コラム「ミュージックバードってオーディオだ!」
<雑誌に書かせてもらえない、ここだけのオーディオ・トピックス>
ミュージックバード出演中の3名のオーディオ評論家が綴るオーディオ的視点コラム! バックナンバー
第22回/今気になっている二つのこと
今、気になっていること二つを、ここに書きとめておきたい。 まずは、ソーラーパネル・オーディオの現状について。当連載第13回で、雪まるださんというオーディオ愛好家が、 気になっていることその2は、DSDファイル再生の現状だ。この夏、スフォルツァートがDSP-03という、おそらくは世界初のDSDファイル対応ネットワークプレーヤーを出し、11月にはソニーがHDDオーディオプレーヤーHAP-Z1ESを出す。 | ![]() ピュアな直流を供給してくれるソーラーパネル
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DSP-03については、7月28日(日)イベント講師もつとめたが、その折「この製品は、仮にDSDファイル再生ができなかったとしても、買いだな」と痛感させられた。「筆者がこれまでに体験したネットワークプレーヤーの中で、音質的に最も支持したくなる製品」といっても過言ではない。リンク先を少しさかのぼると、筆者以外の感想も載っているから、ぜひお読みいただきたい。 ソニーHAP-Z1ESは(9/17現在)未聴だが、聴けたら即この連載でホンネをお届けする予定。製品の完成度が気になるのはもちろんだが、これの発売に合わせて、ソニー・ミュージック・グループがDSDファイルの配信を開始するか否かがもっと気になる!! ネットワークプレーヤーではないが、ヤマハのSACD/CDプレーヤー、CD-S3000も、この秋一、二を争う新製品だ。量産モデル完成前から、全国のショップで試聴会がおこなわれ、参加者からは「SACDで、ここまでの音が出せるとは思わなかった」「SACD再生がここまで進化したら、もうDSDファイル再生は不要なのでは」といった声まで寄せられている。それだけでも買う値打ち有りだが、それに加えて、このプレーヤーはUSB DACとしての使用が可能で、さらにはDSDファイル対応。要するに、これ1台でSACD再生、DSDファイル再生両方を完璧にこなせるかもしれないのだ。それがたったの451,500円!? |
筆者宅では、マイテックデジタルStereo192-DSD DAC(世界初のDSDファイル対応機)が、購入後間もなく2年を迎えようとしているが、先日ファームウェアを1.7.5に更新し、それに合わせて、専用ドライバUSBPALも1.34.10に更新したら、ガッツ、解像度、情報量が飛躍的に向上!20メートルのスピーカーケーブルを50センチに短縮したような劇的変化に驚かされた。
こういうアップグレード・サービスを「まるでパソコンみたいで嫌だ。オーディオ機器らしくない」と忌避される方もいるようだが、ハードを買い換えなくても、どんどん音がよくなっていくのだから、筆者は「とてもありがたいことだ」と考えている。メーカーが毎年新型を出し、ユーザーはどんどん乗り換えていく。もうそんな時代ではないのだから、先に挙げた新製品たちも、ファームウェアの更新等でどんどんよい音になっていってほしい。また、そうでないと、「真の勝者」として勝ち残ることはできないだろう。
(2013年9月24日更新) 第21回に戻る 第23回に進む