コラム「ミュージックバードってオーディオだ!」
<雑誌に書かせてもらえない、ここだけのオーディオ・トピックス>
ミュージックバード出演中の3名のオーディオ評論家が綴るオーディオ的視点コラム! バックナンバー
第56回/オーディオ評論家シリーズのこと [鈴木裕]
番組でオーディオ評論家、オーディオライターをゲストに招き、いろいろとしゃべってもらう企画がある。特に強い企画意図があってはじめたわけではないが、なかなか興味深い。僕にとっては先輩格の方が多いということもあるし、それぞれにオーディオや音楽に対するこだわりが強いからだ。今まで須藤一郎さん、林正儀さん、(そしてもうすぐ村井裕弥さん)を迎えている。 そもそもオーディオライターとかオーディオ評論家って何だろう。 |
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![]() 「女子オーディオ」の活動にも熱心な 林正儀さん(8月14日オンエア)
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ただしこの「評論家」、オーディオというジャンル以外も含めてどうもイメージが芳しくない肩書きである。ひとつには「自称」の人が多いこと。ご本人はきちんと段階を踏んで仕事をされているのだろうが、申し訳ないがちょっと胡散臭い。 僕自身は番組では「ライターの鈴木裕です」と言っている。実際にオーディオ評論家とか先生と呼ばれたりすることもあるのだが、実態は番組で聴いている通りで、まだまだ上記のような(特に、人格の部分)要素が薄く「自称評論家」になりかねないからだ。また、「オーディオライターの」とも言わないのは、たしかに最近は書く仕事のほとんどはオーディオについてなのでそう言っても間違いないが、オートバイとかクルマとか自転車についても書いて来たし、今でも時々クルマ関連の仕事があったりしてスケジュールが合えば取材をこなすし、原稿も書いていたりするからだ。 ちなみに昨年、2枚目の名刺を作った。 |
外国メーカーの外国人の技術者やCEOといった人たちにインタビューする機会がたぶん年に5回から10回くらいあって、その時にメーカーの人が、「ミスター・スズキ、オーディオ・クリティック」と紹介してくれているのに、名刺の方が「ライター/ラジオ・ディレクター」ではどうも辻褄が合わないからだ。紹介している人の顔に泥を塗ることになるし、相手の外国人だって名刺を見て、ラジオ・ディレクターって何のこっちゃと思っているに違いなかったのだ。 なんかどうでもいい話をダラダラと書いているようで恐縮しているが、そういう曖昧模糊として魑魅魍魎なオーディオ評論家って何だろうという疑問もあって、番組でシリーズ化しようと思ったのは間違いない。オーディオって音楽だが、オーディオ評論家っで何なのだろう、という話。何であれ、やはり現物にあたって取材する必要がある。 |
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