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ターンテーブルの夜


(月~金)23:00~24:00
ターンテーブルの夜
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ターンテーブルの夜

 時がめまぐるしく進む現代、慌ただしく生きる毎日。そんな日々だからこそ輝きを増すアナログの世界・・・・。長い時を隔てたアルバムの味わいを温かなヴォーカルと共に堪能してください。
 パーソナリティが日米を股にかけて集めたヴォーカル・コレクションの中から選曲、貴重なオリジナル盤も持ち込みます。

アナログでしか出せないジャズ・ボーカルの味わい
2月25日から3月1日は茂木亮さんが担当します。ヴォーカルとレコードに対する愛着は誰にも負けないという茂木さんの選曲と語りをお楽しみください。(3月4日~29日はアーカイブス放送となります。)

●ア・ソウルフル・サンデイ/エタ・ジョーンズ
 サウス・カロライナ州出身で、40年代にアポロ劇場のコンテストに出場するなどして、57年にアルバム・デビューを果たします。60年にプレスティッジへ吹込んだアルバム『ドント・ゴー・トゥ・ザ・ストレンジャーズ』がヒットし、62年頃にかけ、プレスティッジに都合7枚のリーダー・アルバムを吹込みました。その後は、60年代半ばにルーレットから1枚出しただけで、音源のリリースから遠ざかっていたエタですが、2018年になり、72年2月のボルティモアのクラブ、「レフト・バンク」での発掘ライヴ音源が登場しましたので早速紹介したいと思います。シダー・ウォルトン(p)トリオをバックに生き生きと歌う9曲が収められ、特にB面では観客との一体感が伝わるノリで、得意曲「ブロウ・トップ・ブルース」を披露、さらに2度のアンコールに応え、十八番の「ドント・ゴー・トゥ・ザ・ストレンジャーズ」でしめるあたりは圧巻です。

●ウェルカム・マット・デニス!/マット・デニス
 シアトルの出身で、40年代後半に定住したLAで、多くのクラブでピアノの弾き語りをするうち人気を高めました。53年のライブ・アルバム、『プレイズ&シングズ』では、自作の「エンジェル・アイズ」、「ウィル・ユー・スティル・ビー・マイン」、「コートにすみれを」など、のちにスタンダード化する曲の数々を弾き語りし有名になりました。このアルバムは、59年にジュビリーに吹込んだもので、自身のトリオにサイ・オリバー編曲、指揮によるブラスまたはリード・セクションが加わるデニスには珍しい大編成がバックについています。アルバム・タイトルの「ウェルカム・マット」とは、玄関口の靴拭きマットのことで、デニス自身の名前に引っかけた、「家庭へようこそ」というニュアンスの曲が並んでいます。大編成がバックでも、デニスは小洒落た粋な歌いぶりを聞かせています。

●ディドント・ウィ/ロレツ・アレクサンドリア
 シカゴ出身で、幼少のころから教会で歌う環境で育ちました。50年代半ばのレコード・デビューは、ブルース系レーベルのキングからでしたが、その時点でゴスペル臭的な泥臭さはなく、すでに洗練されたたムードが感じられるシンガーでした。やや白人ライクなクールさを備えたハスキー・ヴォイスが魅力で、50年代後半から60年代半ばにかけてのキング、アーゴ、インパルスなどへの10枚ほどのアルバムを眺めると、しだいにブルース色が薄まり、ジャズ・フィーリングが濃く感じられるようになります。このアルバムは、68年ごろにハリウッドのソウル系マイナー・レーベルPZAZZに吹込まれ、曲によりンネル・ブライト(p)、テディ・エドワーズ(ts)らがアレンジにあたり、ややリズム&ブルース風なサウンドながらも、ロレツは違和感のない歌いぶりで応えます。

●オーバー・ザ・レインボー/スザンナ・マッコークル
 カリフォルニア州バークレー出身で、大学卒業後は主に通訳や詩作などの活動をし、その後イギリスに渡ってから歌うようになります。70年代後半にイギリスでアルバムを2枚リリースしたのち帰米し、80年初頭にアメリカのインナーシティに吹込み本国デビューとなったのが、このアルバムです。デビュー当時からの伴奏パートナー、キース・イングラム(p)のインティメイトなトリオをバックに、作詞家、エドガー・イップ・ハーバーグの歌詞による楽曲を取り上げた企画盤で、タイトル曲などのハロルド・アーレンやヴァーノン・デュークらが作曲した名曲の数々をしっとりと歌っています。元々詩作をしていたスザンナは、歌詞というか言葉そのものへの興味が強く、歌詞の内容を聴き手に伝え、感動させる歌い方を目指していたので、偉大な作詞家、ハーバーグへのリスペクトが凝縮された1枚になっています。

●ミスター&ミセス・ジャズ/スー・シャロン
 イギリス人のラルフ・シャロン(p)の妻にあたり、幼少のころにインディアナポリスの教会で歌っていたことから、アメリカ人だと思われます。イギリスで名を挙げたラルフは、50年代中ごろからアメリカで仕事をするようになり、ベツレヘムへのリーダー・アルバムのほかジョニー・ハートマンのアルバムで伴奏するなどし、さらにのちにはトニー・ベネットの伴奏に多く関わるなど、歌伴奏に定評があるピアニストです。このアルバムは、J.Rモンテローズ(ts)、エディ・コスタ(vib)などを含むラルフのセクステットによる56年のベツレヘムへのレコーディングで、スーはそのうち5曲で歌っているもので、ゴスペルの影響を感じさせながらブルース・フィーリングを滲ませる歌はなかなかのものです。ややハスキーさがブレンドされた声で鮮やかに歌うところに、バンド・シンガー的なムードも漂います。

●コンプリート・リトル・エスター・フィリップス
 テキサス州出身で、10代前半だった48年にアマチュア・コンテストで優勝したのがきっかけで、“リトル・エスター”としてジョニー・オーティスのバンド・シンガーに抜擢されました。53年にソロ活動するようになりますが、ドラッグなどの悪癖から抜けられずシーンから消えるものの、62年にエスター・フィリップスの名義で出した「リリース・ミー」が起死回生のヒットとなり、64年にはアトランティックとの契約に漕ぎつけるという数奇な運命をたどります。そのエスターの、デビュー間もないころからのサヴォイへの音源をコンパイルしたのがこのアルバムです。全般にブルース色が濃いアレンジながら、エスターの歌の中にはある種のジャズ・エッセンスが感じられます。49年から59年までの音源が2枚組に収められていますが、主にオーティス楽団を離れてからの56年以降の音源を中心に行けるところまで行きましょう。

●ソングズ・フォー・サムタイム・ラヴァーズ/ダイナ・ショア
 テネシー出身で、6歳のときに移住した先のナッシュビルの大学在学中にシンガーとして活動し、卒業後にNYに進出します。30年代末にRCAと契約、ラジオ番組出演やTV番組「ダイナ」が全米ネットワークで放映されるようになり、人気を決定づけました。その後はポップスからブルースまで難なく歌い切る名シンガーぶりを発揮することになり、RCA、キャピトルなどに多数のアルバムを吹込み、大スターになりました。このアルバムは、67年に当時の進行レーベル、プロジェクト3に吹込まれたもので、甘美なストリングスのアレンジに乗り、バート・バカラックやヘンリー・マンシーニなどのナンバーを歌いますが、アレンジのせいか、ジャズ・ボーカル盤らしさはやや希薄なポピュラー・アルバムのような趣ですが、ダイナの声からは存在感が感じ取れます。

●ザ・モダン・サウンド・オブ・ベティ・カーター/ベティ・カーター
 40年代後半に10代でプロデビューし、40年代終わりごろから3年以上に渡り、ライオネル・ハンプトン楽団のシンガーの座に収まり、50年代半ばごろから様々なレーベルに自己名義のアルバムを吹き込むようになります。60年代初めにはレイ・チャールズと共演活動し、レコーディングも残しました。63年には、ソニー・ロリンズ・バンドに帯同し来日し、“バンドに融けこむような”器楽的(ホーンライク)唱法が、当時の観客を驚かせたとされます。このアルバムは60年ごろにABCパラマウントに吹込まれた彼女の代表的な1枚で、リチャード・ウェスのダイナミックな編曲、指揮の下で躍動するバンドをバックに、ビリー・ホリディの得意曲など古い曲を中心に、圧倒的な乗りを感じさせ爽快に歌いとおしています。

●サラ・ヴォーン&ジミー・ロウルズ・クィンテット
 ジャズ・ボーカルの範疇にとどまらず“ザ・シンガー”と称されたシンガーの中のシンガーです。ニュージャージー州の出身で、幼少からピアノを習い、12歳で地元の教会でオルガンを弾き、聖歌隊に入っています。45年にソロデビューするや、47年~51年までダウンビート誌女性歌手部門で1位に輝くという華々しいスター街道を歩みだします。50年代には、コロンビア、マーキュリーの専属となり多数のレコーディングを残しました。このアルバムは、そのサラの70年代の活動の一端を知る恰好の1枚で、71年にメインストリームに吹込まれました。伴奏の名手、ジミー・ロウルズ(p)のトリオをバックに、一部でテディ・エドワーズ(ts)やアル・アーロンズ(tp)を加え、サラはスタンダードのほか、バカラック・ナンバーなど、やや長めの6曲を歌います。70年代も好調ぶりをキープするサラの、貫禄ある歌いぶりが伝わってきます。

●ジゼル/ジゼル・マッケンジー
 カナダ、オンタリオ州出身で、カナダ王立音楽院で学び、40年代半ばからバンド・シンガーとして活躍します。51年に渡米し、56年には永住権を獲得しています。57年には『ジゼル・マッケンジー・ショウ』がTVのレギュラー番組になり、女優としても活動します。NYの高級ホテル「ウォルドルフ・アストリア」の看板シンガーとなり、60年代にはミュージカルにも多数出演するなど、幅広く活躍しました。このアルバムは、58年にRCAからリリースされたもので、バックのメンバーにはポール・スミス(p)、ジャック・マーシャル(g)などが参加し、50年代前半のヒット曲を中心にしたセレクトのナンバーを、ジゼルはウォーム感たっぷりに歌っています。

2月25日の曲目 26日の曲目 27日の曲目 28日の曲目 3月1日の曲目  
※オンエア曲リストは放送後2週間を経過すると削除されます。ご了承ください。
武田清一

出演:武田清一

1970年代にフォークグループ「日暮し」の一員で「いにしえ」という大ヒットを残した武田氏は、アナログレコードの大ファンで、ジャズヴォーカルを中心に3000枚を越えるコレクションの持ち主です。自宅では二つのオーディオを音楽によって使い分け、CDでは得られないアナログサウンドを楽しんでいます。

上原 昇

出演:上原 昇

横浜在住。ジャズを聴き始めたのはハタチの頃から、地元『ちぐさ』によく通いエヴァンスやコニッツなど”白人系”ジャズに酔いしれる。もう一つ『ジャズ批評』から多くを学び、その恩返しをと。ヴォーカル(主に白人系)やボサ・ノヴァ(サンバではない)に神経を集中する日々。中途半端なコレクションはしてないつもり。

茂木亮

出演:茂木亮

1960年5月札幌出身、ピアニスト、スティーヴ・キューンのマニア、完全コレクター(自分が生まれたとき、キューンはコルトレーン4のメンバーだった)で、ジャズ批評誌などにキューン関連の情報を発信している。中野新橋のジャズ喫茶・ジニアスに20年以上通い続け、リスナー、レコード・コレクターとしての極意(?)を習得。高田敬三氏主催の「ボーカルを楽しむ会」では、年に一度ほど例会の案内係を担当。