新潟県出身者も絶賛! 水道橋「新潟カツ丼 タレカツ」で味わえるご当地カツ丼

2022.4.25 | Author: 天谷窓大
新潟県出身者も絶賛! 水道橋「新潟カツ丼 タレカツ」で味わえるご当地カツ丼

全国のコミュニティFM98局をネットしてお送りするラジオ番組『ロコラバ』12時台にお送りしている「東京ロコラバ・ランチ」では、全国各地のご当地グルメが集まる東京で味わえる名店をご紹介中。今回は、新潟のソウルフード「新潟カツ丼」が味わえる東京・水道橋の「新潟カツ丼 タレカツ」をご紹介します。

古書店や大学が並ぶ一角に映える「タレかつ丼」の看板

東京ドームの最寄り駅であるJR中央・総武線各駅停車・都営三田線「水道橋」駅を出て、白山通りを徒歩3分。古書店や大学が並ぶ神保町エリアの路地に入ると、「タレかつ丼」と大書きされた看板が飛び込んできます。

一般的にカツ丼といえば、厚切りのトンカツを卵でとじたものを思い浮かべますが、「タレかつ丼」とはこれいかに?

 

起源は屋台料理! 偶然から生まれた「新潟カツ丼」

「新潟カツ丼 タレカツ 本店」店長の中村さん

「新潟カツ丼 タレカツ 本店」店長の中村さんに詳しくお話を伺うと、新潟のソウルフードとして独自進化を遂げた、これまでにないカツ丼の姿が明らかになりました。

一般的なカツ丼と同じく、洋食の「カツレツ」を起源とする新潟カツ丼。カツ丼は厚切り肉を卵とじするかたちへと変化しましたが、「新潟カツ丼」は“ご先祖寄り”の路線をキープ。薄切り豚肉を揚げる、という基本形は変わらず、それを醤油ダレにくぐらせるという独自の進化を遂げていきました。

「かつてカツレツは屋台料理として人々に愛されていました。ある日、材料が足りなくなってしまったある屋台の主人が、とっさにカツを醤油にくぐらせてお客さんに出したところ、それが予想外に評判となり、薄くしたカツをご飯の上にのせるという現在のスタイルが生まれたそうです」(中村さん)

なんともユニークな誕生秘話を持つ新潟カツ丼。話を聞くと、ますます食べるのが楽しみになってきます。

 

お肉を叩いて叩いて十数回! 100%ラードで揚げたカツは驚きの軽さ

二段盛りカツ丼(税込1,140円)

今回は、「二段盛りカツ丼」(税込1,140円)をオーダー。カツが6枚も乗っかった、豪華な一杯です!

カツに使用しているお肉は、脂身の甘さに大きな特徴を持つブランド豚「和豚(わとん)もちぶた」。十数回以上、丹念に叩くことで肉質をやわらかくし、これをカラリと揚げて仕上げるのですが、そのときに使用する油はラードのみ。

「ラードのみでカラリと揚げることで、軽い食感を作り出しています。ラードが持つ旨みや甘みもお肉にしみこんで、さらにカツの味が華やかになるんです」(中村さん)

お話を聞いている時点で、もう頭のなかが“おいしさ”で一杯・・・・・・ これだけグッとくるお話を聞いたら、実際に確かめないわけにはいきません。中村さん、さっそくいただいていいですか?

「どうぞ、満を持して召し上がってください」

 

■かじると「サク、フシュ・・・」音まで美味しい新潟カツ

まずは自慢の新潟カツから味わっていきましょう。こぼれないように、慎重に慎重に・・・・・・。お箸を持つ手にも力が入ります。

ちょうど食べやすいサイズに切り分けられたカツ。豚のまろやかな香りとともに、継ぎ足し継ぎ足し熟成された醤油ダレの香ばしい風味がのっかって、なんとも美味しそう。タレにくぐらせても、カツの衣のシャキシャキしたフォルムは健在です。

カツを一口かじると、「サクッ」でもない、「シンナリ」でもない、「サク、フシュ・・・・・・」と独特のクリスピーな音が。カツ本来のサクサクした食感と醤油ダレのしっとり感が合わさって、これまでカツ丼で経験したことのない、不思議な感覚がひろがります。

ラードと醤油ダレの豊かな甘みがフワーッと漂い、丼をかかえながら思わず遠い目。壮大な味のイントロに、思わず目がトロ〜ンとしてしまいます。例えるならば、ムーディーな弾き語りのライブを聴いているよう。

「卓上の山椒粉をかけると、さらに味がダイナミックになりますよ」(中村さん)

カツの味わいをさらに華やかにするアイテム「タレカツ 山椒粉」

「タレカツ 山椒粉」と書かれた山椒パウダーを手に取り、カツの上にふりかけると・・・・・・ 甘みも旨みもいっきに倍増! さらにスパイスの芳香があわさって、味に奥行きが増しました。まるで味に“エコー”がかかったかのよう! これはスゴい!!

一口、二口とハシを進める間に、いくつもの味が口のなかをかけめぐります。新潟カツ丼、恐るべし・・・・・!! 

 

カツの旨みを受け止め、まとめあげる新潟のブランド米「こしいぶき」

粒立っているのが遠くからもわかる、新潟のブランド米「こしいぶき」

さて、そこへ登場するのが、丼に盛られたご飯です。およそ600もの品種をかけあわせて誕生したという新潟発のブランド米「こしいぶき」が、広まりに広まったカツの味をしっかり受け止め、丼として調和の取れた味わいにまとめあげてくれます。

お水を少なめに炊くことで、ほどよい弾力が残り、お米の輪郭もクッキリ。タレでべちゃべちゃになることもなく、凜とした姿を保ったまま丼の中で咲き誇っています。きちんと粒立っているので、お米とお米のなかに空気がほどよく入り、食べ口はふんわり軽やか。ボリュームいっぱいの丼を食べても全然もたれず、さっぱりとした食後感で食事を終えることができます。

 

食べた後の「残り香」まで美味しい

いやぁ満足、満足・・・・・・。胸いっぱいになって丼を置こうとしたそのとき――

「食べ終わったあとの丼に残る“香り”も、ぜひ最後に楽しんでください」(中村さん)

からっぽになった丼にそっと鼻を近づけてみると・・・・・・ カツの旨みと醤油ダレ、そしてお米のやさしく甘い香りが三位一体となった、なんともいえない華やかな香りが!! さきほどまで楽しんだ、素敵な味の記憶がふたたび頭のなかをかけめぐります。

最後の余韻までしっかりと美味しい、とことん考え抜かれた「新潟カツ丼」。こんなカツ丼、食べたことありませんでした。いやぁ、恐れ入りました・・・・・・!

 

1日に2回食べにくるお客さんも 水道橋の「ご当地グルメ」としても定着

お客さんとの思い出を語る中村さん

「新潟出身のお客さんからは、『まさに地元で食べていた味だ!』と太鼓判を押してもらいました」と、中村さん。その美味しさに、1日に朝・晩の2度訪れるお客さんもいるほどだそう。

「東京ドームでの試合観戦の前に、必ず買いに来るというお客さんもいらっしゃいます。お店に近い日本大学のOBだという方が『おお、まだやってたんだ!』と食べに来てくださったこともありました。学生時代の思い出の味として、『タレカツ』の新潟カツ丼を覚えていていただけるのは、本当に嬉しいことですね」(中村さん)

味を通じて、幾多もの人々を新潟へといざなう「タレカツ」の新潟カツ丼。新潟のソウルフードという役目を越え、いまや水道橋の「ご当地グルメ」としても愛されているようです。

テイクアウトも人気で、女性を中心に野菜カツ弁当が好評とのこと

 

■新潟カツ丼 タレカツ 本店

東京都千代田区西神田2-8-9
JR中央・総武線各駅停車、都営三田線「水道橋」駅東口から白山通りを神保町方面に徒歩3分、日大経済学部 2号館前のT字路を入ってすぐ
※「新潟カツ丼 タレカツ」という看板が目印
営業時間:11:00〜22:00(21:30ラストオーダー)
(コロナ禍の状況によって変更の可能性があります。お越しの前にお店にご確認ください)
電話番号:03-5215-1950

取材・文 = 天谷窓大
撮影・企画・編集 = ロコラバ編集部(株式会社トランジットデザイン)

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