日記」を公開中。