コラム「ミュージックバードってオーディオだ!」

<雑誌に書かせてもらえない、ここだけのオーディオ・トピックス>

ミュージックバード出演中の3名のオーディオ評論家が綴るオーディオ的視点コラム! バックナンバー


第97回/音展の前日、オーディオライターは[村井裕弥]

 10月15日(木)夕刻、この原稿を書いている。16日(金)から音展(オーディオ・ホームシアター展)が始まるので、この秋最も忙しい3日間がやってくる。午前中はだいたいミュージックバードの部屋(18階)にいて、午後はだいたいダイヤソウルの部屋(2階)にいる。ミュージックバードの部屋では、チューナーの聴き比べをおこない、ダイヤソウルの部屋ではダイヤソウルi(アイ)のデモをおこなうのだ。たくさんの方に共感していただけるとよいなあと願っているのだが、さてどうなることか。
 ミュージックバードの番組に出演しているオーディオライターはほかにたくさんいらっしゃるのに、ボクに司会者役が回ってくるのは、おそらく「ミュージックバードを自宅で聴いている時間が、ほかの誰よりも長いから」であろう。


なぜ毎日8時間もミュージックバードを聴くのか熱弁


聴き比べには、総額500万円を超える
ブルメスター&ソナス・ファベールのシステムを使用



45センチ径のアンテナを、60センチ径に替えると、
著しく音質が向上するという話題で大いに盛り上がる!


 朝起きると、即チューナーのスイッチを入れ、毎日10時間近く放送を聴く。使用チューナー? この春まではCDT-1AMDというエントリークラスに光デジタル出力(TOS LINK)をあと付けした製品を使っていた。多くの方々から「オーディオライターがそんな安いチューナーでよいのか!?」と質問(叱責?)を受けたが、

○ 光デジタル出力を外部D/Aコンバーター(MYTEK DIGITAL Stereo 192-DSD DAC)に接続。
○ 付属ACアダプター(スイッチング電源)を、A&R LabのPS-12(いわゆる出川式電源)に交換。
○ チューナー天板に、fo.Q(フォック)を貼る。

これらの対策を施すことで、音質上の諸問題をクリア。2年半以上にわたって、わが家の必需品であり続けた。
 ところがこの夏、CDT-1AMDがカタログから姿を消し、CDT-3AFDという新製品が登場。「ちょっと聴いてみてもらえますか」と言われ、自宅試聴してみたが、箱から出してつないだだけで「合格圏内の音」が出たからびっくり! 訊いてみると「受信してから、スクランブル(電波を乱す暗号)を解除するまでの回路」がまったくの新設計なのだという。要するに、これまでのチューナーたちとは血筋が異なるわけだ。
 もちろん、外部D/Aコンバーターや出川式電源はCDT-3AFDにも有効であったから、それまで聴いていた音より2ランクは上の音を聴けるようになった(そのCDT-3AFDに関する記事は『Stereo』誌5月号P72)。

 しかし、「これで落ち着くか」と思われたチューナー戦線に、さらにもう1台とてつもない新製品が登場! それが、MDT-5CS。昨秋発売されたMDT-3CS(『Stereo』誌2014年11月号P68)もなかなかの出来であったが、このMDT-5CSは先程述べたCDT-3AFDの新回路(受信からスクランブル解除まで)をそっくり採用しつつ、さらにブラッシュアップ。その音がどう変わったかについては『Stereo』11月号・炭山アキラ氏との対談で語り尽くしたが、これら新作チューナーの音を、旧製品と聴き比べてもらおうというのが、「音展」での目玉企画なのだ。

 ダイヤソウルiについては、『レコード芸術』11月号「俺のオーディオ 物欲篇」にくわしい記事を書いたので、これも併読していただきたい。要するに「いま自分が一番欲しいスピーカーはこれだ!」という話。
 3日間、まったく別な音源を用意し、このスピーカーの長所を全身で感じていただけるようなデモにしたいと考えている。

 十何年もこの仕事をしているから、今さら上がることはないのだけれど、少し緊張している。何はともあれ、少しでも多くの皆様がご入場してくださるとうれしい。

(2015年10月20日更新) 第96回に戻る 第98回に進む


3日間連続でご来場いただいたお客様も!
ダイヤソウルのブースはいつも満席


ダイヤソウルi

村井裕弥

村井裕弥(むらいひろや)

音楽之友社「ステレオ」、共同通信社「AUDIO BASIC」、音元出版「オーディオアクセサリー」で、ホンネを書きまくるオーディオ評論家。各種オーディオ・イベントでは講演も行っています。著書『これだ!オーディオ術』(青弓社)。

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