『私はエコアナウンサー~SDGsをジブンゴトに~』著者 櫻田彩子さんが語る「私たちが今すぐに地球のためにできること」

2023.7.10 | Author: 池田アユリ
『私はエコアナウンサー~SDGsをジブンゴトに~』著者 櫻田彩子さんが語る「私たちが今すぐに地球のためにできること」

毎週日曜11時から13時まで、全国のコミュニティFM(一部地域を除く)を結んで放送している地域SDGs情報バラエティ『ロコラバ』。今回は6月11日放送の『地域人』のコーナーから、SDGsの取り組みに力を注ぐ「エコアナウンサー」を紹介します。

 

眩暈がするような猛暑に災害級のゲリラ豪雨。この異常な気候変動に今、地球全体が大きな悲鳴を上げています。我々人類が地球のためにできることは何か――? その行動の第一歩を指南し、「エコアナウンサー」として活躍する櫻田彩子さん。

 

4月に本の泉社より『私はエコアナウンサー~SDGsをジブンゴトに~』を発刊。自身の経験をSDGsの文脈でなぞらえたユニークな著書は、子供たちに安心・安全な地球環境を残すためのヒントを与えてくれます。今回は、櫻田彩子さんに「私たちが今すぐに地球のためにできること」についてお話を伺いました。

エコアナウンサーって?

――櫻田さんは静岡県で生まれ、秋田県と宮城県で育ちました。社会人を経験した後、東北大学の大学院の経済学研究科に進学し、博士課程前期経営学修士を取りました。現在はエコロジーと持続可能な社会のためのエコノミーを応援する「エコアナウンサー」として活動中。気候変動やサステナビリティ、SDGsに関わるNPO、NGOの活動にも参加されています。櫻田さん、環境問題に興味を持ったきっかけを教えていただけますか。

今から30年ぐらい前に、初めて放送に携わったのが仙台のコミュニティFMでした。当時、中継に行く時はPHSを使って、天気の様子や地域情報、災害情報を伝えていましたね。

1998年から8年間は宮城テレビで天気中継を担当していて、その中で気温が上がりすぎていることに気がつきました。仙台ってもともと涼しいところなんですけど、雪が積もらなかったり、夏は暑すぎたりして「おかしいな」と感じ始めて……。経済を勉強していたこともあり、エコロジーとエコノミーで「エコアナウンサー」と名乗るようになったんです。ある意味、ダジャレですね(笑)。

エコアナウンサー 櫻田彩子さん

 

我が子が2030年、50年生きたころに……

――普通のアナウンサーから「エコアナウンサー」になったわけですが、そもそもどんなキッカケがあったのでしょう?

仙台でNGOに所属する友人が、「彩子ちゃんって、エコアナウンサーだよね」って言ってくれたんですよ。2008年当時、彼が造語として私に名付けてくれたんですね。その後、環境問題を考えるようになって、「あれ、環境と経済って離れてないな」と思うようになりました

当時は「環境問題に取り組むとコストになる」と言われており、企業にとって環境と経済は水と油みたいな関係でした。けれど、2015年にSDGs、仙台防災枠組、パリ協定などが採択され、世界が「パラダイムシフトしていこう」という意思を明確にしたんです。「これまでのビジネスの在り方では人間は存続できない」という思いを強くした年でした。

その年に、私は40歳で子どもを出産しました。そこで「あ、 この子が2030年、50年、100年生きたころに、ちゃんと空気を据えているだろうか。安心安全な家の中で過ごすことができるだろうか、笑顔でいられるのかな?」って考えたんです。 自分の経験も合わせて、未来が自分ごとになった気がしたんですね。

――なるほど。お子さんを持つと、親として未来のことを考えますよね。

 

脱炭素チャレンジカップ

その後、エコに特化した仕事をされるようになりました。「脱炭素チャレンジカップ」の司会を長年務めているそうですね。

「脱炭素チャレンジカップ」は、エコな活動や脱炭素に取り組まれている全国の企業や団体、学校、市民や自治体などが、垣根なく自分たちの取り組みを発信したり、共有したり、「仲間と繋がって新しいコラボレーションを生み出していこう!」という趣旨で行われているアワードです。すごく楽しいですよ。

――今年はいつ行われるんですか?

今年のイベントは2023年2月に終わりました。年度末を前に行われています。来年の募集が始まりますので、ロコラバを聞いていらっしゃる皆さんにもぜひ応募いただきたいです。

 

個人ができる、サステナビリティ

――環境問題への取り組みは、「いったい何から始めたらいいんだろう?」と思いがちです。我々ができることって、どんなことだと思いますか。

環境問題は大きな課題ですよね。今までは「小さなことを、個々でコツコツとやっていきましょう」でなんとかなっていました。でも、もう間に合わなくなってきています。ペットボトルをリサイクルしたり、電気は再生可能エネルギーに変えたりなど、まだまだ個人でできることはあるんですが、それと並行して、地域で頑張っている人たち、行政、企業を応援することが大切になってくると思います。

たとえば、サステナビリティに資する商品を買うことで、投票行動につながります。また、政策提言をしているNGOを応援し、情報を聞いて、自分たちもアクターになっていくのもいいと思います。

ロコラバのように、話題を共有していくのもいいですよね。社会システムをどんどん良い方に変えていくドライブに、それぞれ個人がなれるんじゃないかなと思っています。

――いいものを応援するっていう考え方ですね。プラスを増長していくっていう。

そう! お2人も「エコDJ」として活躍してください!

――あはは、エコDJ(笑)。たしかにお金を出すことは、ある意味経済における投資活動なわけで、それがエコに繋がりますもんね。

ええ、おっしゃる通りです。企業もエコノミー、エコロジーに向き合い、社会を動かす大きなドライバーになっています。そこに私たちがコミットするという、自分たちの権利を使うことも大事だと思っています。

――最後に、リスナーの皆さんにメッセージをお願いします。

私が事務局を担当しているNPO法人サステナビリティ日本フォーラムでは、企業、個人の皆さんと一緒に、企業のサステナビリティの未来につながる情報開示などの啓蒙研究会、セミナーを行っています。ぜひホームページをご覧ください。また、エコアナウンサーとしては、司会やファシリテーターなど、皆さんと一緒に歩んで、走って、考えてまいりたいと思います。

――櫻田さん、ありがとうございました!

***

(番組パーソナリティ 横田)
私も経済学をかじってきたので、経済と環境って繋がっているなっていうのは、櫻田さんの著作を読んで強く感じました。ぜひ、『私はエコアナウンサー~SDGsをジブンゴトに~』も、手に取っていただければと思います。

『私はエコアナウンサー~SDGsをジブンゴトに~』

 

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文・構成=池田アユリ
編集 = ロコラバ編集部

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