安価に販売される無脂肪乳に新たな価値を！ 那須の新銘菓『バターのいとこ』が生まれたワケ｜栃木県那須町

牛乳からバターになるのはわずか4％

――栃木県出身の磯さんは、高校生の時に「生まれ育った地域を盛り上げていきたい」と思ったことから、大学で地域活性化について勉強を始めます。東京で就職した後、2022年、Uターンして株式会社GOOD NEWSに入社。PRやSNSでの発信、メディアとのやり取りなどを担当しています。磯さん、若くして地域のことを考えていたとは、すばらしいですね。まず、株式会社GOOD NEWSはどんなことをされている会社なのかを教えてください。

もともと当社では、2012年から年2回ほどマルシェのイベント『那須朝市（那・須・朝・市）』を行っていました。そこで地元の農家が丹精込めて育てているお野菜や加工品を販売していたんですが、イベントだけでなく、毎日地元のかたに寄ってもらえるお店を作れたらと思い、2014年に黒磯に『Chus（チャウス）』というお店を作りました。関わる酪農家のかたより「地域課題を解決できるような新たなお菓子を作れないか？」というお話から『バターのいとこ』を作っています。

――地域課題を解決できるお菓子とは？

はい。那須は酪農家が多い地域です。ある日、酪農家さんから「バターを作りたい」というお話をいただきました。ただ、牛乳からバターになるのはわずか4％しかなく、残りの90％以上が無脂肪乳、いわゆるスキムミルクです。「どうにかこれを活用しないと、パター作りはできない」という課題がありました。そこで、スキムミルクをお菓子にしたらたくさん使うことができて、より多くのかたに届けられるのではと思い、『バターのいとこ』を作り始めたんです。

「ふわっ・シャリッ・とろっ」の食感

――『バターのいとこ』、味の特徴を教えていただけますか？

牛のミルクから作っているので、パッケージに牛のイラストを使っています。ワッフル生地でサンドしたお菓子で、「ふわっ・シャリッ・とろっ」の３つの食感が楽しめます。

――たしかに！　食べた時に少しシャリッとしましたが、あれは砂糖ですか？

粗めの砂糖です。その他にバタークリームとミルクジャムが入っています。

――小判のような形をしていますが、デザインのこだわりは？

フランスの郷土菓子「ゴーフレット」をオマージュしています。食べやすい大きさにもこだわりました。

――お菓子を作る工場では地元のかたはもちろん、障害のあるかたも活躍されているそうですね。

工場では約200人が働いています。子育て中のかたの働き先として、また障害があるかたの就労支援の場として、地元のかたがたくさん活躍しています。定年後に働き始めたかたもいらっしゃいますよ。

エリア内で循環する『GOOD NEWS NEIGHBORS』

――さまざまな店が集まるエリア『GOOD NEWS NEIGHBORS』について教えてください。

2022年7月にオープンしたエリアです。8店舗の自然に配慮した事業を行うお店が入っています。施設内には飲食店で出た生ゴミやコーヒーのカスなどをコンポスト（発酵・分解させ堆肥を作ること）して、エリアの中で循環していく取り組みを行っています。

――農作業の時の肥料になったりするわけですね。

その肥料を使って、今年の春からハーブガーデンを計画しています。那須高原は自然が溢れる場所なので、お客さまに来ていただきながら森を良くしていこうというのが私たちのすべきことだと思っています。

――最後に、リスナーの皆さんにメッセージをお願いします。

毎週土・日曜日に『GOOD NEWS MARKET』を開催しています。地元の飲食店や農産物が集まっているマルシェです。皆さんのお越しをお待ちしております。

――皆さん、ぜひ行ってみましょう。磯さん、ありがとうございました！

***

（番組パーソナリティ　横田さんコメント）
お菓子の話題だけではなく、いろんな活動についても聞けて興味深かったですね。『バターのいとこ』は羽田空港、新千歳空港、エキュート品川などでも購入できるそうです。

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文・構成　池田アユリ